中小企業がWebマーケティングで失敗する10パターンと改善策
Webマーケティング、つまりWebを使った集客は、今や多くの会社が当たり前のように行っている集客方法です。
しかし、失敗をしてしまう中小企業は多いです。
中小企業社長
- Webマーケティングをしているのに中々うまくいかない
- ホームページを何度かリニューアルしているが、成果につながらない
- 専門家に依頼しているのに、失敗を繰り返している
そんな声を多く聞いてきました。
そして、弊社バリューエージェントもWebマーケティング事業を始める前に、Webマーケティングで失敗した経験があります。
Webコンサル
上野山
弊社は、その失敗体験から15年以上、中小企業に機能するWebマーケティングを実証してきました
本記事では、Webマーケティングに失敗する中小企業によくある10のパターンと、悪循環に陥らずに成功するためのポイント、また中小企業の成功事例をご紹介します。
目次
失敗するパターンは大きく分けて3つ
中小企業がWebマーケティングで失敗するパターンとして、以下のようなものがあります。
- 考え方の問題
- Web戦略の問題
- ビジネスモデルの問題
それぞれを詳しく解説します。
考え方に問題があり、失敗するパターン
まずは、考え方に問題があるパターンです。考え方が間違っていれば、どんな手法であってもうまくいかないことがほとんど。
あなたの会社は以下のようなことになっていませんか?
- 相談する相手を間違えている
- おいしい営業話に食いついてしまっている
- 戦略がなく思いつきで始める
1つずつ解説します。
1.相談する相手を間違えている(相手は売上を上げることに関してプロか?を考える)
Webマーケティングで成功したいのであれば、「どのように御社の商品をWebで売る仕組みを作るか」という戦略を考えてくれるプロに頼る必要があります。
中小企業の社長でよくあるのが、「Webデザインできるならマーケティングもできる」「制作会社にホームページ制作を依頼すれば、集客できるホームページを制作してもらえる」という勘違いをしているパターンです。
Webデザイナーはデザインの専門ですし、制作会社もあくまで制作が専門であり、Webマーケティングができるというわけではありません。
さらにWebマーケティングの手法には、広告・SEO・SNSなど様々なものがありますが、その運用のプロであっても、「どうやって商品を売るのか」という戦略まで考えられている専門家は少ないという現状もあります。
ホームページ制作会社に集客の相談をすれば「ホームページを作って、集客しましょう」といわれ、広告代理店に集客の相談をすれば「広告で集客しましょう」といわれるのは当然と言えば当然ですよね。
どうやって集客すればいいのか分からないのであれば、集客のプロであるWebマーケティング会社やWebコンサルティング会社に依頼をするべきでしょう。
2.おいしい営業話に食いついてしまっている
Webマーケティングは意外と泥臭く、競合に勝てるように設計し、施策を行っていく必要があります。
しかし、Web業界の中には“おいしい話”を営業トークでしている会社もあります。
- 月3万円でSEOで1位に出します
- 月5万円でリスティング広告を常に1番に表示させます
- リース契約で安く、集客できるホームページが作れます など
このような話を聞くと、コストを抑えて成果を上げられるのは良いなと思うかもしれませんが、そんなに簡単に低価格でWebマーケティングを成功させられるのであれば、努力したりコストをかけたりする企業はないでしょう。
おいしい営業話に食いつかず、しっかりと判断できるようになりましょう。
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3.戦略がなく思いつきで始める
中小企業によくあるのは、マーケティングの調査や戦略などがないまま「これ、面白いから売ってみよう!」という社長の鶴の一声でWebマーケティングが始まるパターンです。
Webマーケティングに限らず言えることですが、思いつきで行って成功するビジネスというのは稀です。
Webマーケティングで成功するためには、調査を行い、戦略を練って、施策を行い、検証を繰り返し…という工程が必要となります。
しかし、このようなアイデア優先で売ろうとした場合、このような工程の途中で「別の商品の方が面白いから変えよう」という話になってしまう事も多いのです。
きちんとプロセスを踏まないと、Webマーケティングでは成功しづらいということを理解しておきましょう。
Web戦略に問題があり、失敗するパターン
次に、Web戦略に問題があり、失敗するパターンです。
Webマーケティングのことを「どんな商品・サービスも売れるようになる魔法」のように勘違いしていませんか?
以下のようなパターンを繰り返していないか、ぜひ確認してみてください。
- 社内でWebマーケティングに対する優先順位が低い
- 競合が極端に強く、勝てる部分がない
- Webでのニーズがない
- リピート商品なのにLTVを考えて投資しない
4.社内でWebマーケティングに対する優先順位が低い
Webマーケティングを取り入れよう!と決まったものの、スタッフが他の業務と兼任していてなかなか時間がさけないという場合や、予算が使えないという場合も成功することは難しいでしょう。
Webマーケティングで成功している企業は、Webでの優先順位が高く、しっかり時間と費用をかけています。
10年前であれば、Webに力を入れている企業が少なく、兼任スタッフや少ない予算でも利益を出すことができていました。
しかし、最近ではWebに力を入れることが当たり前となっているため、このように優先順位が低いとなかなか成功に結びつかなくなっています。
5.競合が極端に強く、勝てる部分がない
競合に圧倒的なブランド力があったり、勝てる部分がない場合もWebマーケティングでの成功は難しいです。
なぜなら、Webの場合ユーザーは、あなたの商品・サービスだけを見て購入を決めるのではなく、様々な競合と比較してその中から魅力的な商品・サービスを選択するからです。
Web以外の場合だと、人付き合いなどが競合との勝因になることもありますが、Webだとそれもありません。
例えば、電化製品を扱っている通販店で考えてみましょう。
大手家電量販店のネット通販では、保証も充実しており、ポイントが付与される場合が多いです。さらに送料無料ということもあるかもしれません。
競合がこのように強い場合、少しだけ商品価格を安くしたり、独自のオプションをつけたりなどしても勝つことは難しいといえるでしょう。
商品やサービスが競合に勝てる部分がないと、Webマーケティングをしても成功は難しいです。どうやったら競合に勝てるかを考えて、商品・サービスづくりをする必要があります。
6.Webでのニーズがない
どんなに良い商品であったとしても、その商品を使うターゲットがWebを使わない層であれば、当然ながらWebで売ることはできません。
過去に弊社であった事例で、パソコンを使わない人向けの商品を、Webで売れるようにしてほしいとご依頼いただいたことがありました。もともとこの商品をWebで売ることは難しいと伝えていましたが、一度試してみたいとのことで広告を打ち出してみました。
3か月ほど改善を繰り返してみましたが、広告費を回収できるほどWebで売ることはできず、撤退することになりました。
商品・サービスをWebで売る前に、ターゲットはどんな人なのか?その人はWebを利用するのか?ということを考えておく必要があるでしょう。
7.リピート商品なのにLTVを考えて投資しない
Webマーケティングをしたからと言ってすぐに利益が出るとは限りません。長期的に考えて、投資する必要があります。
LTVとは、ライフタイムバリューの略で日本語でいうと「顧客生涯価値」を表します。1回の購入ではなく、生涯をかけて1人の顧客がどれだけ企業に利益をもたらしてくれるか、を表す指標です。
具体例でいうとリピート商品は、短期的に利益が出ないことがほとんどです。
例えば、1本1,000円の化粧水を販売し、平均2年間は毎月リピートしてくれることが分かっていたとします。
この場合、Webマーケティングで成功する企業であれば、1,000円の商品の広告費に3,000円以上をかけることが普通です。
しかし、もしビジネスがまだ軌道に乗っておらず、顧客がどれくらいリピートしてくれるか分からない企業の場合、1,000円以下の広告費しか使えず、成功に結びつかないということがあります。
リピートを前提とした商品には、しっかりと投資する必要があるでしょう。
ビジネスモデルに問題があり、失敗するパターン
最後に、ビジネスモデルに問題があるパターンです。
先述の通り、Webマーケティングは魔法ではないため、ビジネスモデル自体に問題がある場合、成功させることはできません。
例えば、以下のようなパターンです。
- 世の中にない新サービスを低予算で売ろうとする
- アップセルすべき商品をいきなり売ろうとしている
- そもそも儲からないビジネスモデルである
8.世の中にない新サービスを低予算で売ろうとする
もし、「まだ日本人が存在を知らなくてこれから流行る商品」「まだ人々が必要だと気づいていないサービス」をこれから売っていきたいのであれば、すでにニーズがある商品・サービスを売るのに比べて、費用がかかります。
というのも、知らなかった商品やサービスというのを実際に購入するというのには時間がかかりますし、誰に響くのかも分かりづらいので広い層にアプローチをする必要があり、広告予算も使うからです。
しかし、「これから広めていきたい。でも予算は使えない」となると、Webマーケティングで失敗に至ってしまうことになります。
9.アップセルすべき商品をいきなり売ろうとしている
アップセルとは、すでに購入した商品や、受けたサービスよりも、より高い商品・サービスを購入してもらうことを言います。
商品の中には、アップセルでないとなかなか売れない商品があります。
例えば、健康食品や化粧品で初回50%オフで売られていることがありますが、これはまずは商品の良さを知ってもらい、次回から通常価格の商品を購入してもらうための値引きとなります。
また、弊社の場合だとWebコンサルティング(月額15万円~)をサービスとして提供していますが、初回は無料でコンサルティングを行っています。これも、無料でコンサルティングを提供することで、お客様に安心して契約してもらうためのサービスとなっています。
このように、お客様との関係性ができてからしか売れない商品があります。
商品の良さを分かっていても、「この金額で失敗したら嫌」「本当に買っても大丈夫なのかな?」などの不安があるのであれば、いきなり売るのではなく、最初にお試し商品があるとよいでしょう。
10.そもそも儲からないビジネスモデルである
ニーズがなければ物が売れることはありません。
「全然売れないし、儲からないから、Webマーケティングで儲かるようにしてほしい」という依頼をいただくことがありますが、そもそも売れない・儲からないビジネスモデルの場合にWebを使って売れるようになる・儲かるようになるということはありません。
ニッチでもいいので、本当にその商品・サービスにニーズがあるのか、どれくらいニーズだと感じるターゲット層がいるのかを見極める必要があります。
また、ニーズがあっても、安売りしすぎて利益が出ないような儲からないビジネスもあります。競合に勝ちたいあまり、安くしすぎてはいませんか?
このような場合は、ビジネスモデルから変える必要があるでしょう。
中小企業でWebマーケティングに成功するならまずは正しい知識・考え方から
Webマーケティングで成功したいと考えているのにも関わらず、失敗を繰り返しているという場合は、業者に丸投げするのではなく、まずは自分で勉強してみて正しい知識や考え方を身に付けることをおすすめします。
知識や考え方が身につけば、簡単なことは自社でできるだけではなく、業者の言っていることも理解しやすくなり、Webマーケティングを依頼した時に成功しやすくなります。
Webマーケティングの勉強というと、大変そうだと感じる人もいるかもしれませんが、今は無料セミナーやYouTubeなどで、気軽に勉強できる方法が多く存在します。
弊社でも無料セミナーやYouTubeチャンネル運営を行っていますので、ぜひお役立てください。
▼3~10分程度の動画でWebマーケティングに詳しくなれるYouTubeチャンネル
中小企業でWebマーケティングを成功した事例集
この記事では、中小企業によくあるWebマーケティングで失敗するパターンをご紹介しました。正しい知識や考え方が身につき、正しい相談相手を選ぶことができれば、中小企業もWebマーケティングを成功させることができます。
どのような悩みを持っていた人がどのような施策を行い、成功したのか?という具体的な事例集を資料にまとめましたので、こちらも参考にしてみてください。