売れないマーケティング戦略、売れるマーケティング戦略

売れないマーケティング戦略、売れるマーケティング戦略

企業が事業を伸ばす為に、新しい商品・サービスを投下したり、もしくは既存の商品・サービスをブラッシュアップするなどを検討する事はよくあるかと思います。

このようなチャレンジをしていく上でマーケティング戦略は重要です。しかし、マーケティング戦略は簡単ではなく、実施しても効果が必ず出る訳ではありません。

今回は売れないマーケティング戦略と売れるマーケティング戦略の考え方についてポイントと事例をご紹介をさせて頂きます。

本記事はこんな人の参考になります!

  • マーケティング戦略を策定したいがどうしたらいいかが分からない方
  • マーケティング戦略で成功する方法を知りたい方
  • フレームワークを知ってマーケティングの戦略を検討したい方

売れないマーケティング戦略と売れるマーケティング戦略の違い

マーケティング戦略をする上で、売れないやり方と売れるやり方には大きな違いがあります。

先に結論からお伝えすると、よくある売れないマーケティング戦略のやり方は、自分のお気に入りの商品ありきでマーケティング戦略を考えずに販売方法を考えるようなやり方です。

例えば、ある田舎で食べたおにぎりが抜群に美味しかった、レシピを教えてもらったが、材料費がかなり割高になる。ただ、抜群に美味しいので、少々高くても売れるだろうと考えて販売手法を考えても中々販売が上手くいかないケースも多いと思います。

では逆に売れるマーケティング戦略のパターンはどう違うのでしょうか。

それは、WHO、WHAT、HOWを意識した商品開発から考え始めます。

例えば、先ほどのおにぎりを例に挙げると、どんな年齢や性別の人にどんなシチュエーションで食べてもらいたいかを先に決めます。

次にマーケット調査をして分析を行い、どういう商品でどんなパッケージでいくらの値段に設定したら売れるのかを考えます。その値段に販売するのは、どれだけ材料を仕入れをして、どれだけの量を作らなくてはならないのかなども考えます。

その上で、通販か店頭販売かを検討し、店頭販売なら量販店か百貨店かなど細かく議論を重ね、最後にプロモーション方法を考え展開していきます。

つまり、売れるマーケティング戦略というのは、基本的に売れる為の商品作りから考え、戦略を練っていくこととなります。

売れるマーケティング戦略の考え方

では、実際に売れるマーケティング戦略を考えるには、WHO、WHAT、HOWを明確にした商品を開発をする必要がある為、それらを導き出す順番とヒントを洗い出すフレームワークをご紹介します。

自社が展開するマーケットを分析する

マーケティング戦略決定のために最初にやるべきことは、自社が展開する(展開しようとしている)商品の市場の分析です。顧客ニーズ、市場動向、競合といった外部環境や自社の強み弱みなどの内部環境を分析していきます。

市場分析でよく使われるフレームワークとして代表的なのが以下の4つです。

  1. ファイブフォース分析
    業界内の競合、代替品の存在、業界への新規参入者の脅威、買い手(顧客)の交渉力、売り手(サプライヤー)の交渉力の5つからくる自社の脅威の分析をし、業界収益構造を把握した上で自社の競争優位性を探し出すフレームワークです。
  2. SWOT分析
    自社の商品・サービスの内部環境(強み弱み)と外部環境(機会と脅威)の4つに分けて分析して、既存事業を伸ばす機会や脅威から打ち手を見つけ出すフレームワークです。
  3. 3C分析
    Customer(顧客) Competitor(競合) Company(自社)からくる3つのCから分析し、自社にとっての成功要因(顧客のニーズがあり競合に勝てる要素)を探し出すフレームワークです。
  4. PEST分析
    政治・経済・社会・技術からくる4つの外部環境の脅威を分析し、自社に与える影響(抱えている課題や市場変化)を把握するフレームワークです。

例えば、SWOT分析を使い高単価のおにぎりについて分析してみますと以下のようになります。

自社の強み

自社の弱み

  • お米・具の品質と健康に拘った素材
  • 地域に特化した歴史ある会社
  • 自社直営店舗を持っている
  • 原価が高いため、高単価商品になる
  • 絞られたエリアでの自社ブランド力
  • 流通が限定的
外部環境の機会

外部環境の脅威

  • 健康志向
  • おにぎり文化の海外での認知
  • 一定層いる高級志向顧客

 

  • お米以外の主食の台頭(高級食パンなど)
  • 物価高
  • 大手流通を持っているコンビニなどの高級路線のおにぎり

強みや外部環境の機会でもある、値段より品質の良さを購入軸としている顧客層や健康志向のお客様にチャンスがあると考えられます。

ターゲットの明確化

続いて、ターゲットを明確にしていく為にペルソナ設計をしていきましょう。

具体的には、顧客となりうる方のエリアや性別、年代の属性、そして更に細かくその顧客の年収や職業、家族構成、趣味まで設定するイメージになります。

細かくすることによりイメージが湧き仮説が立てやすくなるでしょう。

またSTP分析と呼ばれるフレームワークなどもよく使われます。

STP分析とは、「セグメンテーション(市場細分化)」「ターゲティング(狙う市場/顧客の決定)」「ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)」の3つの頭文字をとって各視点から分析する方法になります。

例えば、高単価のおにぎりでSTP分析を使った場合は以下のようなイメージとなります。

Segmentation:市場の細分化

伝統ある料理という位置付けで日本食の市場
Targeting:狙う市場/顧客を設定

日本人向けではなく海外から日本に来る観光客

Positioning:自社の立ち位置

手軽さと品質が高いヘルシー志向やベジタリアン向けのメニュー開発などの豊富なラインナップの提供

また、ペルソナ設計に関しては以下の記事も参考になります。

ペルソナとターゲットの違いとは?ペルソナの具体的な作り方も解説

自社が提供できる価値を考える

続いて、設定したターゲットに対して自社が提供できる便益を考えましょう。ここで、先ほどターゲットを細かく設定したペルソナが活きてきます。

何故、そのペルソナを軸になぜ商品を買ってくれるのかを徹底的に洗い出せば、それが自ずと自社の提供できる価値へと繋がっていきます。

またそれがポジショニングにもなります。

3C分析などのフレームワークを活用して、KBF(購買決定要因)やKSF(主要成功要因)などを見つけていきましょう。

例えば、高単価のおにぎりで3C分析を使った場合は以下のようなイメージとなります。

 

自社

競合A

競合B

価格×
購入できるエリア

高くても拘りの具

×

メニュー数の豊富さ

×
ベジタリアン向け××

上記から、良いものであれば購入して貰える層や競合が販売していない、ベジタリアン向けのおにぎりを大きく打ち出すことにより、差別化を図り購買へと繋がる訴求価値を見つけていきましょう。

施策を洗い出す

買う要因が明確になってきたところで、それに沿って施策や打ち手を決めていきます。 またフレームワークとしては4Pや4Cなどを活用してみるのもいいでしょう。 例えば、高単価のおにぎりで4P分析を使った場合は以下のようなイメージとなります。

product

price

日本食としてのおにぎり

伝統文化とコラボパッケージのデザイン

具がしっかり入っている

ラインナップも豊富

原価率が高い分、売価設定も高めでしっかりと利益が出る設計

place

promotion

観光地での実店舗

外国向けガイドブック

海外インフルエンサー

ホテル設置のフリーペーパー

カスタマージャーニーの作成

施策を洗い出すのと同時に顧客がどのように自社の商品・サービスを発見するかの流れや他の会社と比べて選択する流れを画にしていきます。
そのステップに沿って先ほどの施策を当てはめながらどのように行動変容がされるかの仮説を作っていきます。

例えば、高単価で海外の人向けのおにぎりの場合であれば以下のようなイメージで作成を致します。

より詳細なカスタマージャーニーに関しては以下の記事も参考になります。

カスタマージャーニーの基礎知識と具体的な作り方|プロの活用視点から注意点まで紹介

施策の決定&実行

最後は予算を算出し、実際にできることを決めてアクションをしていきましょう。

もちろん、マーケティング戦略に関しては、実行したら終わりではなく、そこから、どのくらいの成果につながっているのか振り返り、改善点を見つけ出して、また戦略に反映させていく事も重要となります。

例えば、高単価のおにぎりで海外向けに販売した場合は制作したパッケージデザインが外国人に受けがよかったのかどうか、リアル店舗への導線が機能していたのかどうかなどを振り返りながら検証して効果が思わしくなかったところは再度改善をしていく流れとなります。

ここまでやるのかと思われるかもしれません。

しかし、マーケティング戦略とは、営業をしなくても商品が売れる体制を作ることではないでしょうか。

その状態となってはじめて、自社の商品・サービスでPMF(※)ができたと言えます、

この段階まで来たら、次は大きくプロモーションなどの販促活動をし、スケールさせていくことができます

 

※PMFとは、プロダクトマーケットフィットの略で名前の通り、提供している商品・サービスが市場と顧客のニーズを発見し、適切に提供できている状態のことを指します。

 

当たり前かと思いますが、世の中に受け入れられる商品サービスではなければ、そもそも大きく販促しても全く効果がでないでしょう。

 

売れるマーケティング戦略の事例

 

動画内でご紹介した通り、SHEINはまさにテストマーケティング(市場調査)に力を入れている企業になります。
市場調査は人種が多様なアメリカなどで試しながら、売れ筋を発見し、世界に広げていきます。
また売れた商品はAIを活用し自動発注できる仕組みも確立しており、更にはインフルエンサーマーケティングやアフィリエイトなどのプロモーションも活用し、マーケティング全体のシナジーを上げています。

また少し似たようなところでいくとセブンイレブンなども流通と個数のバランス感覚が優れ、そこから得たデータを上手く反映することにより、売れる商品を生み出している会社だと思います。

まとめ

今回は売れないマーケティング戦略と売れるマーケティング戦略の違いと売れるためにどうすればいいのかポイントなどについて紹介しました。
もちろん、ここでご紹介させてもらったのが全てではありませんので、フレームワーク含めて一つご参考にして上手く活用いただければと思います。

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