Webマーケティングとは?業務内容や費用・業務の切り分け方
昨今、ますますWebマーケティングの領域が注目されています。
広告業界でもWeb広告に割く費用がマスメディアの広告費用を超えました。
マーケティング施策として重要なWebマーケティングですが、実際にどんな業務内容があり、費用がどれだけかかるかなど、知りたいかと思います。
今回はWebマーケティングの業務内容について解説します。
本記事はこんな人の参考になります!
- Webマーケティングの業務内容について気になっている
- Webマーケティングの費用を知りたい
- Webマーケティングの業務の切り分けをどうすればいいのかを知りたい
Webマーケティングの業務って何をするの?内容について
Webマーケティングを簡単に言うと、Webを活用したマーケティング業務です。
具体的には、オンラインを通じて顧客となりうる対象ユーザーの動きやトレンドの把握、競合他社の動きなどをリサーチし、自社の強みを活かしながら、顧客とコミュニケーション活動を取ることになります。
よくある業務内容は以下のようなものがあります。
Webマーケティングにおける戦略立案
主に、Webを活用し、扱っている商品やサービスの市場を把握・分析し、オンライン上でどのように顧客に提供していくかを決めるなどします。
Webサイトの解析や改善案の立案
主な業務としては、扱っているサービスサイトや自社サイトに対して、Googleアナリティクスなどを駆使し、数値に基づく分析やユーザー行動を理解し、よりゴールに近づける為の対策を練るなどします。
Webサイト(商品/サービス)を指定のワードで検索上位に表示させる
主に、SEO対策と呼ばれる、Googleの検索エンジンのアルゴリズムを考慮して自社サイトの最適化を行い、検索結果の上位にサイトを表示させるための対策などを行います。
オウンドメディアの運用(コンテンツマーケティング)
主な業務としては、「コンテンツを制作する」→「コンテンツを発信する」→「効果を分析する」→「改善を図る」を繰り返し、 PDCAを回していきます。
GoogleやYahoo!、SNSなどで展開されるWeb広告の運用
主な業務としては、広告の媒体(GDN、YDAやSNS)の出稿先の選定、入札価格の調整、キーワード・広告文の設定など、広告運用に関する業務です。
SNSアカウントの運用(キャンペーンを含む)
主な業務としては、企業や商材についての情報発信や、顧客とのコミュニケーションなどをSNS上で行い、企業のアカウントを運用する業務です。
メルマガの運用
主な業務としては、メールを用いて顧客とコミュニケーションをとり、ナーチャリングなどを経て、最終的にコンバージョンへと導く為の業務です。
インフルエンサーを活用した施策立案
主な業務としては、扱っているサービスにマッチするインフルエンサー選定して商材についての情報を発信してもらい、検証などを行います。
YouTubeなどの動画作成、ディレクション業務
主な業務としては、動画制作や制作のためのディレクションを通じて、扱っているサービスの宣伝活動をし、PDCAを回していきます。
ホワイトペーパーの制作
主な業務としては、「顧客が知りたいこと」にフォーカスした資料を制作し、見込み客に届けて検討してもらうなど、新しいリードの獲得を狙う業務です。
などがありますが、ここで紹介したのはあくまでも一例です。
Webマーケティングの目的
Webマーケティングを企業が実施する一般的な目的としては大きく2パターンあります。
①認知拡大や企業ブランディングの浸透
良くある話ですが、どんなに良い商品だとしても、ユーザーに認知されなければ想起もされることもありませんし、購入されることもありません。
企業のサービスや商品を普及させ売上に繋げていく為には、まずは知ってもらうことが重要になります。
その目的の為にWebマーケティングを駆使して、認知度を上げたりブランディングに繋がる施策を実施します。
あくまで一例ですが、例えば、SEO対策を実施したり、SNSアカウントを作成して運用したり、あるいはインフルエンサーなどに依頼をするような業務を行います。
上記施策をやる場合はSEOコンサルタントの方や、SNSアカウントであればSNSマーケターの方や、インフルエンサーならキャスティング会社などに依頼するのも一つの選択肢でしょう。
②購買などに繋がる新規顧客(既存顧客も含む)の集客
見込み顧客となりうる層の開拓や、既存顧客をロイヤルカスタマーに醸成させていくなどがあります。
場合によってはWeb上で購買できる導線を敷き、ダイレクトに売上に繋げるのを目的としている場合もあるでしょう。
あくまで一例ですが、例えば、Web広告を実施したり、メルマガの運用をしたり、あるいはアフィリエイト施策を展開するような業務があります。
上記施策を行う場合は広告運用のプロや、メルマガであればMAツールなどを運用できる人や、アフィリエイトならその施策ができる代理店などに依頼するのも一つの選択肢でしょう。
もちろん上記以外にも、目的をもっと細分化してWebマーケティングを行うこともあります。また各社の状況によっては段階を踏んだ目的などがあるかと思います。
どちらにしても、それらの目的を踏まえた上で業務内容を決めていきましょう。
Webマーケティングの事例
ここでは目的に合わせたWebマーケティングの事例を紹介します。
①企業ブランディングの事例(株式会社土屋鞄製造所)
知る人ぞ知るランドセルのメーカーの土屋鞄製作所が運営するECサイトの事例です。
土屋鞄製作所では通販としてのオンラインショップの役割だけではなく、コラムなどのコンテンツを掲載し、オウンドメディアとしての側面を持たせながら運用をしています。
コラムでは、土屋鞄のものづくりへの思いや製品について紹介しています。
カテゴリーには、「#土屋鞄のものづくり」「#土屋鞄と人々」「#革のお手入れ」「#暮らしを愉しむ」など、様々なコンテンツが用意されていて、鞄職人としてのこだわりや革への愛や知識の深さなどについて、うまく触れながらランドセルだけではない魅力や土屋鞄があるライフスタイルをユーザーにイメージさせるブランディングを行っています。
コンテンツマーケティングをうまく活用することによって、土屋鞄が目指したいポジションニングを確立し、売上UPに繋げている良い事例です。
②新規集客の事例(日本人工芝計画株式会社)
続いては、新規顧客を獲得するためにWebマーケティングを実施した日本人工芝計画株式会社の事例です。
こちらは、法人や個人宅の人工芝の施工事業を展開している企業です。
Webサイトから新規顧客を集客したいと考え、自社サイトの問い合わせ経路を分析しながら「人工芝」という特殊業界でのニッチワードをリストアップし、SEO対策を実施しています。
ニッチな顕在ワードからオーガニックでの流入による問い合わせ件数を大きく向上させました。
また、どうしても上位表示が難しいワードに関してはWeb広告(リスティング)などを展開し、新規顧客の獲得に繋げている良い事例です。
Webマーケティングの施策
Webマーケティングの業務内容は上の図の施策のように多岐に渡ります。
また自社の業態やサービスによっても施策が変わってくるのでしっかりと見極めることが大事です。
目的よって施策の優先順位は変わる
Webマーケティングの業務内容は細分化され、且つ高度なノウハウが求められています。
効果がありそうな施策を片っ端からできれば良いのですが、現実は予算やリソースの制限もあるので出来ることは限られてきます。
それらを踏まえた上で、自社の業態と目的に合わせてWebマーケティング業務の優先順位を決めていきましょう。
例えば、リアル店舗の集客をしたい場合であれば、大体以下の施策が考えられます。
- Web広告(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告)
- SNSアカウント運用
- SEO対策(MEO)
- 口コミUGC(インフルエンサー)など
この場合は予算が低く最悪、自社のリソースだけでも回せれるSNSアカウントからまずは着手し、その後にMEO対策やインフルエンサー施策などをしていくのがおすすめです。
もちろん、企業の課題感や予算、リソースがあるなしで優先順位は変わってきます。
また、ECサイトにおいて既存顧客のファン化(アップセル、クロスセル)を促進させたい場合であれば、以下の施策が挙げられます。
- Webサイトの解析
- LPO/EPO
- Web接客ツール
- Web広告(リスティング広告、リターゲティング広告、SNS広告)
- SNSアカウント運用
- メルマガなど
出来るなら全部着手すべきですが、同じく予算が限られているとすれば、Webサイトの解析や顧客リサーチを行い、顧客理解を深めながら自社のSNSアカウントで求めらているコンテンツを発信したり、メルマガなどを活用しましょう。
BtoCではなくBtoBにおいてWebマーケティング施策を考えていきたい場合は以下の記事が参考になります。
参考:BtoBマーケティングの戦略とは?!検討すべき3つのポイント | 大阪 バリューエージェント
業務をどう切り分けるべきなのか
Webマーケティングの業務内容(広告運用、SNS運用、オウンドメディアの編集など)を一括りで、すべてを任せようとしているケースを見かけますが、これは得策ではありません。
なぜなら、全てのマーケティング施策を理解し、実務レベルで(自ら実際に手を動かして)結果を出している人はそういないからです。
Webマーケティングの業務内容を見極め、餅は餅屋というイメージで切り分けることが必要です。
また分ける軸としては上記のように細分化した業務を各エキスパートに依頼するパターンもいいですが、戦略設計の部分か実務運用の部分かで切り分けるパターンも一つになります。
自社でやるのか、外注するのか?
上記のようにWebマーケティングの業務内容の切り分けができれば、それらを社内のインハウスでやっていくのか、外部にアウトソーシングするのかを考えていきましょう。
リソースが存在し、且つノウハウがあるメンバーがいるのであれば自社でやるべきですが、全ての企業がそのような状態ではないかと思います。
また、前述の通り、Webマーケティングは細分化と高度なノウハウが必要になってきている分、未経験者には難易度が難しくインハウスではできないことが多いはずです。
そうすると外注を活用するというのが一般的だと思います。もしくは難易度は高いですが、新規での採用活動をしていくのも良いでしょう。
どちらにしろ、直ぐにでもスタートするのであれば広告代理店やWebコンサルタントなどパートナー会社を活用することを検討してみましょう。
Webマーケティングの費用(予算)について
Webマーケティングの費用の目安は、どの業務内容(施策)を実施するかによっても大きく差がでます。
Web広告の場合は、広告運用費に運用マージン(手数料)を上乗せして広告主から受け取るという料金体系が多いです。
マージンの相場は20%が一般的でしょう。
SEO対策の場合は、その対策の内容(サービス内容)が豊富にあること、また各社でさまざまな料金体系をとっていることから、費用(予算)は数〇万〜数百万と幅があります。
総じて、売上からの逆算でWebマーケティングに使用できる予算を算出して各業務に割り振った方が良いでしょう。
まとめ
Webマーケティングの業務内容は多岐に渡り、且つ一つ一つにエキスパート性が求められてきています。
自社の目的によっても変わりますが、業務内容をうまく切り分けて、自社内でまとめることに固執せずに、ノウハウを持っている会社や人材に依頼しながら推し進めていくことをお勧めします。