効果的なお問合せフォームの作り方!離脱率を劇減させる項目例と実践テクニック

効果的なお問合せフォームの作り方!コンバージョン数を増やすポイント

「ウェブサイトにアクセスはあるのに、なぜか問い合わせや購入に繋がらない」。多くのウェブサイト運営担当者が抱えるこの深刻な課題は、多くの場合、ウェブサイトの最終関門である「入力フォーム」に原因があります。

業界の統計によれば、フォーム入力中に約70%ものユーザーが離脱しているという衝撃的な事実があります。これは、広告やSEOで苦労して集めた見込み客の7割を、みすみす逃していることを意味します。この甚大な機会損失を解決する鍵が、EFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)です。

EFOは、数あるウェブサイト改善施策の中でも、最も費用対効果(ROI)が高く、直接的にビジネス成果を向上させる施策の一つです。本記事では、ユーザーがフォームを離脱する根本原因の分析から、具体的な改善テクニック、すぐに使える項目例まで、網羅的に解説します。

なぜユーザーは入力フォームで離脱するのか?

ユーザーがフォーム入力を諦めてしまう背景には、大きく分けて3種類の心理的ストレスが存在します。自社のフォームがどのストレスを与えているかを理解することが、改善の第一歩です。

入力の手間や面倒さ(物理的・認知的ストレス)

入力項目が多すぎる、スマートフォンの小さな画面で操作しにくいUI、複雑な選択肢などは、ユーザーの認知的な負荷(コグニティブ・ロード)と操作コストを増大させます。特にモバイルユーザーはデスクトップユーザーに比べて離脱率が約23%高いというデータもあり、わずかな手間が「面倒だからやめよう」という判断に直結します。

エラー表示による不満(機能的ストレス)

全ての項目を入力し、送信ボタンを押した後に「エラーがあります」と表示され、入力画面に突き返される体験は、ユーザーにとって大きな不満となります。特に「全角・半角の指定」といった些細なミスで入力をやり直しさせられることは、モチベーションを著しく低下させます。

個人情報提供への不安(心理的ストレス)

「入力した個人情報はどのように使われるのか」「しつこい営業電話がかかってくるのではないか」「情報が漏洩しないか」といった不安は、ユーザーが送信ボタンを押す最後の障壁となります。安心感がなければ、ユーザーは個人情報の提供をためらいます。

最も効果的な改善策:入力項目の最適化

数あるEFO施策の中で、最も即効性があり効果的なのが「入力項目数を減らすこと」です。ある調査では、ECサイトの決済フォームの項目数を11から7に削減するだけで、離脱率が27%も改善したというデータがあります。

ただし、単に項目を減らせば良いわけではありません。ビジネスに必要な情報を確保しつつ、ユーザーの負担を最小限に抑える「戦略的な削減」が求められます。

BtoB(法人向け)フォームの項目例

BtoBフォームでは、マーケティング部門が求めるリードの「量」と、営業部門が求めるリードの「質」のバランスを取る必要があります。最適な項目数は5〜7項目が目安とされています。

BtoBフォームの項目スリム化 (BeforeAfter)

BtoBフォームの推奨項目と削除候補

推奨される項目削除を検討すべき項目
会社名
(最適化:企業情報APIによる入力補助が有効)
FAX番号
(理由:現代のビジネスにおいて初回連絡で使われることはほぼない)
氏名
(最適化:「姓」「名」で分割せず、クリック数を減らす)
住所(番地まで)
(理由:資料郵送など明確な目的がなければ初回ヒアリングで十分)
メールアドレス
(最適化:リアルタイム検証を導入し、確認用入力欄は廃止)
役職・部署名
(理由:名刺交換やその後のやり取りで確認可能。初回フォームで強制すると、正確な部署名が分からず入力の障壁になりやすい)
電話番号
(最適化:インサイドセールスが即時架電するなら必須。メール中心なら任意に)
確認用メールアドレス
(理由:コピー&ペーストされるだけで意味がなく、入力の手間を倍増させる)
お問い合わせ内容
(最適化:自由記述と選択式を併用し、ユーザーの負担軽減と、社内担当部署への自動振り分けを効率化)

補足:リードの質を担保する「戦略的フリクション」

あえて入力項目を増やすことで、情報収集目的のユーザーや質の低いリードをフィルタリングする「戦略的フリクション」という考え方もあります。

例えば「導入予定時期」や「予算感」といった項目を追加すると、CVR自体は低下する可能性がありますが、本気度の高い見込み客に絞り込めるため、営業チームの商談化率や成約率は向上します。全体のKPIに応じて項目を戦略的に調整することが重要です。

BtoC/ECサイトのフォーム項目例

衝動や感情が購買を大きく左右するBtoC領域では、わずかな入力ストレスが即座に離脱に繋がります。

特にECサイトにおいては、「ゲスト購入」の選択肢を用意することが絶対条件です。調査によると、実に19%のユーザーが「アカウントを作りたくない」という理由だけで購入を放棄しています。

スマートフォンECサイトのゲスト購入

BtoCの購入フォームは、取引の完了に直接関係のない項目を徹底的に削ぎ落とすべきです。

  • 氏名・電話番号
  • 配送先住所
  • 郵便番号を入力すれば住所が自動で補完される機能は必須です。
  • 決済情報
  • クレジットカード番号からカード会社(VISA、 MasterCardなど)を自動で判別し、ユーザーに選択させる手間を省きましょう。

「性別」や「年齢」、「どこで当店を知りましたか?」といったアンケート項目は、購入という目的と直接関係がないため、初期フォームからは削除し、購入完了後の画面などで任意回答を促すのが得策です。

資料ダウンロード・セミナー申込フォームの項目例

ホワイトペーパーなどの無料コンテンツを提供するフォームでは、ユーザーが提供する「個人情報」が対価となります。

資料ダウンロードフォームの黄金律は「項目数を3つに絞る」ことです。例えば、「氏名」「会社名」「メールアドレス」だけで十分です。これ以上の情報を求めると、コンテンツの魅力が入力の手間を上回らず、ダウンロード率が著しく低下します。

セミナー申込の場合は、参加票の送付などの目的があるため、もう少し多くの項目が許容されます。推奨される項目は「氏名」「会社名」「メールアドレス」「部署・役職」です。

入力完了率を劇的に上げるEFOテクニック

項目数を最適化した後は、「入力体験」そのものを向上させる技術的・UI/UXデザイン的な施策に取り組みます。

入力支援機能で手間を省く

ユーザーの操作を減らし、入力を楽にする機能は完了率に直結します。

  • 住所自動入力 郵便番号を入力すると、都道府県から町名までが自動的に入力される機能です。これにより、住所入力の手間を約60%削減できます。
  • フリガナ自動入力 漢字の氏名を入力した際に、その入力情報からフリガナ欄を自動で埋める仕組みです。ユーザーが同じ内容を二度入力する手間をなくします。
  • キーボードの最適化 HTMLのinput type属性を適切に設定し、スマートフォンでフォームを開いた際に最適なキーボードを表示させます。例えば、電話番号欄では「数字キーパッド」、メールアドレス欄では「@」が入力しやすいキーボードを自動で表示させます。

エラーのストレスをなくす

ユーザーにとって最悪の体験は、送信ボタンを押した後にエラーで突き返されることです。このストレスをなくすための施策は必須です。

  • リアルタイム・バリデーション:ユーザーがある項目の入力を終えた瞬間に、入力内容が正しいかを即座に判定しフィードバックを返す仕組みです。エラーがあればその場で優しく指摘することで、手戻りを防ぎます。
  • 具体的で親切なエラーメッセージ:単に「不正な入力です」と表示するのではなく、「メールアドレスには「@」を含めてください」のように、ユーザーが次に何をすべきか具体的に示します。
  • リセットボタンの撤廃:送信ボタンの隣にある「リセット(クリア)」ボタンは、誤って押してしまい、入力内容が全て消える事故を招くだけです。今すぐ撤廃しましょう。
リアルタイム・バリデーション (入力チェック)

フォームの構成とデザインを工夫する

フォーム全体の見た目や流れも、ユーザーのモチベーションに影響します。

  • ステップフォーム:入力項目が多い場合、フォームを「ステップ1:基本情報」「ステップ2:詳細情報」のように複数ページに分割する手法です。一度に表示される項目が減り、ユーザーの心理的圧迫感を軽減します。
  • プログレスバーの表示:ステップフォームと合わせて「あとどれくらいで完了するか」を示す進捗バーを表示すると、「エンダウド・プログレス効果(目標達成が近いと感じるとモチベーションが上がる心理効果)」が働き、完了率が高まります。
  • トンネル化:フォームのページでは、ヘッダーやサイドバーといったサイト内ナビゲーションを非表示にし、ユーザーが入力に集中できる環境を作ります。これにより、他のページへの目移りを防ぎ、離脱を抑制します。
ステップフォームとプログレスバー

CTAボタンで最後の一押しを

送信ボタンに記載される文言(マイクロコピー)は、クリック率に大きく影響します。

無機質な「送信」ではなく、ボタンを押すことでユーザーが得られるメリットを具体的に示す文言に変更しましょう。

  • 「送信」→「無料で資料を受け取る」
  • 「登録」→「今すぐ席を確保する」

また、ボタンの色やサイズは、ページ内の他の要素から際立たせ、ユーザーが迷わずクリックできるようデザインすることが重要です。

CTAボタンの改善 (マイクロコピー)

安心感を与え、心理的な障壁を取り除く

ユーザーは個人情報を入力する際、常にセキュリティへの不安を感じています。この心理的な障壁を取り除くことで、安心して送信ボタンを押してもらうことができます。

  • SSL(https)化:フォームページのURLが「https」で始まっていることは必須条件です。暗号化されていないページにはブラウザが警告を表示するため、ユーザーは入力をためらいます。
  • プライバシーポリシー:個人情報保護方針へのリンクを送信ボタンの近くに配置しましょう。その際、リンクが新しいタブで開くように設定することで、入力中のフォームからユーザーが離脱してしまうのを防ぎます。
  • スパム対策:歪んだ文字を読ませるような古い画像認証は、ユーザーに大きなストレスを与えます。GoogleのreCAPTCHA v3は、ユーザーの操作を妨げることなくバックグラウンドでスパムを判定するため、ユーザビリティを損なわずにセキュリティを確保できます。
  • 送信後の流れを明記:送信ボタンの近くに「原則24時間以内に担当者よりご連絡します」といった一文を添えることで、「送信しても無視されないか」というユーザーの不安を解消し、期待値をコントロールします。

改善を継続するための効果測定

EFOは一度実施して終わりではありません。データに基づいて改善を繰り返す継続的なプロセスです。Google AnalyticsやMicrosoft Clarityのようなヒートマップツールを活用し、以下の主要指標を定点観測することで、課題を的確に診断できます。

  • フォーム到達率:全セッションのうち、何%がフォームまで来たか(サイト内導線の問題)。
  • 入力開始率:フォームに来たが、1文字も打たずに帰った人の割合(ファーストビューや項目数の見た目の問題)。
  • フォーム完了率:フォームに来た人のうち、何%が完了したか(フォーム自体の問題)。

まとめ:今すぐできる改善チェックリスト

問い合わせフォームは、マーケティング投資の果実を収穫する最後のバスケットです。ここに穴が空いていれば、どれほど広告費をかけて集客しても意味がありません。

最後に、自社のフォームをすぐに点検できるチェックリストをまとめました。

項目設計

  • [ ] 必須項目は、問い合わせ対応に絶対必要な最小限に絞られているか?
  • [ ] 各入力欄には、ユーザーが迷わないための入力例が分かりやすく表示されているか?

UI/UX

  • [ ] スマートフォンで入力しやすいか?(キーボードは最適化されているか?)
  • [ ] エラーは入力中にリアルタイムで、かつ分かりやすい言葉で表示されるか?

CTAと信頼性

  • [ ] 送信ボタンの文言は、ユーザーの行動を促す具体的なものになっているか?
  • [ ] フォームはSSL化されているか?送信後の流れは明記されているか?

ぜひ今すぐ、ご自身のスマートフォンで自社の問い合わせフォームを開き、ユーザーの視点で入力してみてください。「面倒だ」と感じる箇所があれば、そこが改善の第一歩です。

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