Webマーケティングとは?具体的な施策方法と運用の際に気をつけるべき点を紹介
あなたは、
- Webマーケティングとは何かを知りたい
- Webマーケティングのデータ活用方法を知りたい
- Webマーケティングを活用して売上を上げたい
などとお考えではありませんか?
「Webマーケティングは重要」とよく言われますが、具体的に何をすればいいのか、どう進めればいいのか、抽象的でわかりにくいですよね。
結論から言えば、Webマーケティングとは、Webを活用して売れる仕組みを作ることです。
そして、Webマーケティングを成功させるには、目標達成のための戦略を立て、数値を計測しながら計画的に進めていくことが重要になります。
なぜなら、Webマーケティングは、闇雲に広告を出したりSNSを使ったりするだけでは効果が出ないからです。
顧客がどのようにしてあなたのビジネスを知り、商品購入に至るのか、その行動プロセスを理解し、それぞれの段階に合わせて最適な施策を継続的に改善していく必要があります。
この記事を読むことで、Webマーケティングの基礎知識や具体的な手順を理解し、アクセス解析などのデータ分析に基づいた、より効果的なWebマーケティング戦略を実践できるようになります。
この記事を読んで、あなたのビジネスに最適なWebマーケティング戦略を実行し、売れる仕組みを作り上げましょう。
そして、継続的な改善を重ねることで、ビジネスの持続的な成長につなげましょう。
Webマーケティングとは?Webを駆使した売れる仕組み作りのこと
結論から言うと、Webマーケティングは、従来のマーケティング活動と同様に、顧客を理解し、ニーズに合った商品やサービスを提供することで売上を向上させるという目的を持っています。
従来のマーケティング活動をWeb上で実践する際に、Webマーケティングと呼ばれます。(図1-マーケティングとWebマーケティングの関係)
図1-マーケティングとWebマーケティングの関係
ここで説明する内容は、以下の2つです。
- Webマーケティングは売れる仕組み作りの企画と実行
- Webマーケティングの本質とは?信頼構築からコンバージョンまで
それぞれ説明します。
Webマーケティングは売れる仕組み作りの企画と実行
「マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、顧客に製品とサービスを合わせ、みずから売れるようにすることである」(ピーター・ドラッカー著「マネジメント」より)
ドラッカーの考えたマーケティングの定義を要約すると、マーケティングとは、自然に売れていく仕組み作りとなります。この概念をWeb技術とインターネットを駆使して企画し実践するのがWebマーケティングです。
具体的には、検索エンジンやSNSなどを通じてオンライン上で見込み客を獲得し、ブログや動画コンテンツなどでニーズに応える価値を提供することで、最終的な購入へと導くプロセス全体を企画し実行します。
Webマーケティングの本質とは?信頼構築からコンバージョンまで
なぜWebマーケティングが重要なのでしょうか?
それは、現代のビジネス環境において、インターネットが顧客とのコミュニケーションや購買行動の中心的な場となっているからです。
インターネットの利用状況(個人)は86.2%で13〜69歳の各年齢階層では9割を上回っており、多くの消費者がオンラインで情報収集や購買活動を行っています。(出典:総務省「通信利用動向調査」)
例えば、歯科クリニックを例に考えてみましょう。
地域の人々が歯の治療やホワイトニングなどのサービスを受けるクリニックを探す際、多くの場合、まずはインターネットで検索します。ここで重要なのは、単にWebサイトを持っているだけでは不十分だということです。
潜在的な患者の目に留まり、患者のニーズに応える情報を提供し、最終的に予約や来院につなげる導線設計がされていないWebサイトは、患者を獲得するには不十分です。
Webマーケティングでは、Webサイトを基盤に、SEO対策やリスティング広告、SNSマーケティングなどを通じてオンライン上で顧客を獲得し、信頼関係を構築し、最終的なコンバージョン(予約や購入など)を促すための戦略的なアプローチを実践します。
Webマーケティングは、単に広告を掲載したり、Webサイトを作成したりするだけの限定的な活動ではありません。
顧客の行動を分析し、データに基づいて効果的なコミュニケーションを図る包括的なプロセスなのです。
Webマーケティングを始める6手順とは?全体像を数字で設計
Webマーケティングを成功させるためには、体系的なアプローチとデータに基づいた論理的な全体像の設計が重要になります。
勘や経験だけに頼るのではなく、客観的な数字に基づいて全体像を設計し、施策を決定することで、より効果的な戦略を立てることができます。
また、数値化することで、現状と目標のギャップを明確化し、具体的な改善ポイントを特定しやすくなるため、PDCAサイクルを効率的に回せるというメリットもあります。
以下では、歯科クリニックのWebマーケティングを例に、Webマーケティングの全体像を数字でロジカルに設計する方法を、手順ごとに解説します。
手順1:自社商品が購入されるまでの収益プロセスを可視化する
まず、顧客が歯科クリニックを知ってから実際に来院するまでの行動プロセスを図式化します。
例えば、以下(図2-1)のように、収益プロセスを可視化します。
- Webサイトへの訪問
- サービス内容の確認
- 予約フォームへのアクセス
- 予約の完了
- 実際の来院
図2-1-手順1:収益プロセスを可視化する
手順2:可視化した収益プロセスに、現状の数字を記入する
次に、収益プロセスの各ステップに現状の数値を記入します。
例えば、歯科クリニックの現状の数字が以下だと仮定します。
- Webサイト月間訪問者数:1,000人
- サービス内容ページの閲覧率:50%(500人)
- 予約フォームへのアクセス率:20%(100人)
- 予約完了率:10%(10人)
- 実際の来院率:80%(8人)
図2-2のように、各ステップに現状の数値とステップごとの転換率(次のステップに移動した割合)を記入します。
図2-2-手順2:現状の数字を可視化する
手順3:目標の数字と現状の数字の引き算から問題点と課題を洗い出す
最初に、目標とする月間の来院人数を決定します。
そして、目標の数字と現状の数字の差分から、Webマーケティングで改善すべきポイントを明確化します。
例えば、目標の数字を月間の来院人数20人と設定した場合、以下の計算式を用いて問題点を算出します。(図2-3)
目標の数字(20人)− 現状の数字(8人) = 問題点(12人)
したがって、問題点は「目標の来院人数に対して、現状では12人不足している」ということになります。
次に、この問題点を解決するための具体的な課題を検討します。
例えば、課題の原因が「Webサイトへの月間訪問者数が少ないこと」である場合、課題を数値化すると以下のようになります。
- 現状:Webサイト月間訪問者数1,000人に対して、実際の来院数が8人なので、転換率=8人/1000人 X 100=0.8%
- 目標:来院数を20人にするためには、Webサイト月間訪問者数を20人/0.8%=2,500人にする必要がある
したがって、課題は「Webサイト月間訪問者数を現状の1,000人から2,500人に増やすこと」となります。
その他にも、以下の課題などが想定されます。
- 「2.サービス内容の確認」から「3.予約フォームへのアクセス」への転換率(移動する人の割合)が低いことが課題である
- 「3.予約フォームへのアクセス」から「4.予約の完了」への転換率(予約フォームの入力を最後まで完了できる人の割合)が低いことが課題である
図2-3-手順3:目標の数字と現状とのギャップから問題点と課題を洗い出す
手順4:課題を解決するために何をすべきかを考える
前回の計算で、歯科クリニックの課題は「Webサイト月間訪問者数を+1,500人追加すること」だとわかりました。
次に、この課題を解決するために具体的にどのような施策を実施すべきかを検討します。
課題の解決策としては、大きく分けて以下の2つが考えられます。
広告出稿など、Webサイトへの集客施策を強化する
Webサイトの改善を通して、収益プロセスの転換率を向上させる
それぞれについて、具体的な施策例を以下に示します。
■広告出稿などWebサイトへの集客施策を強化する場合の例
- Instagramでビフォーアフター写真を使った広告を配信する
- ブログでホワイトニング治療に関する有益な情報を発信する
■Webサイト改善により収益プロセスの転換率を向上させる場合の例
- 「2.サービス内容の確認」から「3.予約フォームへのアクセス」への移動する人の割合を増やすため、ページ遷移のボタンを改善する
- 予約フォームの入力項目を簡単化し、予約の完了人数を増やす
今回は、例として、Instagramでビフォーアフター写真を使った広告を配信することで、歯科クリニックの課題である「Webサイト月間訪問者数を+1,500人追加すること」を達成すると仮定します。
手順5:施策案を実行計画の数字に落とし込む
次に、Instagram広告配信という施策案をより具体化し、実行可能な計画へと落とし込みます。
例えば、以下のように、「目標」「実施期間」「投稿内容」「施策の規模」「予算見積り額」など、計画に必要な項目を数値化し、実行計画としてまとめます。
- 目標:Webサイト月間訪問者数を+1,500人追加する
- 実施期間:○月○日〜○月○日まで
- ターゲット:20代から40代の女性 + 美容や健康に高い関心を持つ層
- 写真:治療前後の写真、施術室などの写真
- 投稿内容:清潔感、明朗な価格体系、安心感のあるアフターケアなどの訴求
- 予算:想定単価@50円 X 1,500人 = 75,000円
手順6:施策後はPDCAサイクルを回す
Webマーケティングでは、一度実施した施策の効果を検証し、その結果に基づいて改善を加えていくことが重要です。
例えば、以下のような指標を用いて、実施した施策の効果を数値で確認し、PDCAサイクルを回しながらWebサイトやマーケティング活動全体の改善に繋げていきます。
- Instagram広告からの月間訪問者数が、目標の1,500人を達成できたかどうかを確認します
- 検証の結果、当初想定していた成果が得られなかった施策に対しては、原因や対策案を洗い出し、次回の実施計画に反映させます。
- 例えば、目標1,500人に行かない時の原因と対策案として、以下などがあります。
- 原因:想定単価@50円で計算したが、実際はもっと高く予算不足になった
- 対策案:予算を追加する
Webマーケティングの施策?10種類、選び方3手順
Webマーケティングには、リスティング広告、SNS広告、YouTube運用など、様々な施策が存在します。
数ある施策の中から、目標達成のために最適なものを選択することは、容易ではありません。
結論から言うと、目的の明確化、ターゲットとの接点、そして実施費用の3つの基準に基づいて、段階的に選択肢を絞り込めます。
実施施策を絞り込む手順は以下の3つです。
手順1:目的を明確にして絞り込む
手順2:ターゲットとのメディア接点で絞り込む(Webサイト改善以外)
手順3:実施費用を計算し絞り込む
それぞれ説明します。
手順1:目的を明確にして絞り込む
Webマーケティング施策によって期待できる効果が異なるため、最終的な目的を明確化することで、選択すべき施策を絞り込めます。
Webマーケティングの目的は、大きく以下の2つに分類できます。
- 認知度向上
- コンバージョン増加
1.認知度向上が目的の施策
■X運用
特定のトピックに関心のあるユーザーにリーチでき、リアルタイムな情報発信でトレンドに乗りやすくなります。
■YouTube運用
教育的コンテンツやハウツー動画で、ブランドの専門性をアピールできます。
■Instagram運用
ビジュアル重視のプラットフォームで、商品やサービスの魅力を視覚的に訴求できる。ターゲットユーザーへのリーチが可能です。
■インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーのフォロワーに直接アプローチでき、新規顧客獲得の機会となります。
■SEO
オーガニック検索での上位表示により、ターゲット顧客からの自然な流入が増加します。
■SNS広告
ユーザーの行動や興味に基づくターゲティングと認知度向上を目的とした広告出稿ができます。
2. コンバージョン増加が目的の施策
■Webサイト改善による収益プロセス向上
集客施策に比べ、自社資産であるWebサイトの改善による収益プロセスの転換率向上は、長期的な改善効果が期待できます。
■リスティング広告
具体的なニーズを持つユーザーにリーチできるため、コンバージョンにつながる集客施策が期待できます。
■アフィリエイト広告
成果報酬型のためコンバージョンした場合のみ費用が発生します。他サイトからの紹介による新規のコンバージョンが期待できます。
■SNS広告
ユーザーの行動や興味に基づくターゲティングとコンバージョン増加を目的とした広告出稿ができます。
図4-目的別施策
手順2:ターゲットとのメディア接点で絞り込む(Webサイト改善以外)
次に、集客施策(Webサイト改善以外)の場合は、ターゲットとする顧客層が、どのようなメディアをよく利用しているのかを調査します。
なぜなら、どんなに優れたWebマーケティング施策であっても、ターゲットにリーチできなければ意味がないからです。
ターゲット顧客について、「年齢」「性別」「興味関心」などの属性に加え、「統計データ」や「アンケート結果」などを活用し、顧客が日常的に利用しているメディアや情報収集チャネル(タッチポイント)を分析します。
歯科クリニックの例で言えば、以下のように考えることができます
- 認知度向上:ターゲットが「20代〜40代女性」から、Instagram広告をする
- コンバージョン増加:「ホワイトニング おすすめ 大阪」のキーワードで、リスティング広告をする
手順3:実施費用を計算し絞り込む
歯科クリニックの例で言えば、課題解決案は「Webサイト訪問者数を1,500人追加すること」でした。
そこで、この目標を達成するために必要な広告費用を算出し、絞り込みます。
■1. Instagram広告の費用:
想定単価@50円 X 1,500人 = 75,000円
■2. リスティング広告の費用:
クリック単価@100円(100円で1人訪問) X 1,500人 = 150,000円
このように、課題解決に必要な施策の実施費用を見積もることで、絞り込めます。
まとめ:Webマーケティングで売れる仕組みを取り入れよう
最初に、Webマーケティングとは、「Webを活用した売れる仕組み作りのこと」と説明しました。
次に、Webマーケティングを始める6つの手順と、数字を活用することで具体的な改善ポイントを特定しやすくなるメリットを解説しました。
手順1:自社商品が購入されるまでの収益プロセスを可視化する
手順2:可視化した収益プロセスに、現状の数字を記入する
手順3:目標の数字と現状の数字の引き算から問題点と課題を洗い出す
手順4:課題を解決するために何をすべきかを考える
手順5:施策案を実行計画の数字に落とし込む
手順6:施策後はPDCAサイクルを回す
最後に、集客施策を決定する際に、3つの手順で絞り込む方法を説明しました。
手順1:目的を明確にして絞り込む
手順2:ターゲットとのメディア接点で絞り込む(Webサイト改善以外)
手順3:実施費用を計算し絞り込む
この記事を読んで、Webマーケティングとは何かを理解したら、あなたもビジネスに売れる仕組みを取り入れてください。
そして、Webマーケティングを通じて、Webサイトやマーケティング活動を継続的に改善していくことで、ビジネスの持続的な成長につなげましょう。