3分でわかるディスプレイ広告とは?中小企業のための考え方

 

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される画像・動画・テキストの広告のこと。

BtoB/BtoC問わず、“あなたの商品やサービスを知らないが、潜在的に必要としている”ユーザーに向けて、視覚的にアピールできる広です。

 

Web広告には、ディスプレイ広告の他にも様々な種類があるため、商品・サービスの特徴や広告配信の目的に応じて、適切なものを選ぶ必要があります。

この記事では、中小企業のWebマーケティング全般業務を支援しているバリューエージェントが、ディスプレイ広告を検討している中小企業に向けて、分かりやすく解説します。

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、上記画像のようにWebサイト(ブログやポータルサイト等)やアプリ上の広告枠に表示される画像・動画・テキスト広告のことです。

バナーで表示されることも多いため「バナー広告」と呼ばれたり、Webサイトの内容に応じて内容が変わるため「コンテンツ連動型広告」とも呼ばれたりすることもあります。

ディスプレイ広告の種類(掲載媒体)

ディスプレイ広告は主に3種類あります。

種類広告の出稿先
GDN(Google広告)・Googleアドセンス利用サイトや提携サイトへの出稿
・その他詳細なターゲティングによる出稿先
YDN(Yahoo!広告)・Yahoo関連サービスやmedia.net等の提携サイトへの出稿
・検索履歴や閲覧履歴によるターゲティング
Youtube広告・YoutubeやGoogleの持つデータをもとにターゲティング

各ディスプレイ広告にはそれぞれの特徴があり、広告を出せるところが少し異なります。

自社サービスに関連したブログに出したい場合はGDN(Google広告)がメインになり、Yahoo!Japanのブラウザ画面に出したい場合はYDN(Yahoo!広告)になります。

ディスプレイ広告 初心者は、まずGDN(Google広告)に出すのが基本といっても過言ではないでしょう。

ディスプレイ広告の料金形態

どのディスプレイ広告でも、料金形態は主に2種類です。

クリック課金方式広告がクリックされた際に課金される方式
インプレッション課金方式広告が一定数表示された際に課金される方式

課金のされ方が全く違うのでもう少し解説します。

クリック課金方式とは?

WEBサイトやアプリ等に表示されたディスプレイ広告が、クリックされるごとに費用が発生する方式です。逆にクリックされなければ費用は発生しないということです。

また、1クリックあたりにかかった費用をクリック単価といい、クリック単価はオークション形式により常に変動します。

ただ広告費を沢山出せば表示回数が増えるわけではなく、クリック単価の上限、競合サイトの出稿状況や、広告が表示されているWEBサイト、自社でだしている広告品質など、あらゆる要素スコア化して出稿単価が決まっています。

ちなみにクリック単価は5円〜100円とかなり差があり、広告を出してみないと正直わからないので、1ヶ月間の予算を決めてまず出してみてから予算を確定させていく事が重要になってきます。

インプレッション課金方式とは?

インプレッション課金方式では、広告がクリックされてもされなくても、表示された回数に応じて課金される方式です。1表示あたりの費用はクリック課金方式より安いです。

そのためクリック率が高く、コンバージョン(購入等のアクション)率が高い広告であれば、クリック課金方式より広告費を抑えることも可能です。

ただ、クリック率が高くてもコンバージョン率が低い広告だと、費用対効果はかえって悪くなることもあります。

ディスプレイ広告の効果測定を十分にできる場合に最適な方式といえます。

ディスプレイ広告とリスティング広告の違い

Web広告の中でも代表的なものがリスティング広告です。

ディスプレイ広告は自社のことを知らない潜在層へのアプローチが可能な一方、リスティング広告では顕在層へのアプローチが主であることが大きな違いです。

リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果にユーザーが入れたキーワードに連動して掲載される広告のことです。

リスティング広告は特定のキーワードを検索している(=悩みやニーズが顕在化している)人に表示させる広告なので、CV(購入等のアクション)までの距離が近く、すぐ売上げアップに繋がるのが特徴です。

またリスティング広告は、ディスプレイ広告と違い、テキストでの広告配信となるのも大きな違いです。

中小企業はリスティング広告から始めるのがおすすめ

予算や人的リソースがあるのであれば、リスティング広告とディスプレイ広告どちらも行うのがオススメですが、どちらか1つから始めるのであればリスティング広告から始めることをおすすめします。

リスティング広告から始めるのがおすすめな理由は2つあります。

  1. ニーズが顕在化しているからすぐに成果になりやすい
  2. テキストだけだから出稿が簡単

先述の通り、リスティング広告ではニーズが顕在化している層にアプローチするため、広告を見てから購入・申し込みまでが早いです。潜在層にアプローチするディスプレイ広告と比べると、リスティング広告は広告費をかけて利益がすぐに出せるということになります。

また、テキストのみで運用可能なため、デザイナー不在でも出稿できて、改善も簡単であるという特徴があります。

このことから、基本的には中小企業が1つだけWeb広告を始めるのであれば、まずリスティング広告から始めることをおすすめしています。リスティング広告である程度成果が出せるようになってから、ディスプレイ広告など他の広告でアプローチする層を増やしていけるとよいでしょう。

リスティング広告の仕組みと費用相場|導入前に知っておくべき基礎知識を紹介

ディスプレイ広告のメリット・デメリット

ディスプレイ広告は、リスティング広告や他WEB広告とはまた違ったメリット・デメリットがあります。

ディスプレイ広告のメリット

主なメリットは以下の通りです。

  1. 画像(バナー)・動画など視覚に訴える広告が配信できる
  2. 潜在層へのアプローチができ認知度向上効果に期待できる
  3. 一度サイトに訪問したターゲットに、リターゲティングで後追いできる
  4. 競合サイトにアクセスしたユーザーに広告を出すことができる
  5. ブランディングを加速でき

 

画像(バナー)・動画などの目に止まりやすい広告が配信できる

リスティング広告は、「太文字のタイトル」と「簡単な説明文」の文字だけしか表示されないので、インパクトを与えるタイトルを考えることが大切な広告です。

ディスプレイ広告では、画像とキャッチコピーを含めることができるので、リスティング広告よりも目に止まりやすい広告といえます。

適切なキャッチコピーと内容で潜在ユーザーに目立たせることに成功すれば、非常に高い効果を広告となる可能性があります。

あなたの商品を知らない潜在層へアプローチができる

ディスプレイ広告は、特定のサイトやアプリを利用しているユーザーに、視覚的な訴求ができるため、潜在層=「あなたの商品を知れば必要だと思うが、まだ知らないし、調べてもいない層」にアプローチできることが一番の特徴です。

また、どのWebサイト・アプリに広告を表示させるかという事も設定できるため、自社サービスに関心の高いユーザー・関心を持ってくれそうなユーザーが利用しているWebサイト・アプリに狙って広告を表示させることも可能です。

例えば、こちらはレシピサイト「クックパッド」に表示された「食事宅配サービス nosh」の広告です。

クックパッドを利用しているターゲットは、自炊をしている人だと考えられます。自炊をする理由の一つに「健康的な食事をしたい」というものもあるでしょう。

外食だと健康的な食事は難しいから自炊をしているユーザーが、この広告を見て「自炊じゃなくても食事宅配サービスという選択肢もあるのか」と気づき、広告をクリックすると考えられます。

このように潜在的にニーズはあるが、商品をまだ認知していないユーザーに、ディスプレイ広告ではアプローチができます。

一度サイトに訪問したターゲットに広告を表示できる(リターゲティング広告)

これは、リターゲティング(リタゲ)といい、過去に自社サイトを訪れたことのあるユーザーに対して、広告を表示させる手法のことです。

Google広告では、この手法のことをリマーケティング広告(リマケ)と呼びます。

自社サイトにリターゲティング用のタグを挿入しておくことで、自社サイトに訪れた人かを識別し、広告を表示させるという仕組みです。

リターゲティングでは、すでに自社のことに興味関心を持っているターゲットに対して広告を出せるため、通常のバナー広告よりもクリック率やコンバージョン率が高いという特徴があります。

ただし、あまり追いかけすぎるとターゲットに良くない印象を持たれるため、回数制限機能や表示される日数設定で調整が必要です。

競合サイトにアクセスしたユーザーに広告を出せる

競合他社サイトにアクセスしたことのある履歴(クッキー等)を持つユーザーに、自社の広告を表示することができるのもディスプレイ広告の特徴です。

競合より優れた品質かつ安いサービス(商品)を提供している場合、競合他社の興味が強くCV率が高い人しかみないページにアクセスした人に広告を出した場合、思わぬ良い商材の登場で自社に強い興味をもってくれる可能性があります。

ザイオンス効果から他広告の成果増加につながる

ディスプレイ広告は、予算次第であらゆるWEB媒体に出すことができるため、多くのユーザーの目に触れさせる事が可能です。

人間の本能的に、見る回数が多いものに安心感をおぼえるザイオンス効果を与えることができるので、リスティング広告のCV率が増加することもあります。効果的な運用ができれば、ブランディング効果まで期待できます。

しかし、次のように「品位にかかわる広告(猥褻・マナー・残虐・不安 喚起など)※」「内容・表示に問題がある広告(虚偽・誇大・説明 不足など)※」が露出しすぎると逆効果になるリスクもあります。

※「なぜその広告は不快なのか」の広告苦情を訴えた理由の内容から抜粋

ディスプレイ広告のデメリット

ディスプレイ広告の最大のデメリットは、「クリック率・コンバージョン率がリスティング広告に比べると低い」ことです。

リスティング広告は、自分の知りたいことを検索するといった能動的な行動をしているので、ニーズが顕在的になっているターゲットにみてもらえるため、広告文が気になったらクリックしてもらえます。

そして、マッチする商品などであればそのままコンバージョンする可能性も高いです。

 

ディスプレイ広告は、顕在化したニーズを持ったターゲットであっても、リスティングのようにリアルタイムで検索していないこともあり、結果的には潜在客にみてもらうための広告といえます。

言い換えれば、興味を持ってもらうための広告でもあるので、商品購入等のコンバージョンから少し遠い位置にいるユーザーをターゲットにしているというわけです。

だからこそ、コンバージョン率・クリック率はリスティング広告より低いです。

ディスプレイ広告が向いている中小企業の特徴

上記の内容から、ディスプレイ広告が向いている中小企業は、以下のような特徴があると言えます。

  • 広告予算に余裕があり、認知獲得をしたい
  • (リタゲ広告の場合)Webサイトにアクセスが、最低でも月に100~1000以上ある

広告予算に余裕があり、認知獲得をしたい

ディスプレイ広告は、まだ知られていない商品・サービスを世の中に知らせる便利な広告ですが、先述の通りコンバージョン率はWeb広告の中でも比較的低いです。かけた費用の効果として、最終的な売上が欲しいと考えるのであれば費用対効果は低いといえます。

 

ただし、広告予算に余裕があり、多くの人に認知して欲しいというのであればディスプレイ広告は適した広告と言えるでしょう。

(リターゲティングの場合)Webサイトにアクセスが、最低でも月に1000以上ある

リターゲティングの場合、一度サイトに訪れたユーザーに広告を見せるため、Webサイトのアクセスしたユーザーのリストが多い方が成果を出しやすいと言う特徴があります。

 

コンテンツをしっかり作っており、SEOなどでアクセスが多いサイトだと相性はいいと言えるでしょう。

ちなみに、Googleのリマーケティング広告の場合、過去 30 日間のアクティブ ユーザー数が100人以上、Yahoo!のリターゲティングの場合1000人以上のリストがある場合のみ出稿可能となっています。

 

Google ディスプレイ ネットワークをターゲットとする場合、過去 30 日間のアクティブ ユーザー数が 100 人以上であることが必要です。

Google公式 データセグメントの仕組み より

サイトリターゲティングを利用して広告を配信するには、ターゲットリストのリーチ数が1,000件以上である必要があります。

※リーチ数が1,000件以上の場合であっても、システム側の判断により広告が配信されない場合もあります。

Yahoo!広告ヘルプ サイトリターゲティングとはより

 

中小企業がリマーケティング広告で成果を出した事例

弊社のクライアントであるアパレルのネット通販を運営しているA社では、毎月定期的にアパレルに関するコンテンツをブログで掲載し、サイト内の地道なSEO対策を行いました。

2018年9月に5,831ユーザーだった、検索流入が2020年10月には119,406ユーザーと約20倍に激増。

そこに追い風をかけるようにリターゲティングとリスティング広告を行った結果、ECサイトの売上が1年間で約2.5に。注文件数は2倍に増加。平均購入単価もアップしました。

リマーケティングの例

リターゲティングでは、ユーザーが実際に見た商品ページの商品と、それに類似した商品を自動で表示。更に、セール中は商品の画像の上に「セール中」との文言が出るように設定できます。

このため、セール中は特に成果が出やすいので、広告予算を引き延ばすことで成果を最大化させました。

 

本事例の詳細については、以下をご覧ください。

ECサイトのSEO対策とリスティング広告運用で売上が2.5倍に!

ディスプレイ広告の成果を良くするための3つのポイント

中小企業がディスプレイ広告の成果をよくするためのポイントとして、以下の3つが挙げられます。

  • クリエイティブにこだわる
  • cookieに頼らないターゲティング(カスタムオーディエンス)も組み合わせる
  • 広告だけではなくGoogleアナリティクスで全体像を見る

クリエイティブにこだわる

ディスプレイ広告は、ぱっと見てユーザーを引きつける必要があります。そのため、バナー画像のクオリティが低かったり、バナー画像のイメージと広告リンクを分だ後のサイトの印象が大きく異なっていると、なかなか成果が出しづらいと言う特徴があります。

レスポンシブ広告 例レスポンシブ広告 イメージ

最近では、画像と説明文を用意すればGoogleが自動で組み合わせて、反応のいい組み合わせを残していってくれるというレスポンシブ広告という機能も一般的に利用されるようになっています。

 

いずれにせよ、様々なパターンで試してみて、反応のいいクリエイティブを残していくと良いでしょう。

cookieに頼らないターゲティング(カスタムオーディエンス)も組み合わせる

リターゲティングにおいて、サイトに一度訪問したユーザーを見分けているのは、cookie情報(Webサイトの閲覧時にWebサーバからの支持により閲覧履歴の記録)を得ているからです。

しかし近年、個人情報保護の観点からCookie規制をかけるブラウザが増えています。つまり、リターゲティングを出稿しても反映されないユーザーが多くなっています。

 

そこで、cookieに頼らないカスタムオーディエンスというターゲティング方法も合わせることが主流となっています。カスタムオーディエンスでは、GoogleアカウントやSNSアカウントなど、ユーザーが自分で入力した情報を元にターゲティングを行うことが可能です。

 

広告代理店などにディスプレイ広告を出稿するときは、cookieが問題でなかなか成果が出ないときもありますので、どのように工夫をするか聞いてみると良いかもしれません。

広告だけではなくGoogleアナリティクスで全体像を見る

ディスプレイ広告は、広告の管理画面だけで見ていても本当の成果が目に見えづらいです。

と言うのも広告管理画面だけで見ていると、広告出稿しているのになかなかクリックされていないという事があります。

 

ここで、広告出稿をやめる場合が多いと思いますが、バナーを見て商品を認知したユーザーがその後検索して調べるということもありえます。実際に弊社の広告運用で、ディスプレイ広告を止めたらリスティング広告の成果も落ちた、ということがありました。

ディスプレイ広告の広告費用が発生するのは、クリックされたタイミングです。そう考えると、ディスプレイ広告はクリックされずとも、バナーを見たユーザーに無料で知ってもらえる広告とも言えます。

ディスプレイ広告を出したことで、どれくらい成果が出ているのかと言うのは、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを見て判断すると良いでしょう。

まとめ

この記事では、中小企業に向けてディスプレイ広告の基礎的な知識をお伝えしました。

リスティング広告と比べると、売上に直結する費用対効果は低いですが、予算をしっかり使えば認知を高める効果があります。また、既にサイトの訪問者が多い場合は、リターゲティングを使えば費用対効果高く、売上を上げることもできるでしょう。

バリューエージェントでは、ディスプレイ広告・リスティング広告・SNS広告の運用代行を行っています。Webマーケティング会社なので、広告運用だけではなく、Web全体を見て成果を最大化させるためのコンサルティングと施策の実施が可能です。

 

Web広告を利用して、成果を上げたいとお考えの方は、ぜひ一度無料相談にお申し込みください。

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