リスティング広告のキーワード選定・設定方法|ツール活用方法も

リスティング広告のキーワード選定・設定方法|ツール活用方法も

リスティング広告を運用するにあたり、キーワードは広告の結果に大きな影響を及ぼします。

広告は「誰に」「どんな情報を届けるのか」で成果が決まります。

リスティング広告はユーザーが何かを検索するタイミングで表示されるタイプの広告なので、キーワードは「どんな検索をする人に配信するか」を決める非常に大切な要素と言えるでしょう。

本記事ではリスティング広告の選定、設定方法について、便利なツールの使い方も併せてご紹介します。

リスティング広告におけるキーワードの重要性

そもそもリスティング広告は「検索エンジンで一般ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を検索結果画面に表示する広告」です。

「どのキーワードで検索したユーザーに対して広告を表示するのか」を決めるのがいわゆる「キーワード選定」で、選んだキーワードにより、広告が表示されるユーザーが変わるため、設定する際には事前にリサーチして広告を見せたいユーザーの検索ニーズを予測する必要があります。

キーワード設定に抜け漏れがあると、大きな機会損失に繋がるため、広告を出稿してからも絶えず新しく設定できるキーワードはないか、抜け漏れがないかを確認する必要があります。

リスティング広告キーワードの選定と設定

キーワードを選定する前に、ターゲットを決めておくことが重要です。

広告の最重要要素である「誰に」「どんな情報を届けるのか」の「誰に」の部分がターゲットですが、キーワードはこのターゲティングの一部であるため、いきなりキーワードを考え始めるのではなく、まずは「ターゲット」の観点からメインのターゲットとなるユーザーを決めておく必要があります。

ターゲット設定の基本的な考え方については、下記の関連記事をご参照ください。

参考:リスティング広告入門 ターゲットとキーワードの考え方(初心者向け)

キーワードの選定方法

まずは自社の商品やサービスの特徴、強みを具体的に言語化し、その商品のターゲットとなるユーザーを設定します。

例えば、下記のようなイメージです。

  • 自社:A社、健康、美容製品を扱う国内ブランド、メーカー
  • 商品:日傘
  • 強み:高いデザイン性(有名デザイナー監修)、高品質(紫外線99.99%カット、晴雨兼用使用可能)、最短発注翌日にお届け可能
  • ターゲット:20~40代のある程度余裕のある生活をしている女性。健康や美容に関心が高い。

ここまで設定したら、キーワードの選定に入ります。

コンバージョンに繋がりやすいと言われるキーワードは、主に下記の2つです。

  1. ライバルが少ないキーワード
  2. 購買意欲が高いユーザーが好んで使用するキーワード

分析とリサーチ

どんなキーワードを設定するのが良いのか、競合他社の訴求の仕方や自社に寄せられているユーザーからの声、過去のアンケートデータなどを集め、ターゲットとなるユーザーはどんなポイントで購入するかどうかを見極めているのかを調査します。

改めて、「他社の商品ではなく、自社の商品を選んでもらうべき理由」は何なのかを明確にしましょう。

自社にしか押せないポイントは、キーワードとして他で使われていないこともあり、狙い目のキーワードが見つかる可能性があります。

メインとなるキーワードの選定

検索する際に、まずユーザーが打ち込むであろう単語がメインキーワードになります。

日傘を扱うA社の場合、メインキーワードは「日傘」はもちろんのこと、「日焼け対策」などもメインキーワードになり得ます。

メインのキーワードは大きな検索ボリュームが見込まれますが競合も多く、上位に表示させるのは、難しいです。

Googleキーワードプランナーの活用

Googleキーワードプランナーを活用することで、配信開始前に適切なキーワードを見つけるためにヒントが得られます。

Googleキーワードプランナーの画像

Googleキーワードプランナーにアクセスし、「新しいキーワードを見つける」をタップします。

新しいキーワードを見つける

キーワードやお客様のウェブサイトを入力し、「結果を表示」をタップします。

関連するキーワードについて、月間の検索ボリューム、そしてページ上部に広告が表示された場合の入札単価が確認できました。

人気のあるキーワードを見つけ、設定漏れがないか確認するのに非常に便利です。

参考:Googlelキーワードプランナー

サジェストキーワードの洗い出し

「日傘 安い」「日傘 遮光率」など、メインキーワード+1語以上で構成されるキーワードをミドルキーワードといいます。

ここはターゲットが検索すると思われる組み合わせを想定するのはもちろん、ツールを使ってよく検索されるキーワードを洗い出すことで漏れなくリサーチすることができます。

■ラッコキーワード

GoogleやBingなどの検索エンジンで、「日傘」というキーワードを検索するユーザーが他にどんなキーワードを一緒に検索しているのかを調査することができます。

自社製品の強みや特徴で、このサジェストキーワードに含まれているものがあれば、キーワードとして設定しておきたいところです。

ラッコキーワード

また、Googleの検索窓でメインキーワードを検索すると、画面下部に複数のキーワードが並んでいることが確認できます。これを関連キーワードと呼びます。

関連キーワード

関連キーワードはメインのキーワードと一緒によく検索されているキーワードなので、ユーザーの検索需要を知るのに便利です。

参考:ラッコキーワード

選定したキーワードのマッチタイプについて

設定したキーワードと、ユーザーが実際に検索したキーワードがどの程度まで厳密に一致していれば広告を表示させるのか、についての設定が「キーワードのマッチタイプ」です。

キーワードのマッチタイプ

引用:キーワードのマッチタイプについて

部分一致とは、指定したキーワードに関連する全てのキーワードが広告の表示対象になります。

設定したキーワードそのものが検索されていなくても広告が表示されることがあり、コンバージョンする可能性のあるユーザーに対して漏れなく広告を配信することが可能です。

配信対象がかなり自動で調整されるため、運用工数を少なく配信できて運用しやすい一方、関連性の低いキーワードに配信される可能性もあります。

2022年7月現在、Google側の推奨設定は「部分一致」による設定と言われています。

フレーズ一致は「キーワードと同じ意味の内容を含む検索」に対して広告を表示します。設定キーワードと同じ意味に解釈できる単語が検索されれば、配信対象と判断されます。

フレーズ一致を使用すると、宣伝する商品やサービスに関する検索結果のみに広告を表示できるため、部分一致よりも配信先のコントロールは行いやすくなります。

完全一致の場合、キーワードとまったく同じ意味または意図の検索のみが広告の表示対象となります。

上記の2つと比較して広告表示対象となる検索の数が少なくなるため、インプレッションが出しにくくなることが懸念されます。

特に運用初期の段階では、完全一致はお勧めできません。

一方で「自社ブランド名」など、確実に自社サービスを認識した上で検索されるキーワードは完全一致で入札を高く設定することで、他サイトへの流入を防ぐことに繋がります。

除外キーワードの選定

除外キーワードを設定すると、特定の検索語句を広告の表示対象から除外して、商品やサービスにマッチするキーワードを検索したユーザーのみに広告を表示できます。

検索意図がずれているワードは除外することができるので、よりターゲティングの精度を向上させることに繋がります。

例えば、「日傘」についての広告について部分一致で「日傘」を設定していると、「番傘(和傘)」を探しているユーザーもターゲットに入る可能性があります。このユーザーは日傘を買う可能性は低いため、「番傘」を除外キーワードとして設定します。

除外キーワードにも「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の仕組みがあり、設定を誤るとうまく配信が行えなくなるため注意が必要です。

参考:除外キーワードについて

実例:キーワード改善の重要性

ここでキーワード設定の重要性について、実例とともにご紹介します。

他社代理店にて以前よりリスティング広告を導入されていた、仕出し弁当を扱うお客様の場合、キーワードを見直してよりCVRの高いキーワードに集中して配信を行うことで、月のCVが5倍にまで改善されました。

参考:仕出し弁当のリスティング運用代行で新規顧客登録が5倍になった例

また、不動産関連のメディアを運用されているお客様の場合も、リスティング広告の運用代理店を弊社に変更頂いてから広告効果が大幅に改善されました。

LINEの登録者がおよそ2倍となり、またターゲットとしているユーザーからの問い合わせ率が増えたため、契約率も向上するという結果を出しています。ユーザーの観点から、ユーザーの目的別にキーワードを見直した結果もたらされた成果でした。

参考:リスティング広告運用代行でLINE登録が2倍以上の130件になった例

キーワードの設定方法

Google広告でのキーワード設定方法

キーワードは広告グループごとに設定するのが便利です。

「商品またはサービス名を入力」の箇所にメインのキーワードを入れると、関連するキーワードを自動で取得することが可能です。

不要なキーワードは手動で削除し、逆に追加したいキーワードを追加します。

マッチタイプについては、下記の通りの記載で設定します。

  • 部分一致:特に指定不要。キーワードをそのまま入れると部分一致扱いになります。【キーワード = 部分一致】
  • フレーズ一致:キーワードをクォーテーションで囲むと、フレーズ一致になります。【[“キーワード” = フレーズ一致]】
  • 完全一致:キーワードをカッコで囲うと、完全一致になります。【[キーワード] = 完全一致】
キーワードと広告

Yahoo広告でのキーワード設定方法

キーワード入力欄にメインのキーワードを入力します。右側にあるフォームに、商品やサービスに関連する言葉を入力して「候補を表示」をクリックすると、関連キーワードが表示されます。追加する場合は「<<追加」をクリックして追加します。

キーワード入力後、「キーワードの見積もり」をクリックすると、推定の合計クリック(日)/推定合計コスト(日)などを確認できます。

引用、参考:Yahoo公式ラーニングポータル:広告・キーワードの作成と設定

期待した効果が得られない場合|キーワード周りで確認すべき点

リスティング広告を運用していて期待していた効果が得られていない場合、どこを改善することで効果を伸ばせるのでしょうか。

マッチタイプは適切に設定されているかを確認する

マッチタイプは重要度の高い設定で、適切に設定されていないと期待値の低いユーザーにばかり当たってしまったり、本当に配信を進めたいキーワードで配信ができなくなることも考えられます。

期待していたキーワードで配信ボリュームが出せていない場合、他社に入札で競り負けて配信ができていないことも考えられます。その場合は単価を引き上げることで配信できる可能性があります。

除外キーワードは適切に設定されているか

部分一致で配信している場合、実際に配信されているキーワードが予測しにくいため、こまめに検索語句レポートで配信状況を確認して想定外のキーワードへの配信がないかを確認しましょう。

意図しないキーワードで配信が進んでいる場合は「除外キーワード」を活用し、調整を行います。

CVの可能性が低いキーワードを残し続けるとCV獲得効率が悪化して広告グループ全体に悪影響を与えることも考えられます。

そもそもキーワードが適切か

キーワード選定をした時から時間が経過し、季節が移り変わったり、新しい競合が現れたりすると、現在のターゲットの需要と設定しているキーワードにずれが発生している可能性もあります。

このような状況を防ぐためにも、初期のターゲティング設定の意図やキーワード選定の過程を残しておくことで、現状と設定しているキーワードのずれを早く検知することができます。毎日確認する必要はありませんが、改善を行いたいタイミングでキーワードがそもそも現状に即しているのかを立ち返って確認するようにしましょう。

キーワード以外に問題がある可能性も

広告セット全体のCTRが低い場合、クリエイティブに問題がある可能性が考えられます。

「誰に」広告を届けるかを設定する「ターゲティング」と並び、「何を」伝えるのかを司るのがクリエイティブです。

初期に作ったクリエイティブを使い続けるのではなく、適宜アップデートを重ねることでCTRの改善に繋がります。

和牛通販を扱う弊社のお客様の場合、定期的に打たれる販促キャンペーンを活用して広告コピーを作成することで、リスティング広告の効果を伸長させることに繋がりました。

実例:販促キャンペーンと連動した広告文のアップデートによる効果

また別の総合病院様の場合、トップページと広告文を併せて改善することでよりユーザーが求める情報が届きやすくなり、結果的に患者様の来院数を1.5倍に伸ばすことに成功しています。

実例:キーワード改善によるリスティング広告の改善

逆にCTRは高くでているのにCVに至らない、CVRが低い場合は、クリエイティブではなくLPや購入導線に問題がある可能性が高いでしょう。

LPが広告の見出しと一貫した訴求になっているか見直し、LPの改善テストを行いましょう。

またLPからサイトに遷移した後の購入までの導線に問題がないかの確認も、同時に行いましょう。

まとめ

リスティング広告のキーワード選定、そして設定の方法についてご紹介しました。

リスティングのキーワードは、ターゲティング項目の中でも効果に大きな影響を与えます。

とはいえ最初から適切なキーワードを完璧に抑えるのは難しく、初めてリスティング広告運用を開始する場合は広めにキーワードを設定して配信を開始するのが一般的です。

配信開始後は検索語句レポートを活用し、効率よく効果を出せるよう、適宜調整と改善を行いましょう。

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