Facebookダイナミック広告の活用|広告運用効率改善効果に期待も

Facebookダイナミック広告の活用|広告運用効率改善効果に期待も

Facebook広告には「ダイナミック広告」の機能が備わっています。

カタログの用意が必要であったり、通常の投稿と比較して入稿ハードルが高そうに見えるダイナミック広告ですが、うまく活用すると少ない工数で大きな成果を出せる可能性を秘めた便利な広告機能です。

この記事ではダイナミック広告を活用して広告運用効率を改善し、成果を出す方法についてご紹介します。

Facebookダイナミック広告とは

Facebookダイナミック広告の表示例

Facebook広告のダイナミック広告とは、他の媒体だと「動的リマーケティング広告」と呼ばれる配信メニューのことで、あらかじめ用意したカタログと呼ばれる商品のフィードの情報を元に、多くの商品を組み合わせながらユーザーごとに関連性が高いと思われるクリエイティブを表示する広告のことです。

参考:Facebook for Business ダイナミックプロダクト広告で機器を問わずコンバージョンを促進

ダイナミック広告(Meta Advantage+ カタログ広告)とは

広告には「静的広告」「動的広告」の概念が存在しています。

「静的広告」とは、「どの利用者に対しても同じクリエイティブを表示する」広告のことで、「動的広告」とは「利用者によってクリエイティブを最適化して配信する広告」のことです。

ダイナミック広告は「動的広告」にあたり、あらかじめ大量のクリエイティブデータを「カタログ」として作成しておき、Facebookがユーザーごとに関連性が高いと思われるクリエイティブを選定して配信する仕組みになっています。

例えばあるECサイトで広告配信を検討している場合、「数枚のクリエイティブ画像を使って割引キャンペーンの訴求をしたい場合」などは静的広告でも十分効果が見込めます。

しかし「100種類以上の商品を広告クリエイティブとして使って製品に興味を示す人にリーチしたい場合」には、クリエイティブを手動で作成して配信するのは手間がかかるうえ、かつFacebook広告では一つの広告セットに対して50種類のクリエイティブ数上限が設けられているため、全ての製品をクリエイティブとして配信することはできません。

このような場合にダイナミック広告が役立ちます。

ダイナミック広告は、Facebook広告で配信ができる全ての媒体、Facebook、Instagram、Audience Networkに対して配信が可能です。

また広告フォーマットも、シングル画像広告、カルーセル広告、ストーリーズ広告、コレクション広告など、豊富なフォーマットをカバーしています。

Facebook広告において、ダイナミック広告は主にコレクション広告の中で利用します。

コレクション広告では、メインとなる動画や静止画を一つ+カタログから引用できるダイナミック広告の部分を組み合わせたクリエイティブとなります。

ユーザーが広告をタップすると、フルスクリーンでカタログの商品下に連なるように表示され、大量の商品をウィンドウショッピングする感覚で確認することができるのです。

ダイナミック広告の例

ダイナミック広告に向いている商材例としては、「商品数が多い求人」「ECサービス」「旅行サイト」「E-bookサイト」など、「取り扱う商品の数が多い=クリエイティブの素材が豊富な商材」が挙げられます。

例えば下記のような商材に、ダイナミック広告は最適です。

  • 洋服やアクセサリーを取り扱うECサイト広告での活用(商品数が非常に多い)
  • 世界中を行き先に抱える旅行会社の広告での活用:プランの数が豊富で、人によって行きたい旅先が違う。

ダイナミック広告の仕組み

Facebook広告では、オーディエンスを定義するために「Facebookピクセル」と呼ばれる広告タグを使用します。

Facebookピクセルをウェブサイト上に埋め込むことで、ユーザーのアクションや閲覧履歴を取得することが可能です。

そうして得たデータに基づいて、事前に設定したカタログ内からFacebookが自動的にユーザーに表示することでダイナミック広告が配信されます。

クリエイティブに使用する画像のほか、見出しや説明文、遷移先のURL、パラメータなどをカタログに格納することで、Facebookピクセルから得たオーディエンスのデータと紐付けて広告を最適化しています。

ダイナミック広告を配信するメリット、デメリット

メリット

ダイナミック広告の配信には多くのメリットがあります。

運用開始後のクリエイティブ作成工数がかからない

まず、通常投稿と比較してダイナミック広告は広告作成の手間がかかりません。

カタログを作成するのに手間がかかりますが、一度カタログを作成してしまえばその後は無数のクリエイティブが自動生成されるので、いちいち広告を作ることを考えると大きなリソース削減になります。

一つ一つ入稿すると、運用担当者の工数は膨れ上がり、また作成途中で入稿ミスが起きる可能性もあるので、ダイナミック広告にすることで、少ないリソースでミスのない広告運用が可能になります。

ユーザー一人ひとりにあった広告を表示できる

ダイナミック広告では、ユーザーが強い興味関心を示していなくても、コンバージョンに繋がる可能性のある関連性の高い商品やサービスをユーザーに対して表示できます。

ユーザーの行動情報をもとに、そのユーザーが興味をもつ可能性が高い広告を一人一人に対して最適化して配信することができるので、顕在層にいる顧客に限らず、潜在層から新規顧客を発掘することができます。

また、過去に購入したことのあるユーザーに再購入を促す場合にも最適です。

デメリット

一方で、ダイナミック広告を配信することによるデメリットも存在しています。

配信の準備を整えるまでに工数がかかる

クリエイティブ画像と見出し、遷移先のURLさえ用意ができればすぐにでも配信が可能な静的広告と比べ、ダイナミック広告は事前にカタログを用意する必要があります。

カタログを自動で更新できるようにするなど仕組みを整えるにはシステム周りの知見も必要になる場合があり、カタログの仕組みを整える工数が必要となります。

細かいクリエイティブの調整が難しい

ダイナミック広告を配信する場合、どのクリエイティブが誰に配信されるかなどはFacebook側に任されることになります。

どんなオーディエンスに対して特定のクリエイティブがどんな成果を出しているのか確認することができず、運用者が細かく調整を行いたい場合は不向きと言えるでしょう。

Facebookダイナミック広告を出稿する

Facebook広告でダイナミック広告を出稿する手順について説明します。

配信開始までの下準備

ダイナミック広告を配信するには、「計測の設定」と「カタログの用意」が必要です。

Facebookピクセルの準備

Facebookのダイナミック広告では、タグから下記の情報を取得し、自動でFacebookへと送ります。

  • ユーザーの行動情報(どんな商品に興味を示したか)
  • 閲覧した商品の情報(価格など)
  • 商品ごとのCTR・CVR

Webサイトに設置するベースコードに加え、3種類のイベントコードを設定することが求められます。

下記のイベントコードを設定し、ユーザーの行動を追えるようにしましょう。

  • コンテンツビュー:商品詳細ページに追加
  • カートに追加:カートのページに追加
  • 購入:購入が完了するページに追加

コードは直接の埋め込みでも、Google Tag Managerなどのツールを使用して設置することも可能ですが、ツールを使うことでシステム周りの知識に詳しくない人でも簡単にタグの設置ができておすすめです。

ツールの設定をしておらず使用が厳しい場合は、エンジニアにタグの設置を依頼します。

カタログにアイテムを追加する

タグの設置に続いてカタログを用意します。カタログにアイテムを追加する方法は下記の3種類です。

  • 手動入力
  • データフィード
  • Facebookピクセル

商品の数量が少ない場合は手動でカタログを入力することも可能ですが、最も効率よくカタログ管理を行えるのはデータフィードです。

データフィードはExcel、またはCSVファイルで管理する広告に使用する情報が入ったファイルのことで、一般的に広告名やクリエイティブに入れる製品の品番、広告から遷移先として使うURLなどをリスト形式で記載します。

多量の情報を一括で扱えるのでミスが起こりにくく、長期的な運用を行う場合には特に便利です。

参考:ダイナミック広告ガイド

ダイナミック広告で成果を出すために

ダイナミック広告で成果を出すために、注意するべき点を紹介します。

カタログは常に最新状態に

広告を見て気に入った商品を発見し、ユーザーは広告をクリックして詳しい情報を入手しようとしますが、カタログが古いまま更新されていないと「広告をクリックしたのにみたいページにアクセスできなかった」「欲しいからクリックしたのに既に売り切れており買えなかった」など、ネガティブな体験に繋がります。

また、カタログが更新されていないと、新商品がでているのにカタログが更新されていないと、せっかく広告を出しているのに新しい商品を表示できません。

カタログは常に最新の状態を保ちましょう。

オーディエンス設定の最適化

既にコンバージョン済みのユーザーをオーディエンスから除外することで「購入見込みのないユーザー」がオーディエンスから省かれ、広告獲得単価が安くなるなど、広告効果が改善される場合があります。

例えばベッドメーカーの場合、コンバージョン済みでベッドを買ったばかりのユーザーに対して広告を配信しても、ベッドを二回購入する可能性は低いと考えられます。

この場合、コンバージョン済みユーザーは除外するのが望ましいでしょう。

一方でECサイトなどの場合、先週ワンピースを購入したユーザーが今週また別のスカートに興味を持って購入することも考えられます。

この場合はコンバージョン済みのユーザーに対しても積極的に広告を配信する方が良いと考えられるので、オーディエンスを除外する必要はないでしょう。

Facebookダイナミック広告の成功事例

最後にFacebookダイナミック広告をうまく活用した事例についてご紹介します。

ランジェリーブランドにおけるダイナミック広告の活用

ランジェリーブランドにおけるダイナミック広告の活用例

台湾を拠点とするランジェリーのグローバルブランドであるDEPIC Internationalでは、ショッピング広告+カタログで、人気のある製品と個人の嗜好にパーソナライズ化された製品をユーザーに届けることに成功しました。

11月11日の「独身の日」に合わせた10%OFFのキャンペーンに合わせて動画のキャンペーン訴求クリエイティブを用意し、コレクション広告のフォーマットを使ってダイナミック広告を配信した結果、広告費用対効果は1.6倍に拡大しました。

参考:DEPIC International

チョコレート菓子のクリスマス訴求にダイナミック広告を活用

チョコレート菓子のクリスマス訴求にダイナミック広告を活用した例

オーストラリアに店舗を構えるKitKat Chocolatory Australiaでは、顧客が自分だけのオリジナルのチョコレートフレーバーを作成したり、限定のフレーバーを楽しむことができます。

数多くのフレーバーを抱えるこのブランドでは、ダイナミック広告の仕組みを使って無数のフレーバーのチョコレートを効率よく広告クリエイティブとして使用し、認知度拡大を試みました。

その結果オーストラリアのブランド認知度の拡大に成功し、オンラインの売り上げも大幅に向上しました。

参考:KitKat Chocolatory Australia

まとめ

Facebook広告内の広告機能の一つ、ダイナミック広告についてご紹介しました。

動的広告であるダイナミック広告は、初期の設定こそ工数がかかるものの、大規模なカタログの中からそれぞれのユーザーに最適化されたクリエイティブが配信される画期的な仕組みで、アナログな出稿方法ではなし得ない大きな可能性を秘めた広告です。

多くの商品を抱えたサービスの場合や、クリエイティブの数が多い場合には是非とも活用してみましょう。

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