【中小企業向け】月予算10万円のリスティング広告担当がキーワードの選び方を解説

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WEB広告のなかでも顕在層向けで即効性が高く、非常に多くの企業が導入している「リスティング広告」。少額でも、毎月継続的に実施している中小企業は多いと思います。

しかし、月予算10~50万円程度の少額実施において、「インターネットに書いてある通りやったのにうまくいかない」「Googleが提案してくる最適化案を適用しているのにうまくいかない」といった声も聞きます。

うまくいかないのは、実施規模に合った戦略が立てられていないからではないでしょうか。

インターネットで一般的に書かれているリスティング広告のキーワードの選び方は、ある程度まとまった金額(50万円以上目安)でのやり方ばかりです。小規模実施(10~50万円程度)には、小規模ならではのキーワード選定方法があります。

そこで今回は中小企業のWEB担当者向けに、月予算10万円規模でもマネできる、リスティング広告の戦略の立て方、キーワードの選び方を紹介します。

実際に月予算10万円でリスティング広告を運用する筆者の体験談も交えて紹介しますので、これからリスティング広告を始める方、うまく運用できずに悩んでいる方はぜひご参考ください。

リスティング広告は「検索キーワード」ありき

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リスティング広告に限らず、広告出稿においてターゲット設定は非常に重要です。たとえば、あなたが大阪市内でビジネスを営んでいるとしたら、「どの駅に駅貼りポスターを貼るか」「誰にチラシ配りをするか」など、告知場所やターゲットをよく考えると思います。

リスティング広告においては、「誰に広告を出すか」は「どのキーワードで出すか」で決まります。同じリスティング広告という仕組みを使い、同じ商品の訴求をしたとしても、ほんの少しのキーワードの違いで全く異なるターゲットに広告が届く可能性があるのです。

オフラインの告知において、全く需要のない場所でポスターを貼ったりビラを配ったりしても、成果は見込めないものですよね。リスティング広告もそれと同様です。事前にどのキーワードで出すのかを慎重に見極めて出稿したり、運用するなかで、成果につながりやすいターゲット(キーワード)へ軌道修正したりする必要があるでしょう。

【月予算10万円以下の中小企業向け】リスティング広告キーワードの選び方

リスティング広告においてキーワード選定がいかに重要か分かったところで、ここからは中小企業におけるキーワードの考え方や選び方を紹介していきます。

なお、今回は中小企業のなかでも月予算10万円以下の小規模実施を想定しています。予算規模、企業規模、ネームバリューなどによって、戦略は変わっていきますので、自社の場合が気になる方はお気軽にお問い合わせください。

リスティング広告における顕在層と潜在層の狙いの違い

前述の通り、リスティング広告は少しのキーワードの違いで、全く異なるターゲットに配信されることがあります。ここでは鍋の通販サイトを例に、「顕在層」と「潜在層」に分けて考えてみましょう。

例)架空の鍋の通販サイト「ナベサーチ」でのリスティング広告キーワード

潜在層向け:「鍋 調理器具」「煮物を作る鍋」「フライパン 種類」など
顕在層向け:「鍋 通販サイト」「鍋 24センチ」「両手鍋 ステンレス製」「ナベサーチ」など

「鍋 調理器具」検索結果
※「鍋 調理器具」で検索した場合の検索結果

上記の潜在層向けキーワードは鍋に対して興味関心はあるものの、種類や使い方を検索している段階であり、いますぐ購入する意向があるとは言いにくい状態です。自分の家にある鍋の正しい使い方を調べているだけかもしれませんね。このようなキーワードは購入ニーズが薄いものの、検索数は多い傾向にあるでしょう。

一方、顕在層向けキーワードは「鍋 通販サイト」で調べていたり、サイト名で直接検索していたり、具体的なサイズや形状が含まれていたりと、「いま、鍋を買いたい」という直接的なニーズが見えます。このようなキーワードはニーズが高い一方で、検索数は潜在層向けキーワードと比べて少ない傾向にあります。

リスティング広告において、潜在層向けと顕在層向け、どちらのキーワードで出稿すれば絶対に正解といったものはありません。どちらも網羅できるのが理想的です。遷移先ページの内容と予算に応じてバランスを考えましょう。

月予算10万円以下なら「顕在層」だけ狙おう

キーワードには潜在層向けと顕在層向けがありますが、月予算が10万円以下なら、「顕在層向け」だけにフォーカスしましょう。

前述の通販サイトの例なら「鍋 通販サイト」のようなキーワードですね。WEB上のビジネスであれば購入や登録、実店舗の小売や飲食店であれば来店など、ユーザーのアクションに今すぐ直結するようなキーワードのみを狙うことをおすすめします。

潜在層向けキーワードを狙わず、顕在層向けキーワードに特化した方がいい理由は2つあります。

1つは、「予算の無駄遣いを可能な限り抑えるため」です。
リスティング広告はクリックされるたびに課金される仕組みになっているため、いますぐの成果にはつながりにくい潜在層向けキーワードであっても、クリックされたら費用が発生してしまいます。10万円という少ない予算で成果獲得を目的にするのであれば、顕在層向けキーワードにできるだけ予算をあてて、成果につながる可能性を高めるとよいでしょう。

もう1つは、「潜在層向けキーワードは大手企業に入札で競り負けてしまう可能性が高いため」です。
「入札」というのも、リスティング広告をはじめとしたWEBの運用型広告は表示毎にオークションが行われ、一番入札金額の高い(かつ、質も高い)広告が配信される仕組みをとっています。

潜在層向けキーワードは露出機会が多いことから、認知促進を行いたい大手企業はある程度の金額で入札してきている場合もあります。そうなると、月予算10万円ほどの少額では、オークションで競り負けてしまい、なかなか表示されないということが起きます。大手企業と競って潜在層を狙いに行くだけの予算は不足しているため、顕在層向けキーワードにフォーカスするとよいでしょう。なお、予算がある場合は中小企業でも潜在層を狙うのは有効です。(目安は予算50万円以上)

マッチタイプとは?予算と目的で使いわけよう

顕在層向けキーワードをピックアップし、いよいよ配信!……とする前に、少ない予算を可能な限り無駄なく使っていくために、「マッチタイプ」というものを理解して適切に設定していきましょう。

リスティング広告におけるマッチタイプとは、「登録したキーワードを軸にどの範囲まで関連語句に広げて表示するか」を決める条件設定です。

実は、特定のキーワードを登録したとしても、そのキーワード通りに必ず表示されるとは限りません。このマッチタイプで、どこまで語句の広がりを許容するかを設定しておくことが重要です。

マッチタイプの設定に絶対的な決まりはないものの、予算と目的から考えられる目安を以下で紹介します。限られた予算の無駄打ちを防ぐために、参考にしてください。

マッチタイプ例一覧表

月予算10万円規模の中小企業であれば、まず「完全一致」や「フレーズ一致」で顕在層から狙って行くことをおすすめします。

設定は配信後にも変更できますので、狭い範囲のキーワードで始めてみて、露出されにくい場合にはマッチタイプを変更したり、キーワードを増やしたりして調整していきましょう。

実施中なら、検索意図がずれていないか確認しよう

リスティング広告をすでに実施中で、成果が出ずに悩んでいる担当者もいると思います。そんな場合は、Google広告管理画面の「検索語句」にて、実際に配信されているキーワードがどんなものか確認しましょう。

引き続き、架空の鍋の通販サイトを例にしてみます。
同じ「鍋」が含まれるキーワードであっても、以下のように検索意図が全く異なることがあります。

例)架空の鍋の通販サイトの場合

・「鍋 調理器具」「鍋 通販サイト」「鍋 安い」
調理器具としての「鍋」の購入にあたりどんなものがあるか調べている検索意図

 

・「鍋料理」「ちゃんこ鍋」「鍋 おいしい店」
料理としての「鍋」を調理したり、飲食店で食べたりすることを検討している検索意図

「鍋がおいしい飲食店」を調べている人に、「調理器具としての鍋」の広告を配信しても、成果を得られないのは当然ですよね。

キーワードを洗い出して登録したつもりでも、マッチタイプを部分一致など広めの設定にしていると、このようにニーズのずれたターゲットに当たり始めてしまうことがあります。もちろん、フレーズ一致でもずれたターゲットに当たってしまうことはあります。

キーワードを登録したら終わりではなく、こまめに検索意図にずれがなさそうかチェックを行いましょう。また、検索意図からずれてきているなら、その検索語句をピックアップして除外し、配信することも可能です。

初心者でも簡単!Google公式ツールだけでできるキーワード選定~設定

キーワードの選び方について、ここからはもう少し実務的な話として、実際のツールを使いながら具体的な設定方法を紹介していきます。

なお、キーワード選定に使える便利なツールは有料・無料問わず多数存在しますが、初心者かつ小規模の実施でいきなり多数のツールを使いこなす必要はありません。無料で使えるGoogleの公式ツールだけでも、キーワード選定に十分役立ちますので、まずは基礎的なやり方から覚えていくとよいでしょう。

引き続き、架空の鍋通販サイトを例にして、キーワード選定や設定を行っていきます。

①キーワードプランナーで調べる(キーワードから)

Googleが提供しているリスティング広告のキーワード選定ツール、「キーワードプランナー」を活用しましょう。まずは、キーワードプランナーの「新しいキーワードを見つける」機能から、「キーワードから開始」を選びます。

検索ボックスに「鍋 通販サイト」「フライパン」「両手鍋」といった関連しそうなキーワードを入れ、「結果を表示」ボタンを押します。

キーワードプランナー開始画面(キーワードから検索)キャプチャ

すると、以下のような結果が表示されました。

キーワードプランナー(キーワードから検索)キャプチャ

・指定されたキーワード
入力した指定キーワードの月間平均検索ボリュームや、リスティング広告を配信した際の入札単価が確認できます。

・キーワード候補
キーワード候補には、指定した語句に関連するキーワードが表示されます。今回の検索結果では3,254個ものキーワード候補が表示されました。

検索意図に合致しないキーワードも多く含みますので、CSVでダウンロードして色付けするなど、精査してから活用しましょう。自分では思いつかなかったキーワードが意外にも検索ボリューム多数というケースもよくありますので、自力だけで考えずツールを有効活用しましょう。

②キーワードプランナーで調べる(ウェブサイトから)

キーワードプランナーは指定キーワードで検索するだけでなく、既存のウェブサイトからのキーワード洗い出しも可能です。

たとえば、こちらの鍋や調理器具の通販サイトを例にして、サイトのURLを「ウェブサイトから開始」のボックスに入れ、「結果を表示」ボタンを押してみます。

キーワードプランナー開始画面(WEBから検索)キャプチャ

すると、以下のような結果が表示されました。

キーワードプランナー(WEBから検索)キャプチャ

キーワードから検索したときとはまた違った結果となりました。55個のキーワード候補が出てきたので、こちらも精査しながら活用しましょう。

なお、ユーザーは基本的に、検索結果や遷移先のページに「検索キーワードの答えになる情報」を求めてやってきます。リスティング広告配信の受け皿になるページが狙った検索意図のアンサーになっているならば、成果率の高い施策となります。

逆に、ウェブサイトからキーワードの洗い出しをしてみて、狙いとズレたキーワードばかり出てくるようであれば、リスティング広告の前に、遷移先ページの記載をテコ入れしてみるといいかもしれません。購入や申込といったアクションに近いところから調整していくのが、WEB施策改善の近道です。

③集めたキーワードを潜在層向け/顕在層向けに分ける

①~③の作業でのべ3,000を超えるキーワードが出てきましたが、明らかに検索意図から外れたものは除外したうえで、リスティング広告の目的に合致するキーワードを、潜在層向けと顕在層向けに分けていきましょう。前述の通り、月予算10万円程度の小規模実施なら、顕在層向けキーワードがおすすめです。

再掲)架空の鍋の通販サイト「ナベサーチ」でのリスティング広告キーワード

潜在層向け:「鍋 調理器具」「煮物を作る鍋」「フライパン 種類」など
顕在層向け:「鍋 通販サイト」「鍋 24センチ」「両手鍋 ステンレス製」「ナベサーチ」など

④マッチタイプを選びキーワードを設定する

顕在層向けキーワードを絞り込めたら、Google広告の管理画面を開いて、「検索キーワード」からキーワードを追加していきます。

検索キーワード入力画面キャプチャ

入力ボックスにキーワードを入れていくだけでかんたんに設定ができますが、その際気をつけたいのが「マッチタイプ」です。

前章で紹介の通り、小規模実施であれば「完全一致」や「フレーズ一致」といったマッチタイプがおすすめです。それぞれのキーワードの前後に記号をつけることで、マッチタイプの指定ができるので、適切な記号を付けて入力しましょう。

覚えておきたい!マッチタイプ別の記号

部分一致  :記号無し 例)鍋 通販サイト
フレーズ一致:“ ” で囲む 例)“鍋 通販サイト”
完全一致  :[ ]で囲む 例)[鍋 通販サイト]

⑤配信開始後も検索語句をチェック→除外/追加設定をする

キーワード選定や設定が完了し、いよいよ配信開始となったあとも、引き続き管理画面の「検索語句」のページから、実際に配信されている語句のチェックを行いましょう。

検索語句キャプチャ

表示された検索語句は、新たにキーワードとして追加したり、配信されないように除外したりすることが可能です。このときも④の記号でマッチタイプを指定できますので、適切に設定しましょう。

なお、少額かつ「完全一致」や「フレーズ一致」中心の配信を行っていると、Google広告からの「最適化案」として、部分一致キーワードを増やすことを提案される可能性もあります。

部分一致 最適化案

ダッシュボードに表示された上記のような項目は、「適用」を押すだけで多くのキーワードが一括で部分一致にて追加される便利な機能です。

ワンクリックで簡単かつ、一気に露出機会が増えたり、クリック単価が下げられます。一方で、キーワードの範囲が広がりすぎてしまい、需要のない検索意図に費用を投下してしまったり、除外設定しなければならないキーワードが増えて手間がかかったりといったリスクもあります。

予算が少額のうちは、一括で部分一致を登録せずに、配信状況を見ながら手作業で少しずつ追加して試してみるのがよいでしょう。

まとめ

今回はリスティング広告におけるキーワードの選び方について、考え方から実務的な設定方法までを紹介しました。

まとめると中小企業での月予算10万円程度のリスティング広告であれば、以下のような方針がおすすめです。

  1. 顕在層向けキーワードにフォーカスする
  2. マッチタイプは「完全一致」「フレーズ一致」を中心に活用する

いわば「狭く深く」、いまある需要を取りこぼしなく拾っていくような方針と言えるでしょう。

リスティング広告はWEB広告のなかでも特に、狭域のターゲットを狙いやすい広告です。需要のあるところにしっかり狙いを定めれば、着実に効果につながるはずですので、まずはその照準となるキーワード選びから始めてみましょう!

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