【初心者向け】中小企業のSNS担当になったら? 最初にやるべき7ステップ
本記事は未経験で中小企業のSNS担当になった方向けに、まず取り組むべき目標決めやルール設定のやり方を、具体例を交えて紹介していきます。
どの媒体を使うべきかまだ決めていなくても大丈夫です。各SNSの特徴をまとめた一覧表も用意していますので、初心者がゼロからSNS運用を始める際の参考にぜひご活用ください。
目次
中小企業のSNS運用、効果はあるの?
「中小企業SNS担当」と検索すると、「無理」「辞めたほうがいい」などの否定的な見解もヒットします。「SNS担当に任命されたけれど、本当にこれって意味があるのだろうか?」と不安になっている方もいるかもしれません。
自社でもSNS運用をしており、企業から相談を受けることもある弊社バリューエージェントとしては正直なところ、SNSは「売上最大化より、将来に向けたファン形成に効果がある」ツールだと考えています。
そもそもSNSは、モノを買うためのツールではなく、人とつながるためのツールです。SNS“広告”であれば、的確なターゲティングによって売上につながることもありますが、アカウント運用で売上を見込むのはハードルが高いと考えたほうがいいでしょう。
もちろん、SNS映えする・バズる投稿で売上アップにつながったケースはありますが、そのほとんどは個人事業主や自営業が中心です。インスタ映えするホテルやスイーツなど、一部の「SNSきっかけで行動したくなる」業種を除き、中小企業が再現するのは難しいでしょう。
しかし、やるか/やらないかで言えば、やるべき。すぐに費用対効果が見込めるとは言えませんが、もはや「やらないほうがマイナス」の時代に突入しているからです。
定期的に情報を発信しているSNSアカウントは、長期的に人からの信用、検索エンジンからの信用を得ていきます。また、広告ターゲティングでは出会えなかった幅広い顧客層にリーチすることができるため、認知を高め、潜在的な興味関心層を増やすことにもつながっていくでしょう。
加えて、バリューエージェントではSNSを運用するなかで以下7つのメリットを感じています。認知促進以外にも、「契約率向上」や「採用効率アップ」などの効果も期待できますよ。
運用だけなら低予算で宣伝を行うことができる |
ほぼ人件費などのコストをかけずに、全SNS合わせて1ヶ月5万回程度リーチ |
定期的に運用することで思い出してもらいやすくなる |
「SEOといえば、バリューエージェント」という想起を促す |
知り合いからの問い合わせが増えた |
社員や代表が個人アカウントを運用することで、DM等から気軽に問い合わせが発生 |
SNS(YouTube)を見た人は商談からの契約率が高かった |
バリューエージェントの考え方をすでに理解してもらっている状態で商談 |
採用では、企業のことを理解している人からの応募が増えた |
雰囲気や考え方を知っている状態であるためマッチング率が高い |
ブログや動画の露出起点になった |
YouTubeは15%が外部リンクからのアクセス。ブログや各SNSが露出起点となり相乗効果を生んでいる |
セミナーなどの申し込みがあった |
セミナーはSNS経由の申込が多い。見込み顧客との関係性を深める効果あり |
どのSNSを使うべき?各SNSの特徴
いきなり中小企業のSNS担当になったところで、「どのSNSから始めたらいいのかわからない」と悩んでいる方も多いでしょう。
SNS選びの基本は、「顧客になりうるターゲットが使っているSNSを選ぶ」ことです。「BtoBであればFacebook」「女性向けかつトレンドが重要視される商材であればInstagram」といったように、商材やターゲットに合わせてSNSを選びましょう。
以下、よく使われている6つのSNSについて特徴をまとめてみました。
【各SNSの特徴比較(2025年最新版)】
SNS |
MAU(月間アクティブユーザー) |
ユーザー層 |
特徴 |
X(旧Twitter) |
約6,700万人 |
10~40代 男女 |
匿名利用率が高く、リアルタイムのネタ・災害・トレンドなどに強い。バズや炎上が起きやすい。 |
|
約2,600万人 |
30~50代ビジネス利用の実名ユーザー |
ビジネスパーソンのコミュニティ用途が強く、リアルなつながりを活かしやすい。 |
|
約6,600万人 |
20〜30代 女性中心 |
トレンドに敏感な女性が多め。視覚訴求が中心となり、“映える”商材に最適。 |
TikTok |
約3,300万人 |
10~20代 若年層 |
15秒程度の短尺動画。フォロワーが少なくても“バズる”可能性あり。 |
LINE |
約9,700万人 |
10~60代 老若男女 |
日常生活に深く浸透しているアクティブユーザーの多いSNS。見込み顧客や既存顧客のCRMにも有効。 |
YouTube |
約7,370万人 |
10~40代 男女 |
スマホだけでなく、PC・TVで視聴される。TikTokより長尺かつ情報量の多い動画発信に最適。 |
中小企業のSNS担当になったらまずやるべきこと7選
「急にSNS担当に任命されて困っている!」という中小企業の方を想定して、最初に決めるべき・やるべきことを7つご紹介します。
- 目的を決める
- 目標(KPI)を決める
- ターゲットを決める
- 運用ルールを決める
- キャラクターを設定する
- 拡散するためのコンテンツを作る
- 代表や社員を巻き込む
以下、架空の企業のシチュエーションを想定して記載していきますので、自社の場合をイメージしながらご確認ください。
【企業例】
業種:ITサービス(BtoB)
エリア:大阪市
規模:中小企業(100人規模)
課題:知名度不足、新卒・中途採用でのエントリー数伸び悩み
SNS運用経験:なし
SNS施策予算:なし
SNS担当:採用チームに所属する新卒2年目若手社員
①目的を決める
ex)会社の認知度不足から、競合他社より採用の面で優位性が低いという課題があるため、SNSは採用ブランディングを目的として運用する
担当になったからといってさっそく投稿を始めるのではなく、まずは「何を目的にSNS運用をするのか」を具体的かつ明確に定めましょう。
前述の通り、SNS運用は「リーチ拡大」「ブランディング」「認知促進」「契約率向上」などの効果が期待できますが、今回はどのような目的で始めることになったのでしょうか。課題感から逆算して考えたり、上司に聞いたりして確認してみてください。
くれぐれも「みんながやっているから」「なんとなく」「無料だから」といった理由で始めないようにしましょう。最終的なゴールをSNS担当自らが認識していないままに運用してしまうと、失敗のリスクが高まり、軌道修正もやりにくくなってしまいます。
②目標(KPI)を決める
ex)SNSでシェアした採用ページ(社員紹介コンテンツ等を含む)へのアクセス数および、SNS経由でのエントリー数をKPIとする
目的が定まったら、続いて目標を決めましょう。目標はできる限り数値で可視化できるもの、アナリティクスなどで日々確認できるものが望ましいです。たとえば、以下のような指標が挙げられます。
- インプレッション(表示回数≒リーチ)
- エンゲージメント(いいね、リポスト等のアクション)
- フォロワー数
- シェアしたページへのアクセス数
- SNS経由の申込数、資料請求数、エントリー数等のWebページ上での成果
- SNS経由の購入数、リピート数、採用数等の最終成果 ※最終的な採用数等の集計は、「何を見て応募しましたか」といったアンケート項目で確認が必要となる場合もあります
SNSを始めたばかりのころは、ついついフォロワー数を伸ばすことに気を取られがちですが、「フォロワーを増やすことが最終ゴールにつながるのか」をよく考えてみましょう。
今回の例の場合は、アクセス数やエントリー数がKPIとなるので、フォロワー数やいいね数を伸ばすことより、「この企業、気になる」と思わせてうまく採用ページへ誘導することのほうが、優先順位は高くなります。
③ターゲットを決める
ex) 新卒就活生(およびその周辺の大学1~3年生、第二新卒世代)
はっきりターゲットを定められる広告とは異なり、狙ったターゲット以外を含め、原則誰でも閲覧できるのがSNSの投稿です。その利点を活かし、本命のターゲットだけでなくその周辺ターゲットも含めて設定しましょう。
たとえばバリューエージェントなら、Web担当者をメインターゲットとしていますが、その周辺(Webの仕事に興味がある人、Web施策に興味のある企業、同業者)もターゲットと想定した発信を心掛けています。
④運用ルールを決める
ex) 学生のフォローバックはしない/他社のアカウントはフォローする/投稿頻度は毎日/炎上した場合は謝罪投稿の前に社内連携
ターゲットが決まったら、そのユーザーに向けて発信するSNSの運用ルールを定めましょう。たとえば以下のような設定項目が考えられるでしょう。
- フォローバック、ブロックなどユーザー管理のルール
- 投稿日時、頻度のルール
- 投稿内容の作成、チェックのルール(ダブルチェックはするかなど)
- 投稿内容のテイスト(トンマナ)のルール
- 炎上しないための対策とルール
なお、SNS担当者の無理のない範囲で、できるだけ投稿頻度は高めに発信するといいでしょう。SNSは本来、一発のバズや売上を狙うものではなく、ユーザーと長期的な関係性を築き、信頼感を得ていくものです。なかなか更新されないSNSは信頼感が低下するのはもちろん、アルゴリズムで表示されにくくなる可能性もあるため、おすすめできません。
⑤キャラクターを設定する
ex) 若手採用担当者らしい親しみやすい雰囲気で、“中の人感”を出す
④の「投稿内容のテイスト(トンマナ)のルール」に関連しますが、SNS運用ではある程度キャラクター設定が必要です。
キャラクター設定といっても、無理に企業公式キャラクターの口調をマネたり、ぬいぐるみや着ぐるみを登場させたりする必要はありません。最初の「目的」に立ち返って、ターゲットに効果的なキャラクターでユーザーと接するようにしましょう。たとえば目的によって、以下のようなキャラクターの使い分けが考えられます。
- 企業のコーポレート情報やIRを発信するアカウント…丁寧なビジネス口調
- BtoC向け商品への親近感を持ってもらうためのアカウント…商品のキャラクター口調
- 採用ブランディングのアカウント…ターゲットに近い社員や採用担当者による発信
なお、アカウントとして伸びやすいのは、「会社」ではなく「個人」の雰囲気が伝わる投稿です。バリューエージェントでも、社長や社員が運用するアカウントは伸びやすい傾向がありました。しかし、目的によって何が正解かは変わりますので、他社の成功事例を鵜呑みにせず、冷静に設定していきましょう。
⑥拡散するためのコンテンツを作る
ex) 若手社員インタビュー記事や、数字やビジュアルで会社のことがひと目で分かるコンテンツなどを作る
キャラクター設定までできたら、いざ投稿していきましょう。しかし、「何を発信すればいいのかわからない」という方も多いかもしれません。SNSでネタがない場合は、そのネタから作り始めましょう。
たとえばバリューエージェントでは、「中小企業の社長やWeb担当者に向けた、Webマーケティングの情報」のコンテンツをブログとYouTubeで作り、それをSNSで拡散しています。
コンテンツは、「ターゲットがどんなことに悩んでいて、何を知りたいのか?」をもとに、それに対する親切・丁寧な回答を作るとよいでしょう。
企業ブログのネタの考え方・書き方は、下の記事でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
企業ブログの書き方|集客に繋がるネタとライティング手順を解説
⑦代表や社員を巻き込む
ex) 社長や採用責任者の協力を得て質問コーナーなどを発信する体制を作る
運用自体はSNS担当者が行うとしても、中小企業でSNSを最大限活用したいと思うなら、代表や社員の協力を仰げる体制を作っておくことが大切です。
実際にバリューエージェントのSNS運用でも、会社の発信を代表や社員の個人アカウントで拡散することによって、効果を最大化しています。代表や影響力のある社員がすでにSNSを持っている場合は、拡散協力をお願いしましょう。
また、YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツでは、社長がユーザーの質問に答えるコーナーもよく見かけます。顔出しが問題ない社長であれば、積極的にSNSで露出することで、企業やブランドに対する安心感や信頼感を醸成していくことができるでしょう。
中小企業でも使い方次第でSNS活用は有効!
本記事では中小企業のSNS担当者向けにSNS活用のメリットやポイントをお伝えしました。SNSは無料で多くの人たちに自社のことを宣伝できるツールです。ぜひこまめに運用して、自社の宣伝をしてみてください。
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