オウンドメディアでマネタイズはするな!ユーザー・クオリティ重視の記事を作ろう
オウンドメディアでマネタイズ(収益化)はできるけれども、それを最初に目指してはいけません。
オウンドメディアには、マネタイズよりも大事な本来の目的があって、それを果たせば「結果として」「時間はかかるけど」収益化することができます。
今回の記事では、
- どうしてオウンドメディアでマネタイズを狙ってはいけないのか
- だったらどんなオウンドメディアを作っていけばいいのか
WEB初心者でも分かりやすいように、説明していきます。
目次
オウンドメディアでマネタイズをしてはいけない3つの理由
もし私がWEB担当者に任命されて、「成果の出るオウンドメディアを作ってね!」と上司から言われているとすれば、マネタイズ優先の考え方をしてしまう気持ちも、分からなくはありません。
実際、その考え方で得られる利益もあるでしょう。
しかし、マネタイズを優先してオウンドメディアを立ち上げ・運用することは、本質的ではありません。その理由を3つ、挙げてみましょう。
- 自社の商品の話に誘導すると、メディアとしての公平性にかけるから
- メディアが育つ前に広告を入れると読まれないメディアになるから
- 低品質・大量記事作成で収益化する時代は終わったから
【1】自社の商品の話に誘導すると、メディアとしての公平性にかけるから
特に、比較的商品単価が安く、購入・利用のハードルが低い「B to C」商材の場合。
オウンドメディアのコンテンツ内で、「とにかく自社商品(サービス)に誘導しよう!」としがちですが、これはうまくいきません。
× ダメな例
[タイトル] ウエストを-3cmする方法
[中身] ウエストを-3cmするなら、この「痩せ痩せサプリ」が1番!
[ユーザーの心] 本当に?他にも方法はあるんじゃない?
なーんだ、会社の商品のPR記事か。役に立たないな。
上記のような経験を、これまで多くの人がしたことでしょう。
本来ならそこで推されるべきでない商品が、「これがベストだよ!」と強引に推されていたら、ユーザーは買う気を失くします。
仮にそれが本当にいい商品であったとしても、です。
さらに、“誘導が適切でないコンテンツが量産”されたメディアは、それ自身の信用性も損ねます。
ファン(リピーター)のつかないオウンドメディア、ユーザーから「役に立たないな」と思われるオウンドメディアを、コストをかけて作る意味はないでしょう。
【2】メディアが育つ前に広告を入れると読まれないメディアになるから
オウンドメディアのマネタイズを最初に考える時、簡単で早そうに思えるのがアフィリエイト広告の追加です。
アフィリエイト広告とは、成功報酬型の広告のこと。
オウンドメディアに訪れた人が、コンテンツ内のバナー・テキストなどを経由して、商品(サービス)の購入に至った場合に、利益が発生します。
そこで、オウンドメディアの各記事に、アフィリエイト広告をたくさん設置することがマネタイズの近道に思えますが、これも長期的な視点ではNG。
アフィリエイト広告をむやみに置いても、オウンドメディアの雰囲気がブレてしまうだけです。
「何が言いたいのか分からないな」とか、先の【1】でもあった「結局商品をPRしたいだけなんだな」などと思われ、ユーザーはオウンドメディアから離れていってしまいます。
“長期的に読まれるメディア”を目指すなら、アフィリエイト広告の活用は考えなくてもよいです。
【3】低品質・大量記事作成で収益化する時代は終わったから
オウンドメディアをマネタイズ優先で作るとなった時、利益を大きくするために、制作費・運用費を抑えたくなりますよね。しかし、これもNGです。
実際、“1記事あたりのコストが格安なので、記事を量産できる”ことを強みにするオウンドメディア支援業者もありますが、そのクオリティには疑問があります。
ひと昔前は、1記事1,000円やら2,000円やらで量産した薄い記事も、キーワードが適切に入ってさえいれば検索で上位表示することがありましたが、今はそうではありません。
「内容の薄い記事」や「コピー&ペーストで量産したような記事」、そして「キーワードだけを詰め込んだような記事」は、めったに上位表示されなくなっています。
情報が飽和状態にある今のネットでは、お金をかけてしっかりしたコンテンツを作ることが前提でなければ、検索の上位に上がることはできず、オウンドメディアはユーザーに見つけてもらえないのです。
“マネタイズよりも大事”なオウンドメディア本来の目的
「マネタイズしないオウンドメディアなんて、何の意味があるのか?」という声もあります。
これに対する回答は、「オウンドメディアをやる本来の意味は、自社の認知度アップである」です。
自社が発信したい情報ではなく、ユーザーの知りたい(困った!)を解決する情報が載ったオウンドメディアは、時間をかけてユーザーに認められていきます。
そして、オウンドメディアの価値が高くなれば、提供する商品・サービスの価値も認められやすくなり、
- 直接購入(主にB to C)
- お問い合わせ
- 資料ダウンロード
- セミナー申し込み
など、記事の内容に応じた様々なCVが発生(※1)しやすくなります。
つまり、短絡的なマネタイズ手法から遅れをとることはあっても、結果的にはオウンドメディアでマネタイズできるのです。
「マネタイズさせるつもりで作らないオウンドメディアが、結果としてマネタイズする」というのは変な話に聞こえますが、これは曲げようのない事実です。
※1 もちろん、工夫なしで様々なCVが発生する訳ではありません。“適切な箇所から適切なページへ”リンクを送る、ジョイントが機能している必要があります。
オウンドメディア本来の役割を果たし、マネタイズもしている事例
「いいオウンドメディアであれば、結果的にマネタイズする」とはいえ、その道のりは長く険しいです。
- Googleが「権威性のあるサイト」の「オリジナル(一次)情報」を評価していることから、
すでに認知度の高い大きな企業の記事に、勝ちにくくなっている点 - これまでは競合が少なかった業界でも、WEBマーケティングの普及に従い、競合となるサイトが増えている点
上記2点から、オウンドメディアの記事を検索で上位表示させる難易度は上がっています。
特に、段階(お問い合わせなど)を踏まずにワンステップで商品・サービスを購入してもらうことは、非常に難しいです。
以下で紹介するのは、そうした難易度がありつつも、マネタイズに成功している2つの好例です。
【1】アパレル通販の「お役立ちコラム」
とあるアパレル通販サイトでは、おすすめ商品やSTAFFコーディネートのアップのほか、月に4本程度のコラム型記事の発信を、長く続けています。
コラムは、10代後半~20代のオシャレ好きがターゲット。
「最近服にハマり始めた」という層に向けた“オシャレ知識系の記事”や、コーディネートの幅を広げたい層に向けた“テーマごとのコーディネート記事”などを、主に更新しています。
コラムの途中で、直前のテキストにきちんと合った商品紹介(例えば、カーディガンの話をしているならカーディガンだけが表示される)をすることで、「興味・関心」を持ったところから「購入」までがスムーズに繋がります。
結果、「コラムは全体の売り上げに貢献している」と言ってもいいレベルまで、メディアは成長しました。
他の大手通販サイトを抑えて、1位を取る記事も増え、知名度を着々と高めています。
【2】自社ブログ
当社『バリューエージェント』の「WebマーケティングBlog」も、まだ発展の余地はおおいにあるものの、メディア運営によるメリットを多く受けています。
- 中小企業のWeb担当者
- Webマーケティング初心者
主に上記の層に向けて、コンテンツを展開中です。
ここ1年くらいであれば『一次情報とは?二次情報との違いや一次情報の適切な使い方について』や『altタグ(alt属性)とは?正しい対策方法を「事例付き」でわかりやすく解説!』などで検索上位を維持し、ターゲット層からの認知度アップに貢献してくれています。
当社の場合は、Webマーケティングという業務形態的に、CVの実数値よりも、記事の上位表示が生む“信頼度アップ”の恩恵が大きいと感じます。
【結論】まずは“アクセスが増える設計”でオウンドメディアを作ろう
- マネタイズを優先したオウンドメディアを作ってはいけない
- オウンドメディア本来の役割は「自社の認知拡大」にあるから
- 自社の認知拡大を達成した結果、マネタイズにも繋がる
今回の記事でおさえておきたいポイントは、上記の3点です。
オウンドメディアで成功するためには、上位表示できるような設計をちゃんとすることが大事。具体的には、1つ1つの記事がユーザーのニーズに叶っていることです。
ユーザーニーズを満たすことが大事なのは、何もオウンドメディア運用に限ったことではありませんよね。デザインでも広告でも、欠かせないことです。
ユーザーの検索シチュエーションを考えて、記事1つ1つに最適なゴール(資料DL・メルマガ登録・セミナー案内など)を設定しましょう。
なお、当社『バリューエージェント』では、オウンドメディア運用支援も業務の1つとして行っています。
「どんなオウンドメディアを作っていけばいいのか分からない」「将来マネタイズに繋がるようなキーワードを選べるか自信がない」とお悩みの方は、ぜひ1度『バリューエージェント』にお問い合わせください。
⇒ バリューエージェントの「オウンドメディア運用支援」の詳細はコチラ