ホームページが必要ないのはどんなとき?9つのケース別に具体例で解説
あなたの会社や店舗に、ホームページはありますか?
昨今は誰もがインターネットを使って検索する時代になったことから、「どんな事業であってもホームページは必要だ」と主張するサイト制作会社が多数あります。
しかし、ホームページの必要/不必要はケースによって異なります。
業種や会社の状況によっては、「ホームページは必要ない」という判断をする場合もあります。
そこで今回は、9つのケースに分けて、ホームページの要否について考え方を紹介します。
ホームページは作ることによる効果も期待できる一方で、導入や維持にそれなりのコストがかかる施策です。「みんなホームページを持っているからうちも」となんとなく作成してしまう前に、「なぜ必要なのか」をフラットに考えてみましょう。
本記事の内容は動画でも紹介しています。
目次
ホームページの要否は「顧客がわざわざ見にくるか」で決まる
「ホームページが必要なのか?」という問いに簡単に答えるとしたら、「お客さんがわざわざそのホームページを見るかどうかで決まる」と言えます。
自社の商品やサービスが、どんな風に顧客に発見され、どんな順番をたどって購入や申込に至るのか考えてみましょう。
たとえば、SNSで話題のチーズケーキ屋に来るお客さんは、ほとんどがInstagramを見て来店しているかもしれませんし、会計システム導入を考える企業は、稟議の際にホームページのURLと会社概要が必要になるかもしれません。
このように業種やターゲットによって、ホームページがほぼいらない会社から、ホームページが必ず必要な会社まで、大きく幅があるのです。ホームページの要否に正解はないため、まずは顧客視点に立ってイメージしてみましょう。
ホームページが必要ないケース
まずは、ホームページが必要ない2つのケースについて紹介します。主に小売業やサービス業に当てはまる場合が多いでしょう。現在、店舗経営をしていてホームページを作るか悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
プラットフォームで集客できる場合
小売業やサービス業の場合、Amazonや食べログなど、何らかのプラットフォームに自社ページを持っている場合も多いでしょう。
プラットフォームの例には、以下のようなサイトが挙げられます。
飲食:食べログ、ぐるなび、Retty等
美容:ホットペッパービューティー、OZmall等
旅行:じゃらん、楽天トラベル、一休.com等
不動産:SUUMO、LIFULL HOME’S、アットホーム等
あなたもユーザー側として利用したことのあるサイトがいくつもあるのではないでしょうか。BtoC向けビジネスでは必ずといっていいほどプラットフォームがあり、TVCM・WEB広告・SEOなどに注力しているサイトばかりのため、集客において圧倒的なパワーを持っています。
Amazonや食べログのなかで自社ページを作ってビジネスをすることは、人の集まるショッピングモール内で専門店を出店するようなものです。
まだ知名度のない店舗でも、ショッピングモールのなかに出店すれば一定の集客を見込めたり、新たなファン獲得やTV露出のチャンスを掴んだりすることもありますよね。一方、人の少ない場所に出店するより、家賃が高くつくこともあるでしょう。
ネット上でも仕組みは同様です。プラットフォームのなかで自社ページを作れば、自社で一からWEB施策を行うよりはるかに強いパワーで送客を得ることができます。一方で、売上の10%程度(モールによって変わる。固定費用が必要な場合もある)は手数料として、プラットフォーム側へ支払わなければならない場合がほとんどです。
このとき、自社ホームページを制作するときの初期コスト~ランニングコストと、プラットフォームの手数料を天秤にかけてみましょう。
ホームページ制作費用は数十万円~数百万円です。そこから毎月WEB広告やSEO施策を行えば、広告費や対応工数はかさんでいきます。そして、尖った特徴や独自性がない限り、プラットフォーム以上の集客を見込める可能性は薄いです。
たとえば、一般的な駅前のビジネスホテルや、よくある町の定食屋などであれば、ホームページの必要性は薄いと言えるでしょう。
余力があればもちろん、+αの施策としてホームページを作るに越したことはありません。しかしその前に、プラットフォームに載せている写真やメニュー、プラン、情報など、プラットフォーム内で改善できる部分から強化していくと良いでしょう。
SNSやGoogleビジネスプロフィールで集客できる場合
プラットフォームでの集客に加えて、SNSやGoogleビジネスプロフィール(GoogleマップやGoogle検索結果に店舗情報が表示されるサービス)を活用している飲食店やホテルも多いことでしょう。
SNSやGoogleビジネスプロフィールでの口コミが集客につながっている場合も、ホームページを作る必要性は薄いです。
ここで「ホームページの要否」で紹介した、「自社の商品やサービスが、どんな風に顧客に発見され、どんな順番をたどって購入や申込に至るのか」という考え方に立ち返ってみましょう。
昨今、飲食店やホテルをプラットフォームで予約する前に、Googleマップをチェックしておくユーザーも増えてきました。また、SNS内でハッシュタグ検索をかけたときに魅力的な投稿を発見し、プラットフォームから予約に至るユーザーもいます。
少し前までは「プラットフォーム一強」だったBtoCのWEB事情も、このようなユーザー行動の多様化によって、変化してきているのです。
なかでもユーザーの予約や購入をあと押しする要素は、「口コミ」です。店内ポップで口コミを呼びかけたり、「#○○で投稿!」とハッシュタグ投稿を促したりするとよいでしょう。(Googleビジネスプロフィールでは、口コミを強制したり、見返りをつけたりすることは禁止されているため告知方法は注意が必要です。)
たとえば、SNS映えの動画が取れるラクレットチーズ専門店や、オーダーメイドで口コミ人気の高いケーキ屋など、「誰かに伝えたい」と思わせるようなフックがあると、ユーザーは自然に口コミを発信しやすくなります。
口コミが発生しやすい仕組みづくりや、SNS・Googleビジネスプロフィールの開設は無料でできます。BtoC向けのビジネスでは、費用のかかるホームページより前に、これらのツールの活用を進めていったほうが、費用対効果は合いやすいでしょう。
SNSやGoogleビジネスプロフィールの活用については、以下の記事も参考にしてみてください。
ホームページが必要なケース
続いて、ホームページが必要な7つのケースについて紹介します。「必要ないケース」では主にBtoC中心でしたが、その逆の「必要なケース」はBtoBのみが対象というわけではありません。ビジネスの方向性や強みによってさまざまなケースが考えられるため、自社の場合に当てはめてイメージしてみましょう。
無料から使えるホームページ作成サービスについては、以下でも紹介しています。具体的にホームページが必要となった場合はご参考ください。
BtoB企業の場合
まずBtoBビジネスの場合、ホームページはマストで必要と考えておいたほうがよいでしょう。
企業間の取引をするにあたり、決裁判断にホームページの企業情報が必要となる場合は多いですし、モールや資料ダウンロードサイトで企業を発見した後にも、ホームページを見にきます。また、事例や取引企業一覧などがあることによって、信頼度が高まり、受注率UPにつながる可能性もあります。
WEBでの集客を行わず、テレアポや紹介からの取引が多い企業だとしても、取引先に向けた「信頼性の担保」という視点でホームページを導入しましょう。
バリューエージェントでは、商社、ITサービス、企業向け社員研修、オフィス賃貸といったBtoBの分野で、ホームページ制作のお手伝いをさせていただいています。
単価の高い商品の場合
BtoCであっても、高単価の商品はホームページが必要です。
高単価商品の特徴は「すぐには購入に至りにくい」こと。プラットフォームで商品を見つけたとしても、いったん離脱し、他社ホームページを見ながら比較検討するユーザーも多いです。
あなたが高額の買い物をする際、その会社のホームページがなく、経営の実態がよくわからなかったとしたら、不安や怪しさを感じ、購入を躊躇してしまうのではないでしょうか。BtoBと同様にこちらも信頼性が非常に重要になってくるため、ホームページは用意しましょう。
また、ブランドヒストリーやこだわりがあれば、ホームページに詳しく記載できるとよいでしょう。興味をもち、検討段階で訪れたユーザーにもっとブランドのことを深く知ってもらえば、購入率が高まるかもしれません。
バリューエージェントでは、リフォーム、結婚相談所、振袖レンタル、植木屋といった高単価サービスで、ホームページ制作のお手伝いをさせていただいています。
リピート客の集客に注力したい場合
AmazonなどのプラットフォームがあるBtoCビジネスでも、リピート客の集客に注力したい場合はホームページを検討してもよいでしょう。
プラットフォームのデメリットとして「手数料がかかること」が挙げられますが、リピート客をホームページで獲得できるようになれば、2回目からは手数料なしで粗利率を増やすことができます。
新規客獲得は集客力に優れるプラットフォームを活用し、リピート客はホームページにて高粗利率で獲得する、といった流れで戦略的な売上最大化を目指していけると理想です。
なお、施策の優先順位はプラットフォームが第一です。プラットフォーム内での自社ページのコンテンツが不十分な場合は、まずそこからテコ入れしましょう。また、ホームページを作っても、新規客の入口となるプラットフォームの掲載は止めないようにしましょう。
リスティング広告やSNS広告を行いたい場合
WEB広告の遷移先として、プラットフォームの自社ページを設定することは不可能ではないものの、ユーザーが他社のページに流れていってしまうことや、一度来訪したユーザーを追いかけるリターゲティング広告はできないことから、非推奨です。
プラットフォームの掲載とは別に、自社でリスティング広告やSNS広告を行いたい場合は、広告の受け皿として、ホームページが必要と言えるでしょう。
人材採用を行いたい場合
商品やサービスの販売促進といった側面から外れますが、人材採用を行っている企業であれば、ホームページは必要です。
求職者がWEBで検討企業の社名を検索するのは、もはや当たり前となった時代です。アルバイト採用ならまだしも、新卒・中途の正社員採用ともなると、専用の採用サイトを用意している会社も増えました。
採用においてもやはり、ホームページがなければ信頼性が低いため、不利に働いてしまいます。正社員雇用を行っている場合は特に、ホームページは用意しておきましょう。
SEOで勝機がある場合
BtoCの場合でも、SEOで成功できそうな可能性がある場合はホームページを用意してもよいでしょう。
以下のような場合、SEOの勝機があります。
- 業界内知名度が高い
- 商品数が多い
- 指名検索が多い
たとえば、餃子で有名な「ぎょうざの丸岡」は九州4県にしかない飲食店ですが、これを食べるためにわざわざ遠くから来店するような人がいたり、ホームページから冷凍餃子を購入したりする人がたくさんいます。
このような知名度があり、「この商品を買いたい」と指名検索されるような商品は、SEOでも上位表示を取りやすく、勝機があると言えるでしょう。
実際に「ぎょうざの丸岡」のホームページトップには、「当ホームページ及び各店舗以外では販売しておりません。」との記載があるため、プラットフォームには頼らずホームページ集客でうまく回っていることが伺えます。
独自性の強い商品の場合
商品に強い独自性がある場合、SNSの発信だけでなく、そのコンセプトやストーリーを詳細に紹介するホームページもあるとよいでしょう。
ホームページを軸に(遷移先として)、SNS投稿や広告、チラシなど一貫性を持ったプロモーション展開を行うことが可能です。
たとえば、最近SNSでバズっているコンセプトの強いチョコレート店「Qrazy Chocolate」は、「食べられる未確認生物」をキーワードに、ホームページを軸としてYouTubeやTikTok、各種SNSに動画を多数アップし、話題になりました。
動画だけでは謎の多いチョコレートですが、ホームページで商品ページを見れば、価格や原材料、他商品など、各種情報を得ることができるようになっています。
このような強いブランドカラーや個性があるなら、プラットフォームに頼るだけではなく、ホームページ×SNSでの販売戦略を練ってみてみよいでしょう。
まとめ
今回はホームページの要否について、9つのケースを紹介しました。
【ホームページは必要ない】
- プラットフォームで集客できる場合
- SNSやGoogleビジネスプロフィールで集客できる場合
【ホームページが必要】
- BtoB企業の場合
- 単価の高い商品の場合
- リピート客の集客に注力したい場合
- リスティング広告やSNS広告を行いたい場合
- 人材採用を行いたい場合
- SEOで勝機がある場合
- 独自性の強い商品の場合
あなたのビジネスはどれに当てはまりましたか?
紹介した通り、WEB集客は「ホームページを作ることがすべて」ではありません。自社の場合の最適解を見つけたい方は、バリューエージェントにて随時無料で開催している「中小企業のWEBマーケティングセミナー」へお越しください。
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