Facebook広告の種類とは?集客を成功させる組み合わせ・コツを公開【具体例あり】
高精度でのターゲティング広告が難しくなってきている昨今、そのターゲティングの精度の高さやバリエーションの多さから注目を集めているFacebook広告。「同業での成功事例を聞いて気になってきた」という企業担当者も増えているかもしれません。
そんなFacebook広告の成功には、サービスや訴求内容にあわせた「適切な種類の組み合わせ」が欠かせません。この記事では、Facebook広告にはどんな種類があるのかだけでなく、どんな組み合わせで配信すればいいのか、3つのパターンを例に解説します。
場合によって正解は異なるものの、さまざまなパターンを見ていくなかで、あなたのサービス・商品ならではのアイデアを思いつくきっかけになれば幸いです。また、どんな企業にも共通するFacebook広告成功のコツも紹介していますので、あわせてチェックしてみてくださいね!
目次
Facebook広告の種類とは
Facebook広告の種類について「配信面」「広告の目的」「フォーマット」のそれぞれの観点から紹介します。Facebook広告はこれらの組み合わせによって、非常にさまざまなバリエーションで商品やサービスにあった広告配信ができるようになっていますので、まずはどんな種類があるのか確認していきましょう。
「配信面」の種類
Facebook広告の配信面は「Facebook」だけではありません。実は、多くの人が利用する「Instagram」もFacebook広告の管理画面より配信可能なメディアの1つです。Facebookだけ、Instagramだけなど、1つの面に絞って集中的に配信することもできますが、関連サービス全体に広く配信することも可能です。
目的や意図があり1つの配信面に絞るのは効果的な可能性がありますが、「初めての広告出稿でどれにしようか迷う」という場合は「自動配置」機能を活用してみましょう。広告の配信状況をもとに、AIが効果的に配分調整をしながらさまざまな配信面に自動出稿してくれますよ。
Facebookは国内で2,600万人以上が利用している実名登録制のSNSです。30~40代、社会人世代の利用者がボリューム層であることから、不動産広告や中途採用などの求人広告、BtoBのセミナー告知広告など、若年層向けSNSではアプローチしにくいような商材にも適しています。
Facebook広告としてイメージされやすいのはユーザーの投稿が流れる「フィード」での配信ですが、Instagramのような縦型動画(静止画も可)が流せる「Facebookストーリーズ」「Facebookリール」などでも配信可能です。
Instagramは国内で3,300万人以上が利用している写真や動画をメインとしたSNSです。昨今は利用者の幅が全世代に広がりつつあるものの、10~20代の利用者がボリュームゾーン、かつ女性の利用割合のほうが高めとなっています。
若年層のあいだではGoogle等の検索エンジンで検索するのではなく、Instagramで検索する(タグる)という文化もあるため、商品やサービスが発見され、購買につながりやすいSNSとして、相性のよいサービスでは広告効果も高い傾向にあります。たとえば、ビジュアルのインパクトが強い(映える)商品、ファッション、美容、若年層向け商品などとの相性がよいと考えられるでしょう。
Facebook同様、フィード・ストーリーズなどで配信可能です。ストーリーズ機能はFacebookよりInstagramのほうが一般的に浸透しているため、「スマホ画面いっぱいに商品を告知したい」という場合はInstagramストーリーズ広告が適切でしょう。
Messenger
Messengerは世界で13億人以上が利用し、日本でもビジネスシーンでよく利用されるメッセージツールです。Facebookの姉妹アプリとして認識している人も多いかもしれません。
Messengerでも、受信箱やストーリーズなどに広告を配信しWebページに遷移させることが可能です。また、Messenger面だけに限らずFacebook広告では、Messengerチャット画面に遷移させる「Messenger誘導広告」という独自の配信手法も存在します。
Messenger誘導広告では、表示された広告をクリックすると企業アカウントとのチャット画面に遷移する仕組みになっています。
そこからは顧客との1対1のコミュニケーションが可能となるため、「いきなり申込はしにくいから担当者にまず相談したい」というユーザーニーズを解決します。成約までのハードルが高めな金融サービスや不動産サービス、電気・ガスなどのインフラサービスなどは、Messenger誘導広告を使った事前のコミュニケーションが効果的と言えるでしょう。
Audience Network
Audience Networkは、Facebookが連携している外部のWebサイト・アプリなどに配信される広告ネットワークです。Facebook広告の配信面のなかで、Audience NetworkのみがMeta社のプラットフォーム以外にも露出されますので、「Facebook関連サービスのみに出稿したい」「どんな面に露出されるか事前に分からないのはNG」という場合は、Audience Networkを除いての配信設定を行いましょう。
連携媒体社数は非公開であるものの、国内ではグノシー、C CHANNEL、食べログ、ジモティーなど、数々の有名サイトと連携しています。広告表示のされ方は各サイトによってさまざまですが、いわゆる「バナー広告」のイメージです。GoogleやYahoo!の広告を出稿したことがある人は想像しやすいかもしれませんね。
Audience Networkを設定することで、Facebook関連サービスに閉じない、インターネットのあらゆる場面で商品・サービスを告知することが可能です。広告リーチの最大化に特に重きを置く場合は、露出UPのチャンスを増やすAudience Networkも含めた、全配信面での出稿がおすすめです。
「広告の目的」の種類
「何のためにFacebook広告を配信するのか?」を管理画面で選ぶ、「広告の目的」という項目にも種類があります。
訴求したい内容にあわせて適切な目的を選択しましょう。なお、選択は管理画面である「Facebook広告マネージャー」内で、「キャンペーン」を作る最初の段階にてできますが、6つの種類の配下に詳細説明があるので、迷ったら確認してみてください。
たとえば、Messengerの章で紹介したMessenger誘導広告は、「トラフィック」、「エンゲージメント」、「リード」、「売上」を選択した際に可能です。
目的によってこのあとの画面で設定できる項目が異なってきますので、Messenger誘導広告のような独自の広告を実施したい場合は、最初の目的設定に留意しましょう。
「フォーマット」の種類
配信面、目的に加えて、Facebook広告の入稿フォーマットにも4つの種類があります。同じ配信面、目的でも、フォーマットを変えるだけで広告の見栄えや印象、もたらす広告効果も大きく変わる可能性があるため、どんな種類があるのかチェックしておきましょう。
ベーシックな配信面である、FacebookとInstagramのフィード(投稿)での表示例もあわせて紹介します。いまあなたがFacebookやInstagram、Messengerなどの個人アカウントを所有している場合は、実際どんな広告がどんなフォーマットで出稿されているか、日頃から注視してみましょう。意外なマーケティングのヒントが見つかるかもしれませんよ。
写真広告
写真広告は、画像1枚とテキストで構成される、Facebook広告のなかでも最も一般的なフォーマットです。シンプルかつ用意する画像も1枚でよいため、スピーディーに広告を開始することが可能です。「写真」という名称がついていますが、用意する画像はイラストでももちろん問題ありません。
「他の広告フォーマットより簡単にできるなら、効果がないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、Facebook広告公式ページでは、トラフィック(Webサイト遷移)の促進や認知度向上に特に効果があるとおすすめされています。
1枚の画像でインパクトを与えたり、商品のメリットを簡潔に紹介したりすることができれば、もっと知りたいと思ったユーザーを「詳しくはこちら」等のボタンでWebサイトに誘導することができるでしょう。シンプルながら、訴求内容の工夫次第で効果も伸びる、ポテンシャルの高いフォーマットです。
動画広告
動画広告は、15秒程度の動画によってユーザーにリーチすることができるフォーマットです。(入稿可能な動画の長さは240分以内ですが、Facebook広告では15秒以内を推奨しています。)
動画広告が得意とするのは認知促進やブランドリフトです。画像より動画のほうが目に留まりやすく、情報量を盛り込めることから、ブランドのストーリーを伝え、ファンを増やしていくブランディングに適しています。リスティング広告やリターゲティング広告などの顕在層向け広告と組み合わせれば、成果獲得の観点でも効果UPが見込めるでしょう。
カルーセル広告
カルーセル広告は、1つの広告に最大10枚の画像や動画を表示することができるフォーマットです。ユーザーは画面をスワイプすることでスライドショーのように内容を読み進めていくことが可能です。
1つの商品におけるさまざまな機能や使い方を紹介したり、ECサイトの複数商品をピックアップして紹介したりするときに便利でしょう。並び順を固定して順番にユーザーに読ませることもできれば、順不同にして効果のよいクリエイティブを前に自動表示させることもできるので、ビジネスにあわせた使い方を選択しましょう。
コレクション広告
コレクション広告は、メインビジュアル1枚+関連画像3枚で表示されるフォーマットです。ユーザーがこのフォーマットの広告をクリックすると、「インスタントエクスペリエンス」と呼ばれる商品ページ風の全画面広告が展開されます。
広告に興味をもったユーザーにそのままカタログを見て商品を選ぶような購買体験を促すことができるため、認知~購買までWeb上で完結するようなEC系サービスとの相性がよいでしょう。
【企業別】配信面×目的×フォーマットの組み合わせ例
ここまで、Facebook広告には「配信面」4種類、「広告の目的」6種類、「フォーマット」4種類があることを紹介していきました。Facebook広告成功の秘訣は、これらの種類を覚えることではなく、使いこなすことです。
サービスの特徴や事業規模などにより、どんな種類を選ぶかの正解はさまざまですが、自社にあった組み合わせを考えてみましょう。…そうはいってもゼロから考えることは難しく手間がかかるものなので、この章ではいくつか組み合わせ例を紹介しますね。
以下3つの想定企業を例に考えていきます。
- 大阪府内に展開する乳幼児・小学生向けのスイミングスクール
- 20~30代キャリアウーマン向けのアパレルECサイト
- サービスローンチして間もない、中小企業向けの人事労務サービス
同じ組み合わせでも、想定企業が異なればその活かし方も異なるため、Facebook広告で実現できるバリエーションの広さをイメージしてもらえたら幸いです。
例1:Facebook×トラフィック×カルーセル広告
1つ目の例は、配信面をFacebook、目的をトラフィック(Webサイトへの遷移)、フォーマットをカルーセル広告とした場合です。
Facebookは子どもの年齢の登録情報を豊富にもつため、子どもが生まれたばかりの人~小学校高学年の子どもがいる人(9~12歳)までをターゲティングしましょう。カルーセル広告であれば、1枚ずつ「ベビー向け」「幼児向け」「小学生低学年向け」などの画像やリンクを設定することが可能です。
スクールのTOPページに遷移させるのではなく、各年代向けコースのページへ遷移を促すことで、ターゲットである子育てママ・パパ層がより自分ごととして認識しやすくなり、遷移後の成果率が向上するでしょう。
仕事モードのときにFacebookを開いている可能性があるため、オフィスカジュアルや在宅勤務でも使える服装の訴求と相性がよいでしょう。
カルーセル広告の特徴である最大10点までの画像表示を活用し、さまざまなバリエーションの服の展開があることをユーザーに提示することが可能です。同じ服の色違いをカラフルに並べたり、着回し術を紹介したり、スワイプすることで情報を得て、もっと知りたいと思わせる見せ方にできると効果的です。
BtoBのサービスでありFacebookとの相性はよいものの、競合他社も数多く出稿しているため、サービス名だけを謳う広告を配信してもなかなかクリックしてもらえません。
サービス名だけで購入につながりにくいBtoBのサービスだからこそ、カルーセル広告を使ったストーリー仕立ての展開が効果的です。画像1枚ずつに人事労務担当者の悩みを列挙したり、このサービスならではの強みを記載したりすることで、ユーザーの共感や納得感を生み、受注可能性を高めましょう。
例2:Instagram×認知度アップ×写真広告
2つ目の例は、配信面をInstagram、目的を認知度アップ、フォーマットを写真広告とした場合です。
「認知度アップ」という目的のなかには、「店舗所在地の認知度」という項目があります。
各スクールの所在地を事前にFacebookビジネスマネージャーに登録してこの目的での配信を行えば、最寄りの店舗の所在地を表示したり、店舗の電話番号などの詳細情報を表示したりすることが可能になります。自宅から最寄りの、子どもに通わせやすいスクールを選ぶ保護者も多いと考えられるため、最寄り店舗の表示は効果的に働くでしょう。
また、認知促進と来店を目的とするため、必ずしもクリックさせるバナー画像である必要はありません。「この画面を見せれば○○%OFF!保存はこちら↓」などのバナーでその画像を持っての来店を促す仕組みも有効です。
Instagramのなかでも画面占有率の高いストーリーズ面にて、スマホ画面いっぱいにサイトのブランドイメージやキービジュアルを訴求しましょう。年齢や職業だけでなく、InstagramやFacebookの行動履歴に基づく「ファッション興味関心層」へのターゲティングができるため、より効率的にファッション感度の高いキャリアウーマンにリーチ可能です。
なお、「Instagramで見て気になった」というユーザーがGoogleやYahoo!で検索する可能性が高いため、検索数のアップやリスティング広告の獲得効率アップも見込めます。
BtoBサービスは管理職の多い40~50代のターゲティングが想定されがちですが、実際にサービスを利用して作業する現場は20~30代若手社会人中心というケースも多いです。たとえばInstagramで「管理部あるある」のマンガやイラストの広告を展開すれば、若手社会人の共感を集め、知名度向上が見込めるかもしれません。
40~50代の決裁者世代をFacebookで狙いつつ、20~30代の若手世代にInstagramで早期から接触していくことで、将来の顧客育成にもつながっていくでしょう。
Facebook広告で集客を成功させるコツ
ここまで、Facebook広告にはさまざまな種類があることや、「配信面×目的×フォーマット」のバリエーションは幅広く、企業やサービスの数だけ広告施策は想定できることを紹介していきました。
最後に、どんな企業やサービスにも共通する「集客成功のコツ」を紹介します。前章の3つの想定企業をもとに例も記載しますので、あなたのビジネスに近いパターンがあれば参考にしてみてくださいね。
最適なターゲティング設定を行う
Facebook広告は他SNS広告より詳細かつ高精度なターゲティングが可能です。せっかくFacebook広告を実施するのであれば、ざっくりした年齢や性別の指定だけでなく、もう一歩踏み込んだ粒度の細かいターゲットも狙ってみましょう。
…店舗の半径5㎞/既婚/子どもの年齢(幼児~小学校低学年の子どもがいる)など
キャリアウーマン向けアパレルECサイトの場合
…興味関心「買い物・ファッション」内「衣料品」/23歳~35歳/女性など
ローンチしたばかりの人事労務サービスの場合
…仕事カテゴリ「代表取締役、部長」など/40~50代/男性など
繁忙期の少し前から告知を始める
Facebook広告に限らず、Web広告は広告内容の審査に時間がかかったり、AIが機械学習し配信が最適化されるまでに期間があったりと、効果の出る配信となるまで少し時間がかかります。また、1日で何万回も一気に露出されるのではなく、配信費用を日割り換算した分の予算だけ、毎日均等なペースで少しずつ露出されます。
折り込みチラシや郵送DMなどのオフライン広告と同じスピード感で準備し配信すると、ベストな集客タイミングに効果的な配信が間に合わないという可能性があるため、ハイシーズンの1ヶ月~半月前くらいには配信を開始し、オフライン広告よりは長期的なスパンで効果を見ていきましょう。
…新学期前の1~3月/夏期短期教室前の6~7月など
キャリアウーマン向けアパレルECサイトの場合
…年末年始前の11月/シーズンの変わり目/セール前など
ローンチしたばかりの人事労務サービスの場合
…一般的な決算時期(3月)を控えた12~2月など
クーポンや特典をつける
シンプルな商品・サービスの訴求でも何度もユーザーに表示されることによる認知促進効果はありますが、「集客を成功させる」「成果獲得につなげる」という観点では、クーポンや特典といった材料があると、アクションの後押しになるでしょう。
また、広告を見た人限定のクーポンや特典があることによって、そのクーポン利用数を数えれば簡単に広告効果を測ることが可能です。Webの数値だけでは効果を判断しにくいリアル店舗での集客で特に有効でしょう。
…「この画面を見せれば30%OFF」など
キャリアウーマン向けアパレルECサイトの場合
…「このバナーから新規会員登録すれば、サイト内で使えるクーポンプレゼント」など
ローンチしたばかりの人事労務サービスの場合
…「プロが教える人事業務効率化のコツ」セミナー参加無料など
Facebook広告単体ではなく全体効果を確認する
Facebook広告は表示回数、クリック数、クリック単価、成果数などの数値が管理画面上ではっきり見えるからこそ、広告効果が芳しくないときは「こんなに配信されているのに!」と不安になることもあるかもしれません。
しかし、Facebook広告の効果は管理画面上の数値のみに表れるものではありません。広告経由以外も含めたページ流入や実来店、成約など…さまざまな数値の元をたどればFacebook広告が起点だった、ということも往々にしてあります。
これらの数値を完全にもれなく計測することは難しいかもしれませんが、簡単な方法として、「Facebook広告を実施した月/していない月」「Facebook広告を実施した今年/前年」のように、全体数値を比較してみましょう。効果がないと思っていても、意外な数値が伸長しているかもしれませんよ。
また、Facebook広告では「エンゲージメント」と呼ばれる「いいね!」や「投稿の保存」などのアクション数も可視化されます。クリック数や成果数以外で、ユーザーのリアルな反応を見ることができる項目であるため、評価指標として加えてみてもよいでしょう。
…店舗でのクーポン利用率/来店数/売上金額など
キャリアウーマン向けアパレルECサイトの場合
…検索数/「いいね!」数/保存数/リスティング広告成果単価など
ローンチしたばかりの人事労務サービスの場合
…商談数/資料ダウンロード数/セミナー参加数/受注数/受注率など
まとめ
今回はFacebook広告の種類を中心に、広告の組み立て方やコツを紹介しました。
【配信面】
Facebook/Instagram/Messenger/Audience Network
【広告の目的】
認知度アップ/トラフィック/エンゲージメント/リード/アプリの宣伝/売上
【フォーマット】
写真広告/動画広告/カルーセル広告/コレクション広告
適切な種類をピックアップし組み合わせることで、Facebook広告はポテンシャルを発揮することでしょう。
なお、ここで紹介した例はほんの一部であり、企業やマーケターによって、プロモーションの方針によって、「正解」は異なります。自社にとって最適な種類の組み合わせはどんなものなのか、悩んだ際はバリューエージェントにぜひご相談くださいませ。