Facebook広告でコンバージョン(CV)計測をする方法|コンバージョンAPIとピクセルの違いも
Facebook広告では、長らくFacebookピクセルの仕組みを使ってコンバージョン計測を行ってきました。
2021年頃からコンバージョンAPIと呼ばれる計測の仕組みも導入され、2022年現在ではこの2つの仕組みのいずれかを利用、または両方を併用する形で計測できる状況となっています。
この記事ではそれぞれの計測の仕方の違いや、推奨される広告計測の形について紹介します。
目次
FacebookでCV計測をする方法
Facebookピクセルによる計測と、コンバージョンAPIによる計測の違いは下記表をご覧ください。
Facebookピクセルによる計測 | コンバージョンAPIによる計測 | |
---|---|---|
データ収集元 | ユーザー | サーバー |
使用できるイベント | ターゲット設定 最適化 ウェブイベント及びポストコンバージョン | ターゲット設定 最適化 ウェブイベント及びポストコンバージョン |
実装方法 | イベントマネージャー タグマネージャー | 自社開発 プラットフォームの活用 (タグマネージャー) |
使用するメリット | 実装工数が少ない | ピクセルよりも正確な計測が望める ピクセルと並行利用可能 |
活用するデメリット | コンバージョンAPIと比較して精度が劣る | 実装するまでに工数がかかる |
Facebookピクセルによる計測とコンバージョンAPIによる計測の最大の違いは、データの取得元の違いです。
Facebookピクセルでは、ユーザーの行動についての情報をブラウザからFacebook広告側に送ります。
一方コンバージョンAPIでは、ユーザーの行動についての情報をサイト側のサーバーから、直接Facebookのサーバーに送ります。
2022年4月に個人情報保護法の改正が行われたこともあり、個人情報保護の観点から近年Cookieの規制が厳しくなっています。
それによりFacebookピクセルによる計測の精度は年々下がってきており、広告計測の精度が悪化することを懸念したFacebookがコンバージョンAPIの仕組みを作ってサーバーから直接情報を受け渡すことで広告配信の精度を維持しようと試みています。
Facebookピクセルを利用して推定CV数を計測する
Facebookピクセルを活用したFacebook広告における広告計測についてご紹介します。
Facebookピクセルとは
Facebookピクセルは、Facebook広告計測の仕組みとして長らく使われてきた手法です。
Cookieの仕組みを活用してユーザーの行動情報を記録し、そのユーザーがコンバージョンに至ったかどうかをはじめとする情報をFacebook広告側が取得することでコンバージョンを確認したり、広告の最適化を進めたりします。
Facebookピクセルを使用するメリット
Facebookピクセルを活用する最大のメリットとして「計測周りの設定が簡単に行えること」が挙げられます。
Facebookのイベントマネージャーを使用することで、システムの知見がない広告運用担当者でも簡単にタグの設定、除去が可能です。
マーケティング担当者が直接タグを管理できるので状況に応じてコンバージョンの条件を変更したりする対応をシステムのリソースを割かずともスムーズに行えるので、非常に便利な仕組みです。
CVピクセルを使用するデメリット
プライバシー保護の観点から近年Cookieの規制が進んでおり、Cookieの仕組みを使って計測を行っていたFacebookピクセルは、計測精度が大きく悪化するなど影響を受けています。
具体的には、ブラウザ、OS側がCookieの追跡を拒否できるようになったため、今まで問題なく取得できていたユーザーの行動にまつわる情報が取得できなくなり、広告コンバージョンの計測ができなくなる、といった事象が発生するようになりました。
現状Facebookピクセルのみを使用すると欠ける情報が大きく、以前のように高い精度で計測を行うことが困難になっています。
コンバージョンAPIを利用してサーバーでCV数を計測する
コンバージョンAPIを活用したFacebook広告における広告計測についてご紹介します。
コンバージョンAPIとは
コンバージョンAPIはCAPIとも呼ばれ、広告主側のサーバーから、Facebookのサーバーに直接コンバージョンデータを送信する仕組みのことを指します。
ピクセルを使った計測と比較して情報が欠けることが少なく、精度の高い情報が届けられることで、広告計測の質を高く維持できるとされています。
コンバージョンAPIを使用するメリット
コンバージョンAPIを使った計測を導入する最大のメリットは「Cookieによる計測と比較してデータの欠けが少なく、ピクセルよりも精度の高い計測が行える」ことです。
管理画面上に返るコンバージョン数が欠けると「管理画面上のコンバージョン単価(CPA)は実際よりも高く表示されてしまい「本来であれば配信を伸ばしたいタイミングでCPAを抑えるために配信が抑制されてしまう」などの弊害が発生し、広告がうまく配信できなくなります。
そういった事象を防止するために、コンバージョンAPIが有効だとされています。
実際にコンバージョンAPIを導入して状況が改善した例についてご紹介します。
Facebookピクセルによる計測の精度悪化を懸念し、対策としてコンバージョンAPIの仕組みを導入し、Facebookピクセルによる計測と併用する形で広告の配信を行いました。
コンバージョンAPIとピクセルを併用したキャンペーンは、CV件数が16%増加、さらにCPAが14%削減されています。
既にFacebookピクセルが規制の影響を受け始めていることが実証される結果となりました。
広告配信の質向上を目的にコンバージョンAPIを導入した結果、Facebookピクセルのみを利用した場合と比べてコンバージョン数である無料会員登録数が8%アップしました。
さらに質の高いユーザーに対して広告の最適化をかけるため、無料会員登録の先の「月額課金を行ったユーザー」のデータを取得して最適化したところ、有料顧客の獲得数がコンバージョンAPI導入前に対して51%増加しました。
セルフエステスタジオを運営する会社では、コンバージョンAPIとMetaピクセルに加えて、追加の顧客情報パラメーターを活用することで、イベントのマッチングクオリティを高め、自社のキャンペーンパフォーマンスを改善することに成功しました。
追加の顧客情報とは、コンバージョンとは別に「カートへの追加」や「特定のページへアクセス」など、コンバージョンに繋がる可能性が高いユーザーの行動情報をFacebook側に共有することで、より精度の高い広告配信を目指す仕組みのことです。
APIを活用してデータを送ることで、精度が高く安全な情報共有が可能になります。
この会社ではコンバージョンAPIに加えて追加の顧客情報パラメータを導入したことにより、顧客獲得単価を45%低下させ、購入数を80%増加させることに成功しました。
参考:Body Archi Japan コンバージョンAPI、Metaピクセル、追加のパラメーターを活用してパフォーマンスを改善
コンバージョンAPIを使用するデメリット
コンバージョンAPIの実装にはエンジニアによる作業が必要となる場合が多く「Facebookピクセルの実装と比較して手間がかかる」ことが想定されます。
場合によっては連携可能なプラットフォームを使って設定ができる場合もありますが、サイトの作成のされ方によってどの方法が適切かが変わるため、日頃からサイトの管理を行っているエンジニアに確認の上、どの方法でコンバージョンAPIを実装するか検討する必要があります。
コンバージョンAPIを実装する方法は大きく分けて2つあります。
連携可能なプラットフォームを利用している場合はそちらを使って実装するのが便利ですが、統合パートナー以外を利用している場合や、自社サーバーを構築している場合などは手動で実装する形をとります。
Shopify、BigCommerce、WordPress、Wixなどのコマースプラットフォームが、コンバージョンAPIとの連携に対応しています。
これらの場合、いずれもコードを使わず、非エンジニアでもコンバージョンAPIの実装が可能です。
CV計測の設定方法
ここからはコンバージョン計測の設定方法についてご紹介します。
ピクセルとイベント
Facebookピクセルとは
Facebookピクセルはトラッキングコード、またはタグとも呼ばれることがあります。
ウェブサイトにFacebookピクセルを設置することで、広告がクリックされた後のページ閲覧や購入や登録といったイベント情報を取得できるようになります。
イベントとは
イベントとはWebサイトで発生する各種アクションを指し、標準イベントとカスタムイベントの2種類があります。
標準イベントとは、Facebook上であらかじめ指定されているイベントで、「コンバージョンの記録」「コンバージョンへの最適化」「オーディエンスの作成」に利用することが可能です。
「登録完了」「問い合わせ」「購入」など、一般的に成果地点として指定されるであろうイベントが用意されています。
カスタムイベントとは、標準イベントに用意されていない地点に設置できるイベントのことで、標準イベントと同じく「コンバージョンの記録」「コンバージョンへの最適化」「オーディエンスの作成」に利用できます。
「購入前の注文最終確認ページアクセス」など、標準イベントにないものでもイベントとして指定することができます。
標準イベントと違い、カスタムイベントについては、カスタムイベント=カスタムコンバージョンとFacebook広告管理画面で定義する必要があります。
イベントマネージャー>カスタムコンバージョン から設定が可能です。
ピクセルを設置する
ピクセルの設置方法についてご紹介します。
ここでは実際にFacebook広告ピクセルを導入する想定で例をあげ、例の場合を想定する形で説明します。
オンライン、または実店舗での注文数アップを目指してFacebook広告を導入する場合
Facebookピクセルを取得する
Facebook広告のイベントマネージャーを開き、左側の「+データソースをリンク」をタップします。
新しいデータソースをリンクする、の下からデータの送信元を選択し、「リンクする」をタップします。
ピクセル名に、ピクセルの名前を追加し、ウェブサイトのURLを入力して、「次へ」をクリックします。
これでピクセルの作成が完了しました。
続いてピクセルをWebサイトにインストールします。
インストールする方法は下記の3つから選択できます。
- ピクセルコードを手動でウェブサイトに追加する
- パートナー連携を使用する
- 手順をメールで送信する
サイトにFacebookピクセルをインストールする
いずれかの方法を選択して、サイトにピクセルをインストールしてください。
WordPressを使用している場合など、パートナー連携が可能な場合はノーコードで設定が可能ですが、そうでない場合はエンジニアにコード設置依頼をします。
イベントを作成する
ピクセルのインストールが完了したら、イベントを作成します。
手動でコードをインストールするか、クリックするだけで操作できる「イベント設定ツール」を使ってインストールします。
イベント設定ツールは視覚的にどこにイベントを設定するのかをクリックして指定するので、非エンジニアでも容易にインストールできます。
手動でコードをインストールする場合は、エンジニアへの設置依頼が必要です。
URL指定でイベントを作成する
標準イベントにはない「購入前の注文最終確認ページアクセス」をコンバージョンポイントとしたい場合、URLでそのページを指定してイベントを作成し、コンバージョンとして指定することができます。
イベントマネージャーから、「カスタムコンバージョン」を選択します。
詳細設定を行います。まず名前と、必要な場合は説明を入力します。
続いて「イベント」をタップし、「全てのURLトラフィック」を指定します。
「ルール・必須」の箇所で、URLの条件を指定します。
特定のページが決まっている場合は、「URLが次と等しい」を選択し、指定したいURLを入力します。
「作成」をタップし、設定完了です。
コンバージョンAPIの実装方法
コンバージョンAPIの実装には大きく2パターンの方法があります。
まず「Wix」や「WordPress」など、サイトがプラットフォームを利用して作られている場合はプラットフォームの仕組みを活用し、コードを触らずにコンバージョンAPIを実装することが可能です。
特にプラットフォームを使うことなく、自社サーバー上にサイトが構築されている場合は、基本的にエンジニアの手を入れて自社で開発することになります。
AWS(Amazon Web Service)のサーバーを契約されている場合などでは、コンバージョンAPIゲートウェイという仕組みを使うことでノーコードで実装することも可能ですが、実装者はある程度の技術的知識が求められるため、エンジニアに相談の上で実装することをおすすめします。
うまく計測ができていない場合
FacebookピクセルやコンバージョンAPIを使って計測が行えるよう準備をしたものの、うまく計測ができていないなど問題が発生する場合があります。
そもそもFacebook広告のコンバージョンは「推定値」であり、正値ではない
前提として、コンバージョン計測は推定値であり、絶対に漏れなく測定することはできないと考えた方が良いでしょう。
特にFacebookピクセルでの計測のみで運用している場合、Cookieの規制強化により、その計測精度は年々悪くなっていると考えられます。
コンバージョン計測を導入し、重複除外設定を行ってピクセルと併用する形で計測することで計測精度の向上が見込めるので、精度に問題があると感じる場合は最低限コンバージョンAPIの実装を行いましょう。
ピクセルの設定に問題がないか確認する
Facebookピクセルの計測に問題がでている場合、実装がうまくいっていないことが考えられます。
イベントのテストツールを使用して実装状態を確認しましょう。
またChromeを使用している場合、開発者ツールを使用して実装状態を確認することも可能です。
広告管理画面上の設定に問題がないか確認する
ここまでご紹介した通り、Facebook広告のコンバージョン計測には、Facebook管理画面上で諸々設定を行う必要があります。
当然ですが、設定にミスがあるとうまく計測を行うことができません。
- カスタムイベントを設定したが、カスタムコンバージョンとしてコンバージョン設定するのが漏れていた
- URL指定でカスタムコンバージョンを作成したが、指定したURLが間違っていた
など、単純なミスでも計測は当然できなくなるため、設定完了後は今一度全ての設定内容を確認し、設定漏れやミスがないかを確認しましょう。
まとめ
Facebook広告のコンバージョン計測についてご紹介しました。
インターネット上のプライバシー保護が重視される時代になり、Cookie計測が大きく制限される「Cookieレス時代」に突入しています。
10年前であれば何の問題もなく計測できていた情報の取得精度が落ち、広告運用者には厳しい状況が今後も続くことが想定されます。
Facebook広告を運用される場合はなるべく早い段階でコンバージョンAPIの導入を進め、広告計測の精度を可能な限り高く維持できるように対応されることをおすすめします。