目的別|Facebook広告クリエイティブ制作のポイントと作成時の注意事項
Facebook広告の効果状況に非常に大きな影響を与える要素として、クリエイティブが挙げられます。
今のクリエイティブのどこを改善するべきなのか、競合他社はどんなクリエイティブを運用しているのか気になる方に向けて、広告クリエイティブ作成のポイントや注意事項、競合調査のやり方についてご紹介します。
目次
Facebook広告クリエイティブのフォーマット
Facebook広告ではディスプレイ広告を出稿できます。
大きく静止画と動画に分けられるディスプレイ広告には下記のような特徴があります。
画像広告
画像広告が配信できる面は下記の通りです。
配置ごとに推奨されるアスペクト比に違いがあり、各配置の推奨アスペクト比で配信するのが望ましいです。
広告マネージャのアセットカスタマイズ機能を使うことで、複数の配置とアスペクト比に同じ画像を使用することも可能です。
配信先媒体 | 配置 | サイズ |
---|---|---|
フィード | ・アスペクト比: 1.91:1~1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
右側広告枠 | ・アスペクト比: 1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
インスタント記事 | ・アスペクト比: 1.91:1~1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
Facebook MarketPlace | ・アスペクト比: 1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
ストーリーズ | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
検索結果 | ・アスペクト比: 1.91:1~1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
ビジネス発見 | ・アスペクト比: 1.91:1~1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
ストーリーズ | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
フィード | ・アスペクト比: 1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
発見タブ | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
Audience Network | ネイティブ、バナー | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 398 x 208ピクセル以上 |
Messenger | メッセージ画面 | ・アスペクト比: 1.91:1 ・解像度: 1,080 x 1,080以上 |
受信箱 | ・アスペクト比: 1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080以上 | |
ストーリーズ | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 |
個々の商品やアイテムをしっかりユーザーに見せたい場合、細部までディティールを伝えたい場合は静止画の活用がおすすめです。
また静止画広告のメリットとしては、動画よりも製作コスト、リソースを抑えられるため、多くのパターンを用意して比較検証も行いやすいことが挙げられます。
動画広告
動画広告が配信できる面は下記の通りです。
配信先媒体 | 配置 | サイズ |
---|---|---|
フィード | ・アスペクト比: 1:1(デスクトップまたはモバイルの場合)または4:5 (モバイルの場合のみ) ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション:推奨 ・音声:推奨 | |
右側広告枠 | ・アスペクト比: 1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 | |
インスタント記事 | ・アスペクト比: 16:9 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 対応なし ・動画音声: 任意 | |
インストリーム動画 | ・アスペクト比: 16:9~1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・動画音声: 推奨 | |
Facebook MarketPlace | ・アスペクト比: 1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 対応なし ・音声: 推奨 | |
ストーリーズ | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 推奨 | |
検索結果 | ・アスペクト比: 1:1 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 推奨 | |
リール | ・アスペクト比: 9:1 ・解像度: 500 x 888ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 推奨 | |
ビジネス発見 | ・アスペクト比: 1:1(デスクトップまたはモバイルの場合)または4:5 (モバイルの場合のみ) ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 推奨 | |
ストーリーズ | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 推奨 | |
フィード | ・アスペクト比: 4:5 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 推奨 | |
発見タブ | ・アスペクト比: 4:5 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 推奨 | |
リール | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 500 x 888ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 強く推奨 | |
Audience Network | ネイティブ、バナー | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 対応なし ・音声: 推奨 |
動画リワード | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 対応なし ・音声: 推奨 | |
Messenger | ストーリーズ | ・アスペクト比: 9:16 ・解像度: 1,080 x 1,080ピクセル以上 ・キャプション: 推奨 ・音声: 推奨 |
個々の商品やアイテムを使っている様子をユーザーに伝えたい場合、使い方や動かした時に様子を伝えたい場合は、動画を取り入れることでユーザーにイメージが伝わりやすくなります。
静止画と比較してクリエイティブ製作コスト、リソースは嵩むことが想定されますが、その分大きなリターンを得られることもあるのが動画広告です。
画像、動画を使った広告のフォーマットとしては、バナー広告の他、カルーセル広告や、動画と画像を組み合わせた配信もできるコレクション広告が挙げられます。
バナー広告(フィード面に配信された場合の見え方)
なるべく大きなサイズの画像一枚で情報を届けたい場合や、お得なキャンペーンの概要など、チラシ感覚で情報を届けたい場合におすすめのフォーマットです。
上記の画像のように「商品」そのものを大きく見せることでモノ自体の魅力を伝えたり、期間限定で割引セールを行う場合などに画像一枚を大きく使って訴求するのに適しています。
カルーセル広告(フィード面に配信された場合の見え方)
横に連なる形で最大10枚の画像を使用できます。
それぞれの画像に対して別の遷移先を指定できるので、複数のプロダクトや旅行プランなど、横並びで選択肢を提示したり、漫画形式でストーリーを届けたい場合に便利なフォーマットです。
例えば清掃サービスの広告の場合、「風呂掃除プラン〇〇円」「換気扇掃除プラン〇〇円」「キッチン掃除プラン〇〇円」など、プランごとの料金を一枚ずつ画像にし、カルーセル広告として出稿する、などの使い方ができます。
コレクション広告(フィード面に配信された場合の見え方)
トップには、画像または動画を使用することが可能です。
また膨大なプロダクト数を抱えるサイトなどでは、カタログを活用することでダイナミック広告のような運用が可能となり、運用の工数を大幅に削減することが可能です。
コレクション広告はECサイトと非常に相性がよく、大量の商品を扱っている場合でもユーザーごとに関連性の高いアイテムを見せることができます。
アクセサリーやアパレルの販売サービスなどの広告を出している場合は、ぜひ活用したいフォーマットです。
効果的な広告クリエイティブ作成のポイント
ここからは、より効果的なクリエイティブを作成するためのポイントについてご紹介します。
静止画の場合
素材はなるべく高画質で
スマートフォンの画面サイズの拡大が進み、スマートフォンに表示される画像は高い解像度が求められるようになってきています。
画質が粗い広告はそれだけで「きちんと用意されていない」印象を与えてしまい、CTRへの悪影響が懸念されます。
上記の表の通り、配置面によって推奨のサイズ、解像度に違いがあるので、配信面に応じた最適なサイズの素材を用意するようにしましょう。
最低でも600✕600ピクセル、推奨解像度は1080✕1080ピクセル以上あることが望ましいです。
メインテキストは3行以内に収める
メインテキストは画像の補足としてユーザに情報を届けられる便利な手段ですが、行数が3行以上になるとそれ以上表示されず、「…」と記載されてしまいます。伝えたいことだけに内容を絞って作成しましょう。
基本のテキスト量上限は下記の通りです。
- メインテキスト:125文字
- 見出し:40文字
- 説明文:30文字
※一部配信面において上限が異なる場合があります。詳細はこちらからご確認ください。
静止画広告の例
美容、健康製品を販売するWatsons Malaysiaでは、カルーセル広告、ダイナミック広告を活用し、自社製品のお得さや商品のセールスポイントをユーザーに伝えました。
カルーセル広告は、最大10枚の画像を使用し、ユーザーが横方向にスワイプして見られるタイプの広告フォーマットです。
ここでは割引キャンペーンの特徴を画像一枚に対して一つ、大きく表示させ、同時に対象となる商品の画像を並べることで、「この製品が今安いんだ!」という印象を強くユーザーに植え付けています。
動かない静止画だからこそ、伝えたい情報をピンポイントで伝えることができるのです。
動画の場合
冒頭の3秒で大事な事を伝える、または注意を引きつける
動画をしっかり作り込んでも、ユーザーが動画を最後まで視聴することは稀です。
後半に重要度の高い情報を配置してしまうと、ほとんどのユーザーがそこに辿り着く前に離脱してしまうなんてことも。
頭にインパクトをおいてユーザーの注意を引き、視聴時間を伸ばすような作りにするか、伝えるべきことは冒頭で伝えるような構成で動画を制作しましょう。
動画広告の例
GuinnessUKでは、ビールのプロモーションに動画クリエイティブをうまく活用することで見た人の広告想起を高めるキャンペーンを行いました。
このクリエイティブでは「白熱するスポーツの試合とともに人々がビールを楽しむ様子を動画で見せる」ことで、興奮に包まれて皆とビールを飲む楽しさをユーザーに届けています。
静止画よりもより「体験」の感覚を味わえる動画広告ならではの効果を活用しています。
参考:Guinness UK
また、雑貨や文具を扱うメーカーであるワンダーマークは、Guinnessとは別の意図で動画広告をうまく活用しています。
動画撮影用のデコレーションペーパーのオンラインショップのプロモーションにおいて、発色や質感が大切な紙素材を動画で紹介することで、商品の質感やディティール、実際商品を使っている様子をユーザーにダイレクトに届けました。
参考:ワンダーマーク
より良いクリエイティブを作成するためのツール
趣向を凝らしたアイデアで広告を生み出すクリエイターたちによって、日々新しい広告が生まれています。
どんな広告を作ったら良いのかわからない場合は、今業界ではどんな広告が流行っているのか、競合はどんな魅せ方をしているのかリサーチし、参考にしたりもう一捻り加えることで、新しいアイデアを生み出しやすくなります。
ここでは広告のトレンドや競合調査に使える便利なツールについてご紹介します。
Facebook広告ライブラリの活用
Facebookを使用している方であれば、自身のアカウント上に配信される広告を確認できますが、自分がターゲットにされていない広告を確認する術はありません。
そんな時におすすめなのがFacebook広告ライブラリです。
Facebook広告ライブラリの使い方
広告ライブラリでは、Meta社が運営する媒体であるFacebook、Instagram、Messengerなどに表示されている広告について、配信国、広告主を指定して確認することができます。
使い方は、まずこちらから、Facebookアドライブラリにアクセスします。
「広告を検索」の箇所に、配信先に国、広告カテゴリ、キーワードまたは広告主の名前を指定し、検索します。
日本に配信されているInstagramの広告を検索すると、下記のように現在配信されているInstagramの広告を確認することができます。
広告ライブラリでは、クリエイティブの画像や見出しのほか、表示されている広告をクリックすることでその先の遷移先LPも確認することが可能です。
例えば、お弁当屋さんの広告を出稿している方の場合、キーワードとして「弁当」と検索すると、お弁当に関連する広告が一覧で表示されます。
Meta社が運用している広告ライブラリは、無料で使用可能で非常に便利なツールです。次の広告制作のアイデア出しに、ぜひ活用することをおすすめします。
広告クリエイタースタジオの活用
競合や市場の調査と併せて大切にしたいのが、自社のユーザーについての調査です。
現在自社に興味を持ってくれているユーザーはどんな人々で、何を求めているのかを把握することで、クリエイティブを作成しやすくなります。
そこで活用したいのが、広告クリエイタースタジオです。
クリエイタースタジオにはクリエイターの役に立つ多くの便利機能が導入されていますが、ユーザー調査に活用できるのは「インサイト」です。
ここではオーガニックの投稿についてのデータを確認でき、広告クリエイティブ作りに参考にできる情報が多く見つけられます。
クリエイタースタジオのインサイトを活用する場合は、こちらからクリエイタースタジオを開き、左側のメニュータブから「インサイト」を開きます。
ここではページ、動画、ストーリーズ、インスタント記事、リールの5セクションが用意されており、それぞれについてのデータが確認できます。
特に広告クリエイティブ作成に生かしたいのが「動画」「ストーリーズ」「リール」のセクションです。
広告は広告費を払わないと配信できませんが、インサイトを使えばオーガニック動画でもおおよそ何秒程度再生されているのか、リピートで再生されているのはどの動画のどの部分なのかなど、詳しいデータを入手できます。
オーガニックである程度ユーザーの行動についてのデータを得てから、それを元に広告クリエイティブを作成することで効率よく優良なクリエイティブを作成することができます。
広告クリエイティブハブの活用
Facebook広告、Instagram広告のアイデアの収集、アイデアのシェア、広告クリエイティブモックアップの作成などの便利機能を備えているのが広告クリエイティブハブです。
コンセプトの収集〜アイデアをすぐに広告の形として試すことが可能で「どんなクリエイティブが作れるか」イメージを膨らませるのに非常に便利なツールです。
参考:クリエイティブハブ
まとめ
Faceebook広告のクリエイティブについてご紹介しました。
ディスプレイ広告にとってクリエイティブは広告の効果を左右する最も重要な要素の一つであり、広告を運用する場合、常に新鮮で目を引くアイデアを織り込んだクリエイティブを作成し続けることが求められます。
Facebook広告では、アイデア出しの段階で参考になるサービスから効率的に出稿できる管理画面まで、活用すると便利な仕組みが揃っています。
配信媒体、配信面ごとにどんなクリエイティブがユーザーに受け入れられやすいのか、検証を繰り返しながら、良いクリエイティブ作りに励みましょう。