リスティング広告の広告文作成完全ガイド|便利なお役立ちツールも
検索連動型広告として顕在層へのリーチに大きな効果が見込めるリスティング広告。広告においてクリエイティブは結果を大きく左右する要素です。
本記事では良質な広告文の作り方から、広告文を改善する方法についてご紹介します。
目次
リスティング広告の広告文とは
リスティング広告の構成や、作成時に注意するべきことについてご紹介します。
リスティング広告の掲載位置と構成について
検索結果と同じ形で掲載されるリスティング広告ですが、広告の場合は左上に「広告」が表示されています。表示がない場合は、オーガニックの検索結果ということです。
リスティング広告は、広告見出し(タイトル)、説明文、パス(ディレクトリ)で構成されます。
以前は見出しや説明文を一つずつ指定する「拡張テキスト広告」と、複数の見出しや説明文を作成し、Google側が組み合わせて広告を作成する「レスポンシブ検索広告」を選ぶことができましたが、Googleは2022年6月30日からYahoo!では2022年9月からレスポンシブ検索広告のみが作成可能となります。
下記の項目について複数の文を作成し、Googleがユーザーや配信面に併せてそれらを組み合わせることでクリエイティブを作成します。
① 広告見出し(タイトル)
青字で表示されているテキスト部分です。Google、Yahoo!いずれの媒体でも3種類〜15種類の指定が可能ですが、なるべく多くの見出しを用意することが推奨とされています。
Google広告では「広告見出し」Yahoo!広告では「タイトル」と呼びます。最もユーザーの目につきやすい部分なので、自社サービスの強みや伝えたいことを入れましょう。
② 説明文
広告見出しの下に記載されている、黒字のテキスト部分です。Google、Yahoo!いずれの媒体でも2種類〜4種類の指定が可能で、なるべく多く用意することが推奨とされています。
Google広告の場合は半角90字(全角45字)、Yahoo!広告の場合は半角90字(全角45字)と、長めの文章を入れられます。タイトルでサービスの概要や魅力を伝え、具体的な詳細を説明文で補足するイメージです。
③ ドメイン
レスポンシブ広告では、Google、Yahoo!いずれも、表示されるURLが自動で生成されます。
④ ディレクトリ(パス)部分(二箇所)
Googleではパス、Yahoo!ではディレクトリと呼びます。
それぞれ半角15文字以内で手動入力が可能です。
リスティング広告の作成ルール
レスポンシブ検索広告の見出しは、見出し・説明文・パスそれぞれに最大の文字数が決まっています。
項目 | 個数 | 文字数 | |
Google広告・Yahoo!広告 | 見出し(タイトル) | 3〜15 | 半角30文字まで |
説明文 | 2〜4 | 半角90文字まで | |
パス | 2 | 半角15文字まで |
※上記は全て半角の場合の文字数です。全角入力の場合は半角2文字=全角1文字でカウントされます。
さらに、リスティング広告では、見出しや説明の内容についてもルールがあり、これを守らないと広告が審査で却下になったり、悪質な違反を繰り返すと罪に問われる場合もあります。広告において特にルールに抵触しやすいのが、ヘルスケアや薬事周りのルール、誇大な広告表現、そしてアダルト表現です。
医薬品、薬事についての広告掲載ポリシー
健康器具やサプリメント、美容関連用品などは広告で訴求されることの多いカテゴリですが、人体に取り入れる可能性のある製品が正しい知識を持たない人によって誤った情報とともに広告訴求されると、健康被害などに繋がる可能性があります。広告掲載時は、薬機法に基づく広告表現が必要です。
クリエイティブ作成前に、下記の広告ポリシーを確認しましょう。
▼ルール違反の例
- 未承認の健康食品を「抗ウイルス」と宣伝する
- 医薬品として承認を受けていない化粧品を「シミが消える」と宣伝する
誇大広告についての広告掲載ポリシー
広告で大きな成果をあげるために、事実と異なるような表現で商品やサービスを過度に魅力的に見せることは禁止されています。確実ではないのに「飲んだら確実に痩せる」、明確な証拠もないのに「世界一の効果」などと謳うのは事実と異なる表現にあたるため、避けましょう。
広告クリエイティブ作成時は、下記の不実表現にまつわるポリシーを参考に、景品表示法に基いたクリエイティブを作成しましょう。
▼ルール違反の例
- 実際には国産以外の蜂蜜が混ざった蜂蜜の広告に「国産」と表示して宣伝する
- 客観的な第三者による調査をせずに、「顧客満足度No.1」と表示する
性的なコンテンツに関するルール
性的なコンテンツの広告を配信する場合、クリエイティブの作り方には厳しい制約があるとともに、未成年者を広告のターゲットとして配信することが禁止されています。
▼アダルト表現
- 漫画広告で、広告文に含まれていた漫画のタイトルに卑猥な文言が含まれていた
広告文がクリエイティブになる
ディスプレイ広告においては画像や動画がクリエイティブですが、リスティング広告においては広告文がクリエイティブとなります。
- クリック率
- コンバージョン率
- 品質スコア(推定クリック率、広告の関連性)
- ランディングページの品質、利便性
広告配信を大きく左右する上記の要素はクリエイティブに依存するため、間違っても適当に作成することは避け、十分な検討の上で作成するようにしましょう。
効果的な見出しを作ろう
成果を出しやすい広告を作成するためのポイントについて紹介します。
広告作成時に意識したいポイント
キーワードを広告文に入れる
設定した検索語句は、できる限り広告文に入れることで、検索してきたユーザーへのアピールになります。
検索語句以外にも、具体的な金額などの数字を使用することでクリック率が上がりやすくなります。「電話をかける」「資料を取り寄せる」「サービスや商品を購入する」など、具体的にユーザーのアクションを想起させる表現を入れることも有効です。
例) 水道管修理の〇〇|お見積もりはこちらから ✕(サイトにアクセスしないと相場感がわからない) 水道管修理即日対応可能 | 最安2万円から ◯ (即日対応してくれること、具体的な金額感が伝わる) |
広告文だけでなるべく具体的にサービス概要が伝わるようにすることで、想定しているターゲットからのクリック率をあげ、さらにCVに繋がらないクリックを防いで無駄な広告費用を削減することにも繋がります。
広告文とランディングページの内容の整合性をとる
せっかく広告に興味を持ってクリックに至ったユーザーがいても、ランディングページと広告訴求内容に齟齬があると、即時離脱に繋がってしまいます。
特にクリックした直後に目に入るランディングページのファーストビューは、広告文と内容が合致しており、矛盾のないようにしましょう。
クリックされやすい見出し
一般的に人が文字を認識する際、パッと目に入って一瞬で認識できる文字数は10〜15文字程度と言われています。様々な要素を無理に一行の見出しに詰め込もうとするのではなく、「価格訴求」「サービス訴求」など要素を分けて、CTRが高い見出しを探すべくABテストをするようにしましょう。
また、日本語特有の注意点として、ひらがな、カタカナ、漢字の使い分けも重要です。
- 漢字で表現できること
漢字は堅くて真面目な印象を読み手に与えるため、不動産取引や金融サービスなど、正確で間違いないサービスが重視される場合、漢字を多めに使用して訴求することがあります。
- ひらがなで表現できること
漢字が読みにくい場合など、ひらがなを使用した方が意味が伝わりやすい場合は、わざとひらがな表記にして可読性をあげる方がクリックされる場合があります。
- カタカナで表現できること
外来語などカタカナでないと表現できないものがある一方、日本語でも表現できる言葉を意図的にカタカナ言葉を使用する場合もあります。「刺青→タトゥー」「借金→ローン」などの言い換えだけでも読み手に与える印象がソフトになることがあります。
読み手にどんな印象を与えたいのかにより、適切なワードチョイスは変わります。
リスティング広告の改善について
レスポンシブ検索広告の場合、以前主流だった拡張テキスト広告と比較して効果検証の手段が限定されます。
各見出しや説明文が組み合わされて表示されるため、それぞれのクリック数、コンバージョン数、CTRやCVRを確認することができません。
広告見出しの評価を確認する
レスポンシブ広告の場合、各見出しや説明文の効果を確認できるのは「インプレッション数」と「Google側のパフォーマンス評価」のみです。
パフォーマンス評価では、それぞれの見出しや説明文の表示回数が一定数に達すると「最良」「良」「低」で評価され、評価がつかないものについては「調整中」「評価なし」と表示されます。
「低」と評価されたものは別の見出しや説明文に差し替える形で改善を進めます。
レスポンシブ検索広告で効果を出すために
レスポンシブ広告は運用者側で確認できる数値が少なく、Google側の機械学習に委ねる側面が大きくなります。機械学習を進めるのに必要なデータをなるべく早く集めることで検証が進みやすくなるため、見出しと説明文はできる限り最大数を用意するのが大切です。
また、インプレッションとパフォーマンス評価以外にもGoogle側から最適化のための提案が適宜行われます。広告見出しについて、独自性のあるものに変更するなど、クリエイティブ改善に役立つ提案があった場合はそれに従うことで、より効果を出しやすい形に改善を進めることができます。
見出し作成に活用できる無料ツール
最後に、見出しを考える際に役立つ無料サービスをご紹介します。
ラッコキーワード
調査したいキーワードを入力すると、キーワードにまつわる疑問を教えてくれる「Q&A取得ツール」やキーワードの同義語を提示してくれる「類語・同義語取得ツール」など、キーワード見出し作成時のアイデア出しの参考になるツールです。有料版もありますが、無料でも基本的な機能は使えるのが嬉しいです。
コピーメカ
魅力的なコピーのアイデア出しに便利なツールです。
商品やサービスの一般名、消費者のとる行動(買う、遊ぶ、食べるなど)、商品やサービスの固有名、を入れて「キャッチコピー案を作成する」をタップすると、自分では思い付かないような切り口のコピーを7種類提示してくれます。同じサービスで検索しても、検索するたびに出てくるコピーが変わるので何度も検索すればたくさんアイデアをもらえます。
ぽいっとキャッチコピー
コピーメカと同じくキャッチコピーを生成するツールですが、コピーを作成するコピーメカに対して、ぽいっとキャッチコピーはどちらかというと単語に形容詞をくっつけたようなキーワードとして作成してくれるイメージです。
キーワード「営業」で作成してみると、「営業の王様」「運命を変える営業」「各界で話題騒然の営業」などなど、300を超えるキーワードがずらりと表示されます。
まとめ
一般的なコピーと違い、広告の見出しには「見た人に具体的な行動を起こさせる力」が必要です。「ダイエット 都内」で検索すると、「本気で見た目を変える」「最大75%OFF」など、具体的で、痩せたい人にとって非常に魅力的な広告見出しが並んでいました。
限られた文字数の中で、いかにユーザーの検索ニーズに寄り添ったコピーを作れるか。さらにユーザーが広告を見た後に「実際に広告をクリックする」という行動に即座に移るには、その広告をクリックして購入に至ったあと自分にとって良い未来がやってくる具体的なイメージを見出しで連想させる必要があります。
良いリスティング広告の見出しを作成するのは簡単なことではありませんが、幸いデジタル広告は短期間、また少額の予算でも改善を重ねるのが簡単な媒体です。改善を重ね、自社の勝ちパターンを探していきましょう。