Webマーケティングの最新動向【2023年版】
Webマーケティングは、現代のビジネスにおいて重要な戦略の一つとなっています。
特に、オンラインビジネスの拡大に伴い、Webマーケティングはますます重要性を増しています。新しいテクノロジーやトレンドが続々と登場する中、広域に渡るWebマーケティングの最新動向をキャッチアップすることは企業の成長に欠かせません。
今回は、2023年のWebマーケティングの最新動向について紹介します。
本記事はこんな人の参考になります!
- 2023年のWebマーケティングについて情報収集をしている方
- 動画マーケティングやSNSについてのトレンドを知りたい方
- 2023年のSEO対策について情報をキャッチアップしたい方
目次
2023年Webマーケティングのトレンド
2023年の今年、Webマーケティングがますます重要性が高くなると感じています。
その中でも注目しているWebマーケティングのトレンドとしては、伸長している動画マーケティング市場やソーシャルコマースを有し始めたSNS、2023年のSEOのアルゴリズムについてなどいくつかポイントがあります。
総じてコロナ禍によって飛躍したデジタル環境の変化とアフターコロナに入っていく中でよりオンライン・オフラインの垣根がなくなり始めていくでしょう。
Webマーケティングにおいてもそこを念頭に置きながら、ユーザーの行動に合わせた個人化やカスタマイズをしたマーケティング施策を立てていきましょう。
動画マーケティングについて
(引用元:「22年の動画広告市場5601億円に コネクテッドテレビがパソコン超え」)
動画広告の市場規模は2025年において1兆を超える規模になると言われております。
昨年に引き続き、動画広告市場においては5Gの普及を起点として、若年層ユーザーを中心にショート動画の視聴が増えたり、動画配信サービスをコネクテッドテレビで視聴することが定着するなど、複数の要因で2023年も大きく伸びると考えられます。
またGoogleの検索エンジンも昨年のアップデートからショート動画が表示されるようになってきております。
このような背景に基づき、広告主企業によるショート動画を活用したユーザーとのコミュニケーションに対する関心が高まっています。広告プラットフォーム側においても新しい広告の開発などが次々と進んでおり、ますます注目される1年になりそうです。
コネクテッドTV(動画配信サービスやYouTubeなど)の拡大と運用型TVCMとの融合
(引用元:「CCI、国内動画配信サービス視聴動向および広告評価に関する調査を実施」)
コネクテッドTVの拡大に伴って、年々テレビで動画を見る人が増加しています。
それに伴って動画配信サービス(Netflixなど)やYouTubeなどだけではなく、テレビCMなども紐づいた形で市場はさらに拡大します。
テレビCMで活用されるような素材が地上波のテレビだけに流れる時代ではなく、ターゲットによってあらゆるメディアに展開されると思います。
例えば、テレビCMはシニア層、YouTubeやコネクテッドTV(CTV)は若年層、などの使い分けをしながら動画広告のオンラインオフラインが垣根をなくしながら拡大をしていくのではないかと思います。
また昨今、テレビCMをWebマーケティングの様に広告運用をするマーケティングが流行しています。
運用型テレビCMと呼ばれる手法は基本的には指名検索数を指標に置き、「クリエイティブ」や「CMを流す枠」でPDCAを回す方法です。
指名検索数を指標にするという考え方は、2024年に予定されているサードパーティクッキーの規制に伴って、新たな効果指標の一つとして、注目が広がっていくと思います。
理由としては、個人情報を必要としない広告手法や効果測定をおこなう事が求められる点です。(逆の個人情報をいかに取得するかも重要な鍵となってきています)
事例として、エン・ジャパンが展開するアルバイト求人メディア「エンゲージ」では、運用型テレビCMを展開し、今まで可視化してこなかったテレビCMの見える化に注力しました。
Webマーケティングと同じく50近いCMクリエイティブを作り、毎週の定例会を実施しながら訴求軸の仮説から勝ちパターンを探していきます。
結果、テレビCM放映エリアで、認知率がほぼゼロから増加をさせたり、指名検索も実施前後比較で約2倍に上昇しました。また会員数も、昨対比約2倍という良い結果を出しました。
運用型テレビCMのマーケティング手法の理解はWebマーケティングにおいても重要な考え方で且つ今後垣根がなくなっていくので双方の全体像を理解することが重要となるでしょう。
ショートムービーについて
動画マーケティングにおいて、重要なトピックスになるのがショートムービーかと思います。
ショートムービーの世界はもはやTikTokだけではなく、YouTubeやInstagram、LINE VOOMなど多種多様なプラットフォームに拡大しています。
(引用元:「2022年に最も再生されたチャンネルや動画を発表!インフルエンサーパワーランキング by BitStar」)
昨年度の総再生数ランキングにおいてトップ10のうち、ショートムービーを主軸とするクリエイター、あるいはショートムービー発のクリエイターが大半を占めています。
それゆえ、TikTokerと呼ばれるショートムービーのクリエイターを筆頭にショート動画を活用したPR施策は注目度が増しています。
(I-neのナイトケアシリーズ「YOLU」)
ヘアケア商品「YOLU」を展開しているI-neでは、TikTokやInstagramのリールなどにてギフティング施策やクリエイター起用によるショート動画を多用し、バズの発信源を作り認知拡大を図り店頭と連携したキャンペーン展開で購買に繋げました。
結果、ドラッグストアのシャンプーカテゴリーで上位の固定ブランドが多い中、見事1位になりました。
またクリエイター起用だけではなく、広告配信としても活用が進んでいます。
実際にTikTokはもちろん、YouTubeもショート動画に対しての広告配信が昨年からスタートしております。それ以外にもInstagramのリールやLINEVOOMなどショート動画のプラットフォームの広告配信面が増加しており、重要度が増していることがわかります。
このような背景とプラットフォームの拡大により、2023年はショートムービーの活用がより注目されることになるでしょう。
SNSマーケティングについて
(引用元:「2023年、約3割の企業がSNSマーケの予算増額へ。「動画」や「キャンペーン」などで話題化を狙う、企業の動向は?」)
2023年度のSNSマーケティングは予算増加に伴い、企業の自社のアカウント運用がより重要度を増してくると予想されます。
またインフルエンサーマーケティングもより適切なファン層と影響力を持つコンテンツクリエイターとの取り組みが重要になってくるかと考えられます。
コンテンツクリエイターはフォロワー数の多いメガインフルエンサーだけを指すわけではなく、むしろマイクロインフルエンサーや顧客の1人であったり、或いは特定分野スペシャリストなどになってくるでしょう。
ソーシャルセリング(BtoBマーケティングにも)
コロナ禍による巣篭もり需要などによりEC事業は世の中的にも大きく拡大しました。
ECにおいてもSNSマーケティングは重要な施策になります。
今後はその中でも「BtoC」から「CtoC」に変わっていくのではと思っています。
つまり、企業ではなく個人から商品を買うビジネスモデルです。
中国では既にEC市場で台頭しているソーシャルセラー(インフルエンサー)を活用したソーシャルセリングという販売形態が増加しています。
細かい話をするとソーシャルセラーとインフルエンサーは違います。大きな違いとしてはインフルエンサーは広告を収益として活動していますが、ソーシャルセラーの方は商品を買い付けから販売をすることで収益を上げています。その分より信頼が重要でその上に成り立つビジネスモデルになります。
※ソーシャルセリングとはSNS(ソーシャルメディア)を通じて商品やサービスを宣伝・販売する施策になります。またそういったソーシャルセリングを専門に行う人のことをソーシャルセラーと言います。
既に、「Instagram」「Pinterest」などの様々なプラットフォームで個人やブランドが気軽にソーシャルコマースを始められる環境は整ってきています。
(引用元:ファンケル ライブショッピング FANCL LIVE SHOPPINGより)
事例として、実際にファンケルさんでは自社の従業員が自らライブコマースを行っております。
ファンケルの従業員といういち個人がユーザーに向けて商品を販売することは信頼に基づく購買プロセスに近いので、正にソーシャルセラーの先駆的な事例と言えるでしょう。
またBtoCに限らずBtoBにおいてもソーシャルセリングの活用は注目度が高くなるでしょう。
実際にBtoBに強いSNSのFacebookなどを活用し、見込み客とつながり、「いいね」や「コメント」を通して交流しながら販売を促進する営業方法を見ることが増えてきているのではないでしょうか。
ソーシャルセリングのメリットはコストパフォーマンスが高く顧客と強いつながりを作り続けられる点です。
その結果、信頼に基づいたビジネスがどんどん拡大し、費用対効果も良くなっていくでしょう。
UGCを活用した運用型UGCについて
2023年のSNSマーケティングにおいて、UGCはより重要になってくると考えられます。
UGCは、企業の認知度や購買意欲を高めるのに役立つため、運用型UGCのマーケティング手法は企業にとって非常に魅力的な手法となっています。
なぜブランディングや購買や集客につながりやすいかというと、ユーザーが自ら作成したコンテンツが企業によって評価されていることをユーザーが実感でき、より積極的に企業のマーケティング活動に参加しようと思うからです。
またSNSやブログなどでの口コミによって企業のブランド認知度を高めたり、商品やサービスに対する購買意欲を高めたりすることができます。
UGCそのものは、ユーザーが作成したものであるため、消費者から見れば、企業が作成したコンテンツよりも信頼性が高いです。そのため、UGCを活用することで、企業のブランドイメージを向上させることができます。
場合によってはアンバサダーマーケティングと呼ばれることもありますが、コンテンツの信頼性という意味では2023年はより重要になってくる施策でしょう。
事例として、完全食を展開しているベースフードでは、単なる商品画像だけではなく、オリジナルレシピや、綺麗に盛り付けた画像が多く投稿されています。
企業側から公式アンバサダーを募集し、SNSでの投稿を条件に、定期的にベースフードが届いたり、試食会や商品企画に参加できるようにしています。
アンバサダーの投稿はベースフードのSNSでシェアされたり、サイト上で使用されており、アンバサダーの投稿を起点にそれ以外のユーザーの投稿も行われたりとうまくUGCを活用した運用ができている事例になります。
Pinterest 広告
昨年、日本でも広告リリースが始まったPinterest広告。
こちらも2023年は注目したいSNSマーケティングにです。
間違いなく伸びる理由としては、Pinterestは「画像検索エンジン」と呼ばれるくらい、検索前提のユーザーが多いことが特徴だからです。
つまり、GoogleやYahooなどの検索エンジンと同じくらいユーザーがプラットフォームで「何かを探してる」状況にあることが挙げられます。
検索広告が非常に有効なWeb広告である理由は、ユーザーが自ら情報を探しているタイミングで広告を露出させるためCVがしやすいからです。
また、まだまだ市場に普及していないため、Googleリスティング広告などに比べてもクリック単価やCPAが低く顧客獲得が期待できることも大きなポイントになります。
ユーザー数も1年間で160%で増加していることを考えると、2023年の Pinterest 広告はかなり注目されるWebマーケティング施策になるでしょう。
例えば、シャンパンの会社のVeuve Clicquot はホリデーシーズンに向けてPinterestにて広告キャンペーンを行いました。シャンパンが食卓を彩る様子をイメージした画像ピンを複数制作し、ホリデーシーズンについて検索しているユーザーからブランド好感度を高めることに成功しました。
結果、商品認知度は 5%、購入意向は 2.2% 向上した良い事例になります。
SEO対策について
SEO対策もWebマーケティングにおいては重要なトピックスとなります。
2023年のSEOに関わるポイントをご紹介させて頂きます。
SEOのアルゴリズムについて(YouTube動画から紹介)
動画でご紹介した通り、Googleは「Google」という検索エンジンをより多くの人に使い続けてもらうことが重要と考えています。
そのためには、情報の新鮮度や使いやすいスピード感、UIやUXが高くなることがGoogleが考えているミッションになります。
つまり、自社のWEBサイトや・ページがユーザーにとって体験価値が高い快適なものに変えていくことが重要となってきます。
また冒頭でも書かせて頂いた通り、動画市場自体が大きく伸びており、動画コンテンツの需要が同時に高まっていっていることがわかります。その中で自社のYouTubeアカウントを運用して発信するなど、VSEOとしての考え方も重要になってきています。
まだまだ本格的に取り組んでいる企業が少ないからこそ、VSEOを意識した動画コンテンツを展開することにより、狙ったキーワードの動画を上位に表示し、流入やCVに繋げたりとコンテンツマーケティングとしてもメリットが多いでしょう。
※VSEO(Video SEO)とは、動画コンテンツの検索エンジン最適化のことを指します。
検索エンジンでの検索結果において、上位に表示されることで、より多くの人に動画を見てもらうことができます。
Google Analytics 4
「GA4」(Google Analytics 4)は間違いなく2023年の重要なキーワードとなります。
理由としては、以前のバージョンである「Universal Analytics」2023年7月には計測が停止することが挙げられます。また従来のUAから引き継ぎができず、0からの蓄積になるため、早く移行することが推奨されます。
そう言った中でGA4がSEO対策に与える影響としては大まかに以下が考えられます。
一つ目の影響としては、更に深いユーザー理解により、サイトの改善点がより明確になって質の高いSEO対策を可能としていきます。
理由としては、従来のGAに比べて、より詳細なユーザー行動の追跡ができるからです。
例えば、ユーザーの行動パターンを分析し、ページの改善点を把握し、ユーザーのニーズに合わせたコンテンツを作成して、ユーザーにとって価値のある情報を提供することができます。
これによりサイトの改善点を見つけ、SEO対策を最大化できるでしょう。
二つ目の影響としては、SEOにおいての広告効果の最大化についてです。
理由としては、GA4はGoogleの広告プラットフォームとリダイレクトに連携することができます。
つまり、広告の成果をGA4上で簡単に追跡することができます。
この機能を活用すれば広告がSEOに与える影響を正確に把握することができるため、より適切なSEO対策を検討することができるでしょう。
Google Analytics 4についてや旧GA UAとの違いなどは下記の記事も参考になります。
ChatGPT
最後にお伝えするのは、既に注目されている「ChatGPT」です。
先日、行われたマイクロソフト社のプレゼンでは、特に最近SEOのキーワードスタッフィングでGoogleの精度がさらに落ちてきているという見方を伝えています。
彼らの研究では、4割の人が何かを検索した後すぐにクリックで戻ってしまうというデータが取れているそうです。つまり、ユーザーが探しているものは見つからないということです。
一方、ChatGPTを搭載した新しいBingは知りたいことを要約してピンポイントに教えてくれると言われています。
とは言え、2023年いきなり「ググる」がなくなるとは考えにくいので、当分はSEOだけに限らず色んなコラボレーションが模索されるでしょう。
まだ始まったばかりですが、ChatGPTは要注目となります。
まとめ
今回は2023年のWebマーケティングのトレンドをご紹介しましたが、それ以外にも「メタバース」や「Web3」といったキーワードや以前からよく聞く「Z世代」「DX」なども引き続き今年も耳にする機会が多いでしょう。
重要なのは以下に最新トレンドを自社と紐付かせて活用できるかと思いますので、そういった活用の仕方でお困りがあればご相談ください。