Facebook広告のABテスト|効果的な検証と設定方法について

Facebook広告のABテスト|効果的な検証と設定方法について

ABテストとは、広告を構成する画像や見出し、コピーなどを複数用意して、どのパターンが最も広告として高い効果が得られるのかを検証する方法です。

これを繰り返すことにより、広告の最適化を進め、より良い結果を得ることに繋がります。

この記事ではFacebook広告におけるABテストについて、実施の意義やテストの進め方をご紹介します。

Facebook広告でABテストを行う意義

Facebook広告におけるABテストでは、ターゲット(年齢、性別など)やクリエイティブなど、比較したい変数を用意して、オリジナルと並行して広告を配信することで、どちらのパターンがより広告としての効果が高いのかを検証する機能です。

Facebook広告のABテストでは、最も効果の高い検証方法を発見し、その後の広告効果改善に役立てることができます。

効果の高いクリエイティブやオーディエンスを闇雲に探すよりも、効率的に改善を進められるので、Facebook広告を活用している場合ぜひ使いたい機能です。

参考:Meta ABテストについて

Facebook広告で使えるABテストツールについて

Facebook広告には管理画面上の機能としてABテストが用意されており、特別な知識がなくても簡単にABテストを実施できます。

一方で、管理画面上のABテスト機能は簡易的で、使いたい機能が用意されていないことがあります。

その場合、外部のツールを活用してより本格的なABテストを行うことも可能です。

Facebook広告管理画面のABテスト機能

Faebook管理画面上のABテスト機能でできることをご紹介します。

このテストでは、一部が異なる広告セットを用意し、それぞれの配信状況を比較できます。

変数として使用できるのは、クリエイティブ、オーディエンス、広告の最適化方法、広告の表示位置、の4種類です。

二つの配信条件を比較したい場合、単純に広告セットを二つ用意して広告配信を行えば検証ができそうな気がしますが、Facebook広告の特性上それは難しいと言えます。

例えば「クリック最適化」と「コンバージョン最適化」二つの最適化方法のどちらが多くのCVを獲得できるのか確認したい場合、ABテスト機能を使わずに2つの広告セットを走らせると、全く同じオーディエンスに対して広告を配信することになるため、両方のセットがそれぞれでオーディエンスを取り合う形になってしまい、正常な配信ができなくなります。

ABテスト機能を使うことで同じオーディエンスを等しく分ける形で配信を行うため、一つの広告セットに配信がよってしまうなどの問題を防ぐことができます。

クリエイティブ、オーディエンス、広告の最適化方法、または広告の表示位置についての比較検証を行いたい場合は、Facebook管理画面のABテスト機能を活用しましょう。

外部のABテスト検証ツール

Facebook管理画面上のABテストツールで使用できない機能として、ヒートマップがあります。

ヒートマップとはサイトやランディングページについて「どの部分でユーザーが手を止めてじっくり読んでいるのか」または「ほとんど時間をかけずに読み飛ばされているのか」をカラーでわかりやすく教えてくれる機能のことで、ユーザーがどんな情報に注目しているのか、逆にどこで離脱しているのかなど、ユーザーからの見え方を理解するのに役に立つ機能です。

ヒートマップ表示例

参考:Sitest

広告の場合、ランディングページの改善の際にヒートマップが役立ちます。

例えば購入ページへ遷移するボタンは、離脱する前にユーザーの目に入らないと遷移してもらえる可能性はなくなります。

ヒートマップを使ってランディングページのどのあたりでユーザーが離脱しているのかがわかれば、それよりも上に購入ページへ遷移するボタンを用意するべきでしょう。

また、商品の機能について詳細情報を記載している箇所が読み飛ばされていることがわかれば、よりユーザーの興味を引きやすいように画像を入れた説明に変更したほうが良いのか、はたまた使用しているところを動画にして挿入した方が良いのかなど、改善案の検討に繋がります。

Facebook広告管理画面にはヒートマップの機能は導入されていないため、ヒートマップを使いたい場合は別途外部ツールを使う必要があります。

ABテストの準備をしよう

テスト開始前に、変えることで広告状況を改善できるかもしれない変数を用意し、検証の仮説を立てます。例えば下記のようなイメージです。

検証1)結婚相談所のディスプレイ広告の場合

バナーのCTRが低く、現状約1%となっている。ピンクを基準とした可愛らしいイメージのバナーを使っていたが、ターゲットの年齢層(20代後半〜30代の女性)にはより大人向けのデザインのほうが好まれるのではと想定している。

バナー画像のデザインをシックに変更したものを用意し、既存の画像とどちらのバナーの方が効果的かテストを行う。

  • コンバージョン地点:初回カウンセリング申し込み
  • 目標コンバージョン単価:6,000円
検証2)ヨガスクールのディスプレイ広告の場合

広告のクリック率が直近下落している。フリークエンシーが上昇していることも確認されており、ターゲットとしているユーザーが飽和して新規ユーザーにリーチしにくくなっていることが予測される。

現在ターゲットとしている地域からターゲットとする地域を広げて隣町までリーチさせることで、CTRの改善が可能か検証を行う。

  • コンバージョン地点:無料体験レッスン申し込み
  • 目標コンバージョン単価:3,000円

仮説を立てる

あらかじめ立てた仮説がないと、検証が終わった際に結果の良し悪しが判断しにくいため、事前にテストを行った場合にどんな結果が出るのかを予測します。

上の事例の場合、下記の仮説の下でテストを開始することとなります。

検証1)結婚相談所のディスプレイ広告の場合の仮説

新しく作成したシックなデザインのバナーの方が、既存のバナーよりも高いCTRを出せる。

結果としてコンバージョン数が上がり、CPAも安くなる。

検証2)ヨガスクールのディスプレイ広告の場合の仮説

ターゲットとの居住地域を拡大することで、今まで広告が当たらなかった新規ユーザーに対してリーチすることに繋がり、広告に飽きていない新規ユーザーを発掘することでCTRが上昇、結果としてコンバージョン数が上がり、CPAも安くなる。

この仮説に基づいて検証を行い、この通りの成果が現れたら仮説が間違っていないことがわかるので、クリエイティブやLPを新しいパターンに差し替えます。

結果としてCTRやCVRが下がることになった場合、この仮説は間違っていたと結論づけ、また別の仮説をたてて再検証する必要があります。

十分なオーディエンスを用意

Facebook広告のABテストで検証する場合、オリジナルパターンと検証パターンそれぞれに対して広告を配信するため、オーディエンスを二等分してそれぞれに対して広告を配信する形をとります。

そのためオーディエンスが十分でないとテストができない、または正確な結果が出ないことがあるので注意が必要です。

既存のユーザーのみに対して再訪の訴求を行う場合など、オーディエンスが確保できない場合は、ブロード配信のセットで検証するなど、十分なオーディエンスを確保できる広告キャンペーンで検証に臨みましょう。

また、ABテストと並行して実施している広告キャンペーンに検証用セットで当てているオーディエンスと同じものを使用すると、オーディエンスが重複してうまく配信が進まなくなることが懸念されます。

そのため他のセットでは使用していないオーディエンスを設定してテストする必要があります。

テスト期間の設定、予算の設定

Facebook広告は自動化が進んでおり、配信を継続して行うことで最適化をかけ、安定して獲得ができるようになります。

そのため検証期間が1日、など極端に短い場合、最適化がかかる前に検証が終わってしまい、正確な結果を得られないことが考えられます。

広告マネージャー上でABテストをする場合、期間は1日~30日の間で指定することが可能ですが、MetaはABテストの実施期間として、7日間以上の期間を確保してテストを行うことを推奨しています。

また予算が不足している場合も配信が不自然に抑制されてしまい、十分な検証が行えないことが考えられます。

Facebook広告の広告セットを最適化するためには1週間に最低50件のコンバージョンを得る必要があるとされているため、7日分の予算としては最低でも「目標広告単価 x 50件」分の予算を確保することが望ましいです。

検証1、2の場合の予算を算出してみると下記のようになります。

【検証1)結婚相談所のディスプレイ広告】の場合

  • 50件(週間目標CV件数)x 6,000円(目標CPA)= 300,000円 (週間予算)
  • 300,000円 (週間予算)÷ 7日間 = 約43,000円(日予算)
【検証2)ヨガスクールのディスプレイ広告】の場合

  • 50件(週間目標CV件数)x 3,000円(目標CPA)= 150,000円 (週間予算)
  • 150,000円 (週間予算)÷ 7日間 = 約21,500円(日予算)

参考:Meta A/Bテストのベストプラクティス

参考:情報収集期間に関するガイド

クリエイティブ準備(クリエイティブテストの場合のみ)

わかりやすく検証を行うため、検証に使う素材には明確な違いを持たせる必要があります。違いが曖昧になったりわかりにくいと結果にも違いが出にくくなり、正確に検証が行えなくなります。

▼わかりやすい違い

  • 煽り文言あり VS 煽り文言なし
  • 文字色赤 VS 青
  • 基調とする色暖色 VS 基調とする色寒色

管理画面上のABテスト機能の活用方法

Facebookの広告管理画面上でABテストを行う手順をご紹介します。

検証可能な項目

管理画面上でABテストが行える項目は下記となります。

  • クリエイティブ
  • オーディエンス
  • 最適化方法
  • 広告の表示位置など

ABテストの設定方法

ABテストをするオリジナルの広告、または広告セットを選択して、「A/Bテスト」のボタンをタップし、開いたポップアップ右下の「スタート」のボタンをタップします。

ABテストの設定方法 【検証1)結婚相談所のディスプレイ広告の場合】

クリエイティブを変数として、検証を行います。

対象となるクリエイティブを指定します。比較対象のクリエイティブを作成する場合は「この広告のコピーを作成する」を選択します。

既に作成済みの場合は「他の既存広告から選ぶ」を選択し、そのクリエイティブを指定します。

A/Bテストを作成 画面表示例

検証する際に変更する変数を選択します。「クリエイティブ」を選択し、次へをクリックします。

A/Bテストを作成 画面表示例

最後にテスト名、効果の良し悪しを判断するための指標、掲載期間を指定して「広告セットを複製」をクリックし、テストを開始します。

A/Bテストを作成 画面表示例
【検証2)ヨガスクールのディスプレイ広告の場合】

オーディエンスを変数として、検証を行います。

対象となる広告セットを指定します。比較対象の広告セットを作成する場合は「この広告のコピーを作成する」を選択します。

既に作成済みの場合は「他の既存広告から選ぶ」を選択し、比較対象となる広告セットを指定します。

A/Bテストを作成 画面表示例

検証する際に変更する変数を選択します。

「オーディエンス」を選択し、コピーしたい広告セットを選択します。次へをクリックします。

A/Bテストを作成 画面表示例

最後にテスト名、効果の良し悪しを判断するための指標、掲載期間を指定して「広告セットを複製」をクリックし、テストを開始します。

A/Bテストを作成 画面表示例 A/Bテストを作成 画面表示例

結果の確認方法

テストを行う戦略ごとに100件以上のイベントが計測されると、Facebook広告の管理画面上で結果の確認ができるようになります。

結果を確認する際は、ビジネスマネージャーの右上3本線>テストで確認が可能です。

ビジネスホーム 表示例

参考:A/Bテストの結果を表示し、理解する

まとめ

Facebook広告におけるABテストの意義、広告状況改善のためのテストの例、実際にテストを設定する方法についてご紹介しました。

Facebook広告は配信しているだけで特に手を入れない場合、現状維持どころかその効果は右方さがりとなります。

他の広告主と広告枠を取り合う性質上、日々より高い成果を出せるクリエイティブを作成し、最も効率よくコンバージョンを得られるターゲットを模索する必要があります。

Facebookの広告管理画面に備えられているABテストツールは視覚的にコントロールできて手軽に取り組めるので、改善のための一施策としてぜひ活用したい機能です。

この機会にぜひ導入を検討してみてください。

関連するバリューエージェントのサービス

関連記事

お電話での
ご相談・お問い合わせ

電話アイコン電話する

電話アイコン06-4805-7778

平日 9:00〜18:00

相談アイコン

無料相談をする