Webマーケティングに活かせる心理学4選を徹底解説!
目次
Webマーケティング心理学とは?
「マーケティングとは?」と聞いて、思い浮かぶフレーズに個人差があるのではないでしょうか?
例えば、
- 売れる仕組みづくり
- 販売を不要にする取組
など、広義な言葉であるがゆえに人によって、捉え方は様々です。
広義な意味を持つフレーズを解釈するのに「現代の経営学」、もしくは「マネジメント」という分野を体系化したピーター・ドラッカー氏の言葉を借りて表現するなら「顧客の創造」でしょう。
自分でさえも気づいていない欲や悩みを言語化し、適切な言葉を用いて気づきを与える。
そして、欲求が顕在化してきた時に製品をストレスなく購買出来るように支援し、顧客の数を増やしていく。
その一連の取り組みをWeb上で行うことを本記事では「Webマーケティング」と定義します。
消費者が購買活動をする過程において肝になる「感情」を紐解くため、Webマーケティングに心理学を活用する術をお伝えします。
Webマーケティングで心理学が注目されるわけ
Webマーケティングで心理学が注目を集めるようになった背景について、1990年代後半から急速に普及し、現在ではなくてはならなくなったインターネット。
誰もが、いつでもどこでも好きな時に情報を入手出来るようになった昨今で、顧客を理解することは必要不可欠といえるでしょう。
昨今では購買活動をする前に多くの消費者は、インターネットを用いて情報収集することがわかっています。
例えば、
- 口コミサイト
- Yahoo!リアルタイム検索
情報収集する過程で、ポジティブな情報もネガティブな情報も収集し、総合的に判断し購買活動へと移行します。
それらの情報に消費者が触れることにより心理状態は変化します。
そのため、Webマーケティングに心理学の要素を用いて進めることへの注目は集まり、今後ますます重要になってくることでしょう。
今からでも使える!Webマーケティング心理学4選
ザイオンス効果
ザイオンス効果とは、繰り返し接することで好感度や印象が高まるという効果です。
ルーツは1968年まで遡り、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンス氏の論文によって知られるようになりました。
Webマーケティング心理学におけるザイオンス効果とは、繰り返し接することで好感度や印象を高めるという効果です。
「ザイオンス効果」が発揮される場面は、YouTube動画広告、Facebook動画広告やInstagram動画広告を認知目的で活用する場合が想定されます。
Webマーケティングを展開していく過程において、Web運用型広告では、1ユーザーに対して一定期間で何度接点を築くのかというフリークエンシーキャンプといった考え方があります。
すなわち、Webマーケティングを推進していく過程においては、フリークエンシーキャップを増やしていく取り組みによって得られる効果といえるでしょう。
フリークエンシーキャップが増えることで、記憶に残りやすくなる傾向があり、思い出してもらいやすくなります。
▼YouTubeなどを経由し動画を閲覧し、印象が強くなった事例として、クレジットカード入会を促す目的で制作されたであろう「楽天カードマン」の例
こういったコマーシャルを何度も視聴することで調べてみたり、実際に使ってみたという人は、多いのではないでしょうか?
アンカリング効果
アンカリング効果とは、最初に受け取った印象に残る情報が、その後の意思決定に影響を及ぼすといった効果です。
Webマーケティング心理学において「アンカリング効果」が発揮されるシーンは、化粧品・趣味・嗜好品をはじめとする消費財でよく使われます。
Webサイトや広告で「期間限定!●●日まで半額セール実施中」との情報を受け取った場合、そのメーカーやブランドの製品購入を検討した際に、セール実施中との情報を受け取った際に知った金額がその後の意思決定に影響するという効果です。
例えば、家電量販店店頭やオンラインストアでの価格表示にもよく使われます。
メーカー希望価格と並べるようなかたちで店頭販売価格を提示し、お得さを打ち出したり年末や年度末セールスとポップアップを用いて訴求し、期間限定でお得であることを伝えるといった例があります。
金額が決して安くない買い物をする時ほどセールなどを使ったことがある方は多いのではないでしょうか?
ファッションサイトでは在庫処分や、クリスマスシーズンをはじめ、春夏シーズン・秋冬シーズン、衣替えの時期に合わせて活用されることがあります。
少し前に流行ったアイテムが時間をあけて見てみたら安くなっていた、ほしいと思っていたアイテムが在庫処分セールで安くなっていたなど、購入後に「想定よりも意外と安かった」との感想を思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もし、思い当たるエピソードがあれば、それはアンカリング効果が働いていると言えるでしょう。
カクテルパーティ効果
人間の耳は、講演会・パーティーなど、ざわざわと騒がしい状況下でも、自分が聞きたい内容や自分に関係ある情報を上手に拾い上げることが出来ます。
これをカクテルパーティー効果と呼びます。
カクテルパーティー効果は一般的に聴覚に働くとされているものですが、Webマーケティング心理学において「カクテルパーティー効果」が発揮されるシーンは、メルマガやWebサイト上に出てくるポップアップバナーです。
例えば、Webサイトを閲覧している最中に「●●を購入した方限定!××にも使える15%OFFの限定クーポン!会員登録いただいた方限定!即日使える××%OFFのクーポン」という表示が出てくるといったものがあります。
メールボックスをスクロールしながら眺めていると「初めて部下や後輩を束ねる立場になった人のための●●」「マーケティング担当者必見!明日から活かせる●●の使い方を徹底解説」など、ドキッとして思わずメールを開いたといったことはないでしょうか。
Webサイトやメールボックスを閲覧していて「この情報は自分に関係ある」との感情を抱かせ、何かしらのアクションを得ることが出来たなら、カクテルパーティー効果が発揮されているといえるでしょう。
松竹梅の法則
松竹梅の法則とは、商品の価格帯を3つに分けて展開すると多くの場合、真ん中の価格帯にある商品が購入されやすい傾向にあるというものです。
世界では「ゴルディロックス効果」とも呼ばれています。
Webマーケティングにおいて、最もよく活用されるシーンは、サブスクリプションやコンサルティングサービスに多いです。
- 【お試しプラン】
フォーム作成数1個のみ - 【ベーシックプラン】
フォーム作成数5個+ページ埋め込み機能 - 【プレミアムプラン】
フォーム作成数50個+ページ埋め込み機能+計測・分析機能
上記の例のように、3つのプランがある場合、真ん中のものが多く選ばれる傾向にあり、高いor安いの2つのプランだと「安い」方に人間の心理は働きます。
プランが4つだと、選択肢が多いがゆえに「買わない」という意思決定を招きやすくなります。
3つでなければならない理由は、最も高いものは品質に納得いかなかった時に後悔をしたくないという心理が働くことが多いとされており、逆に最も安いものは貧乏に思われることは避けたいという心理が働きます。
人間は、極端な選択を避ける傾向があるとされており、価格帯が異なる3つの選択肢がある際に真ん中のものがよく注文されるのであれば、Webマーケティング心理学を効果的に使えているといえるでしょう。
動画配信オンデマンドサービスでも、よく使われているもので、下記のようなプランに心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
- 画質が劣るけど、視聴出来るプラン
- 画質は高品質で視聴出来るけど、ユーザー数は1つまでのプラン
- 画質も高品質で視聴出来るだけでなく、ユーザー数も複数人使えるプラン
もし、動画配信オンデマンドサービスを使う際に3つの選択肢があり、真ん中のプランを選んでいるとしたらそれは、松竹梅の法則が働いていると言えるでしょう。
Webマーケティング心理学にお勧めの書籍3選
価格の心理学
要約
Webマーケティング心理学のうち、とくに「松竹梅の法則」にも関わる内容です。
さらに行動経済学と購買心理学、金額が高くても購入される商品に対し、2つの観点からアプローチし解説した書籍です。
購買心理学とは、その名の通り心の動きに焦点を当てたものです。
具体的には、商品やサービスの情報収集を経て比較や検討・購入・使用、一連の流れにおいて消費者の感情・行動プロセスを意味します。
行動経済学とは、購買心理学は商品・サービスに対する消費者の一連の心の動きを意味するものであるのに対し、費用・価格の観点を考慮するとどういった変化が起こるのか、どういった影響が出るのかを意味します。
要点
企業が商品・サービスを市場に投入する時、原価・利益・流通コストをはじめ、事業主側の事情が考慮され定価が決まることが一般的です。
本書籍では、価格は顧客にとっての価値に焦点を当て、そこを基準に設定するものだと説いています。
例えば、国内にあるカフェチェーンであるスターバックスコーヒーは、1杯あたりの単価が、他のチェーン店よりも高く設定されているにも関わらず、積極的に利用する人が存在します。
そういった人達は、どういった理由から積極的に利用するのか。本当に提供している価値はなんなのか?
そこに問いを立て、回答を得るためのヒントを得ることが出来る1冊です。
- 顧客・消費者にとって、金額以外の価値はなんなのか?
- 現時点で利用している顧客・消費者にとって商品・サービスを利用する理由は?
- 競合他社と比較した時に、勝てる価格戦略とは?
それらの問いに対する回答を得るためのヒントになる1冊として、ぜひご活用ください。
僕らはSNSでモノを買う
要約
Webマーケティング心理学においては「ザイオンス効果」に関わる内容です。
Instagram・TikTok・YouTubeをはじめ、昨今SNSは急速に普及しました。
消費者や顧客がサービス・商品を購入する際に影響を与えているSNSについて解説し、ユーザーが自らの意思でSNSに投稿されたコンテンツ(通称:UGC)が広告よりも優先されやすい傾向にあることを考慮し説いている書籍です。
要点
SNSの普及により広告費の大きさがものの売れ行きを左右する時代に終わりを告げ、SNSで物を売るためにはどうしたら良いのでしょうか?
AmazonやZOZOTOWNがECの中心になってきている昨今であってもSNSを経由の消費額は全体の5%弱といわれています。
消費額だけをみると少ないという印象があるものの、そこにある定性的な価値や影響をどう捉えることが効率的なWebマーケティングにつながるのかを説いた1冊です。
デジタルマーケティングの教科書
要約
Webでもデジタルでもマーケティング活動をしていく過程において、消費者の動きに関するデータを収集するだけでなくオンライン・オフライン問わず、横断で消費者の一連の動きに沿うようにマーティング活動を進めていく際のバイブルとして活用出来る1冊です。
要点
特に変化・進化の早いデジタル・Webの動きに対して、昨今では、Webマーケティング心理学においては「アンカリング効果」が発揮される一面です。
具体的には消費財を扱うブランド・メーカーの商品を消費者が購入する際に、TikTokやYouTube・InstagramをはじめとするSNSで商品を認知し、Webサイトで情報収集します。
実際に商品を見に行くために店舗へ訪れ購入します。
もしくは、荷物になることを避けるためその場では購入せずWebサイトで購入するパターンもあります。
そのような一連の動きがあるなかで本書ではWeb・店舗問わずデータを取得し、消費者への理解を深めて行くことが、これからの時代のマーケティング活動においては重要だと本書では定義してます。
消費者との接点を一番最初に設けるマーケティング活動(アンカリング効果の起点)と、その後の活動をどのようにつくっていくことが最適なのかを考える際に最適な1冊と言えるでしょう。
まとめ
Webマーケティングに心理学を用いることは、SNSやスマートフォンが普及した昨今では、消費者が簡単に情報を得やすくなったからこそ非常に重要な意味を持ってきます。
物や情報が溢れて、いつでも誰でも情報を簡単に得やすくなった今だからこそ、消費者は自ら取捨選択し、商品・サービスを利用しています。
情報や物が溢れていても、私たちは感情で物事を判断したり行動する場面があるからこそ、Webマーケティング心理学を活用できるか否かが、これからのマーケティングの肝になってくると言えるでしょう。
「実際にどう使ったら良いか分からない…。」
「重要性は分かったけど、どんな施策を進めることが最適なのか知りたい。」
など、ございましたら以下よりご相談くださいませ。