Instagram広告のクリック単価(CPC)方式とは?成果を出すためのポイントや単価の高騰を抑える方法を解説
Instagram広告の出稿を検討している企業の中で、課金方法の選択で悩まれている企業は少なくないでしょう。
この記事では、Instagram広告の課金方法の一つであるクリック単価(CPC)方式について解説します。
これからInstagram広告を出稿し、サービスや商品の認知獲得からコンバージョンを検討されている企業ご担当者様の参考になれば幸いです。
目次
Instagram広告の課金方法「クリック単価(CPC)方式」とは?
Instagram広告には、4つの課金方法があります。
広告の出稿を検討している企業は、それぞれの課金方法の特徴を理解し、費用対効果を高めるために適切な選択が必要です。
クリック単価方式(Cost per Click)
クリック単価方式(CPC)は、広告がクリックされた回数で課金される方式です。
広告運用の目的には、認知拡大やInstagramのフォロワー獲得、サービスのコンバージョンなどがあります。
クリック単価方式の場合は、クリックされた回数分だけ費用が発生するため、コンバージョンを目的として広告を運用する際におすすめです。
例えば、コンバージョンさせたい商品を訴求するテキストやクリエイティブが施された広告の出稿により、関心のあるユーザーのみがクリックするため、費用対効果が高くなる傾向にあります。
また、クリック単価方式の単価は、1クリックあたり40から100円が相場です。
その他の課金方法
クリック単価方式以外の課金方法としては、以下の3つがあります。
- インプレッション課金方式(CPM)
- 広告視聴単価方式(CPV)
- インストール課金方式(CPI)
インプレッション課金方式は、広告をユーザーが表示した回数ごとに課金される方式です。
表示されるごとに費用が発生するため、コンバージョンよりも広告を通した認知度拡大を目的に広告を運用する企業におすすめします。
広告視聴単価方式(CPV)は、動画広告を出稿する際に適用される課金方式です。
動画での広告を出稿した際に、広告が10秒以上再生された場合または最後まで視聴された場合に費用が発生します。
インストール課金方式(CPI)は、広告で訴求したアプリのインストール数によって課金される方式です。
アプリのインストールをコンバージョンとして設定している企業は、インストールされた回数分のみ費用が発生するため、費用対効果の高い出稿ができます。
まとめると、インプレッション課金方式と広告視聴単価方式は、企業のブランディングや商品の認知拡大に効果的です。
また、インストール課金方式はコンバージョンをアプリのインストールに設定している企業におすすめの課金方式です。
Instagram広告の課金方法でクリック単価(CPC)方式を採用するメリット
競合が少ないサービスや商品のコンバージョンを目的とする場合、クリック単価方式での出稿により、低い単価で広告を掲載をできる可能性があります。
クリック単価は、競合の企業や商品が多いほど高くなる傾向にあります。
そのため、競合が少ない商品を持っている企業は、クリック単価方式での出稿により、費用対効果の高い成果が期待できるでしょう。
反対に、Instagram内で競合の多い商品は、クリック単価が高くなる傾向にあるので注意が必要です。
例えば、コスメ系は若いInstagramユーザーと相性が良いため、多くの企業が積極的に広告を出稿しています。
そのため、比較的競合が少ない住宅メーカーやアウトドアメーカー、家具メーカーなどは、広告を出稿している企業が少ないと予想されるため、クリック単価が低い状態で広告を掲載できる可能性が高いと推察されます。
クリック単価方式での出稿を検討している企業は、まず競合分析から始めることをおすすめします。
Instagram広告のクリック単価方式の設定方法
Instagram広告の課金方法は4つありますが、各課金方法は自由には選択ができません。
課金方法は、広告を出稿する際に設定する「目的」によってInstagram側が決定します。
そのため、クリック単価方式を設定したい場合は、検討(トラフィック/アプリインストール)か、コンバージョン(カタログ販売)を目的として設定する必要があります。
自由に設定できると思われている方が多いため、出稿の設定の際に注意しましょう。
Instagram広告を出稿する際に最適なクリック単価
広告の目的や業界、コンバージョンさせたい商品・サービスによって、最適なクリック単価は異なります。
まず最初に自社商品・サービスにとって最適なクリック単価はどのくらいか検討しましょう。
Instagram広告のクリック単価は、40から100円が相場となっています。
例えば、Instagram内で競合が少なく、比較的価格が高い商品のコンバージョンを目的としている家具メーカーは、相場よりも高めのクリック単価になるよう入札単価を設定し、広告が狙い通り掲載されるよう配慮することをおすすめします。
家具メーカーは商品の単価が高いため、コンバージョンによる広告からの成果を獲得できれば、多少クリック単価が高くなったとしても問題ないでしょう。
また、最初から適切なクリック単価は見つからないため、実験的に出稿を繰り返し、ABテストによって自社にとって適切なクリック単価を見つけましょう。
Instagram広告のクリック単価方式の設定における注意点
Instagram広告でクリック単価方式を採用する際は、ターゲット設定に注意が必要です。
広告のターゲット設定が広くなると、入札単価が分散されクリック単価は低くなりますが、競合他社の方が入札単価が高い場合、コンバージョンしづらくなるデメリットがあります。
反対に、ターゲットを絞ると単価は高くなり、コンバージョンは期待できますが、確度の高い顧客にアプローチできないと、単価が高くなってもコンバージョンしにくくなります。
そのため、自社にとって最適なターゲットはどんなInstagramユーザーなのかを明確にする必要があります。
例えば、東京都内で20代向けのコスメ商品を扱う店舗が広告を出稿する場合、Instagram内で競合他社が多いため、詳細なターゲット設定が重要です。
具体的には、以下のような設定を検討してみましょう。
- 性別:女性
- 年齢層:20代
- エリア:東京都
- インタレスト:買い物
その他、学歴や仕事、子どもの有無などでもターゲットの絞り込みが可能です。
もし商品コンセプトが「お母さんでもまだまだ綺麗を楽しみたい」のようなものであれば、子どもの有無を有りに設定することで、ターゲットをさらに絞り込むことができます。
このように、自社商品の特徴を踏まえできるだけターゲット層を細かく設定することで、競合を避けた広告の掲載ができます。
また、入札単価を最小の100円や少額で出稿し、ABテストを繰り返して適切なターゲット設定を検討するのがおすすめです。
Instagram広告のクリック単価方式の費用相場
Instagram広告のクリック単価の相場は、40円から100円です。
高くても、120円前後で収まるものがほとんどです。
ただ、これはあくまでも目安であり、Instagram広告は常に入札が発生しているため、オークションによってクリック単価が高騰する可能性もあります。
それでも、Instagram広告は比較的安価での出稿が可能なため、少額から始めて成果を見ながら入札単価やターゲット設定を行うことで、かける費用を抑えつつ成果を期待できます。
例えば、競合の多い美容系アカウントで広告を出稿する場合は、クリック単価が高騰する可能性が高くなります。
そのため、まずは少額から出稿し様子を見て、最適な単価がどこか検討するのが良いでしょう。
Instagram広告の平均クリック率
Instagram広告の平均クリック率は、1%前後です。
他の広告と比較しても、平均的なクリック率だと言えるでしょう。
また、Instagram広告では他の広告よりも細かいターゲティングが可能であり、具体的なターゲット設定によってクリック率の上昇を狙えます。
具体的には、以下のターゲティングが可能です。
- ユーザー属性ターゲティング
- インタレストターゲティング
- カスタムオーディエンスターゲティング
- 類似オーディエンスターゲティング
加えて、クリエイティブの工夫により、視認性の改善と質の高い訴求により、1%以上のクリック率を期待できます。
例えば、クリエイティブを作成する際に、以下のポイントを意識しましょう。
- 正方形の画像を使用する
- 解像度が高い画像を使用する
- 上下240px内には重要な要素は入れない
- 目を引きやすいよう背景色を工夫する
- ファーストインプレッションに注力する
- 多様なフォーマットを用意し検証を行う
商品の機能性や効果が重要視される美容品メーカーが広告を出稿する場合、商品の画像だけでなく、テキストや動画で具体的な商品情報を伝える必要があります。
クリエイティブ内にテキストがなく、商品の特徴が伝わらない広告だと、興味を持ってもらいクリックされる確率は低くなるでしょう。
そのため、美容品メーカーには、情報を多く伝えられるカタログ式の広告や動画広告がおすすめです。
また、クリックされるためのファーストインプレッションとして、著名人の起用なども効果的です。
Instagram広告のクリック単価が高騰する原因
Instagram広告のクリック単価が高騰する原因として、主に以下の2点が考えられます。
- クリック率が低い
- 広告の関連度が低い
クリック率が低い
クリック率が低いと、入札単価に対してクリックされる回数が少ないため、クリック単価が高騰する可能性があります。
平均的なクリック率は1%前後であるため、定期的にクリック率を測定し、1%を大きく下回る場合は改善が必要です。
例えば、上記で説明したようなファーストインプレッションが悪く情報量の少ない美容品メーカーの広告の場合、クリック率が悪くなり、クリック単価の高騰を招きます。
そのため、クリック率が低いと感じたら、クリエイティブ等を改善し、改善ごとに定期的にクリック率を測定しましょう。
クリック率がもっとも高いクリエイティブやターゲット設定の広告を継続的に掲載することで、費用対効果の高い広告の出稿が可能です。
ただ、クリック率が高かったとしてもコンバージョンに繋がらないと費用対効果が悪くなるため、1%前後で適切な成果が出るようにターゲット設定などの見直しも行うようにしましょう。
広告の関連度が低い
Instagram広告の関連度が低いと、広告の品質が悪いとInstagram側から判断され、広告が掲載されずに単価が高騰する可能性があります。
具体的には、関連度は以下の項目で判断されています。
- 品質ランキング
- エンゲージメント率ランキング
- コンバージョン率ランキング
つまり、広告に対するユーザーのアクション(クリックやコンバージョンなど)が悪いと、質の悪い広告だと判断されてしまいます。
Instagram広告のクリック単価方式で成果を出すためのポイント
まずは、クリック率を高めるために、最適なターゲティング設定を意識しましょう。
Instagramでは、性別や年齢に加え、ユーザーの趣味思考なども設定できるため、より確度の高いユーザーに広告を表示できます。
例えば、価格が高めの高級インテリアメーカーの場合、ターゲットは購入に繋がりそうな比較的お金に余裕のある消費者になります。
そのため、年齢は20代の若者世代ではなく、40代から50代の設定が望ましいでしょう。
また、女性を対象にしたインテリアデザインでない場合は、ターゲットから女性を外せます。
このように、自社商品のターゲット層を明確にし、そこに向けた広告設定により、クリック率の改善が期待できます。
また、広告の関連度を高くして、適切に広告を掲載する必要があります。
そのために、広告のクリエイティブの改善によるクリック率の改善はもちろん、クリックされた後のWebサイトの改善も並行して行ない、コンバージョンされやすい全体の設計を意識しましょう。
具体的には、Instagram広告用のLPを作成し、「Instagram広告を見た人限定」の割引されたコスメ商品が掲載されているサイトへ誘導するなどして、コンバージョン率を高めることが可能です。
まとめ
Instagram広告のクリック単価は、具体的にコンバージョンさせたい商品が決まっている際に課金方法として設定するのがおすすめです。
また、ターゲット設定が適切であれば、他の課金方法よりも単価を抑えつつ、費用対効果の高い成果が期待できます。
ただ、クリック単価の高騰のリスクもあるため、事前に高騰するケースを把握し、対策法を把握しておくことで、迅速な対応が可能となります。
まずは少額で広告の運用をスタートさせ、クリック単価やコンバージョンなどの数値を確認しつつ、最適なクリック単価の設定を目指しましょう。