難易度の高い「企業YouTube」を成功に導くコツをプロに聞いた
YouTubeは今や日本国内外問わず、多くの人々が利用するメディアとなっています。
令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省によると、YouTubeは今や全ての世代における高い利用率を誇っており、特に10〜40代の利用率は90%を超えています。
そのような現状から、マーケティングの一環としてYouTubeに取り組みたいと考えている企業も多いでしょう。
弊社バリューエージェントも、2019年12月より自社チャンネル「バリューチャンネル」にてWebマーケティングのお役立ち情報を発信し続けております。
これまで400本以上の動画を上げ続けてきたところ、弊社のようなBtoBサービスでは登録者数や再生回数を増やすことは非常に難しいと感じています。
ただ一方で、バリューチャンネルをご覧いただいたお客様の契約率は見ていないお客様と比較して契約率が飛躍的に高まっているなど、メリットも多く実感しています。
そこで今回は、YouTubeチャンネルの運用に挑戦している弊社が、登録者数 11万人の現役YouTuber「しゅんダイアリー」さんと映像編集・YouTube運営のプロである「サムシングファンの薮元社長」に企業YouTubeの運用についてお聞きした内容を記事にしました。
これからYouTubeで企業チャンネルの運用を考えている方や、すでにチャンネルはあるけど、伸ばすのに苦戦しているという担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
しゅんダイアリー・株式会社Diary代表 福田 駿氏
「しゅんダイアリー」は株式会社Diaryが運用する就活Youtubeチャンネルです。 採用広報動画の制作や公開をおこなっており、現在20社以上の企業コンテンツを掲載しています。 そして2022年6月現在、チャンネル登録数は11万人を超えています。
目次
企業YouTubeがつまずく2つのポイント
今回、しゅんダイアリーさんとサムシングファン薮本代表にお話を聞いた結果、お二人が口をそろえて話していたのが、「YouTubeの企業チャンネルは難易度がかなり高い」と言うことでした。
その理由としては、2つあります。
理由1:運用目的がブレて続かないことが多いから
「今YouTubeがブームになっているから始めた方がいい!」といってYouTubeに取り組み始める企業も少なくはないですが、「YouTubeを始めること」自体が目的化してしまい、続かなくなってしまうことも多いです。
企業がYouTubeを始める際は、目的をきちんと定めておく必要があります。
登録者数や再生回生数を増やして収益化したいのか、それとも企業のブランディングのためなのか、購入につなげるためなのか・・・など企業チャンネルの運用目的は様々です。目的が明確に定まっていないまま運用していくと途中で「かけている労力やコストの割に、うまく行っている感じがしない」という曖昧な感覚で、成果が出ないままやめてしまうことがあります。
これが、企業がYouTubeチャンネルを失敗する大きな原因の一つです。
理由2:余暇に見られるメディアのためBtoBの場合は特に難しい
YouTubeは、あくまでも主に余暇にエンターテイメントとして見られているメディアです。
確かに、ビジネスの勉強のために視聴する人もいますし、そのようなチャンネルが成功していることもありますが、あくまで少数派です。
BtoBの決裁者がYouTubeを見て、契約や購入を決められるかどうかを考えてみれば、BtoB企業がYouTubeで戦うことは難しいと言うことが想像しやすいかもしれません。
もちろん、BtoBだからYouTubeはしない方がいいと言う訳ではありませんが、難易度が高いと言うことを理解した上で、目的をしっかり定めて、その目的達成のために取り組むことが重要です。
YouTubeに向いている企業
BtoB企業はYouTubeが難しいと書きましたが、逆にYouTubeに向いている企業というのもあります。次のような企業はYouTubeが向いていると言えます。
- 動画で魅力が伝わるようなBtoC企業
- 住宅・リフォーム・投資など高単価の商材を取り扱う企業
- ブランディングしたい企業
その理由について解説します。
動画で魅力が伝わるようなBtoC企業
動画をみることで視覚や聴覚で商品の魅力が伝わるようなBtoC企業は向いています。
なぜなら、どんな商品であっても顧客は「購入して失敗したくない」と思っているからです。動画で伝わりやすい商品であれば、「これだったら失敗しなさそう!」と思って購入に繋がりやすくなります。
飲食・アパレル・旅館やホテルなどは動画で魅力が伝わりやすいでしょう。
例えば、アパレルブランドのSLOBE IENAはYouTubeチャンネルで成功していると言えるでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大により衣服の購入を、実店舗からECサイトに変えたという人は多いでしょう。一方で、試着できる実店舗とはちがい、ECサイトでは「着てみたら思っていたデザインとは違った」という失敗もよくあります。
そこで、実際にいろんな体型のスタッフがアイテムを着用し、シルエットや質感などを伝えることで、ユーザーは安心してECサイトで購入することができます。
さらに、ブランドのスタッフたちが発信することで、それぞれのスタッフがインフルエンサーになってブランディングが強化されるというメリットもあります。
住宅・リフォーム・投資など高単価の商材を取り扱う企業
企業チャンネルの運用目的を購入にする場合、動画を見てもらってさらにその中から購入してもらうコンバージョン率はかなり低いことに留意しておきましょう。
ただしコンバージョン率が低くても、1人に買ってもらえたら利益が大きいような高単価の商材は、向いているといえます。10万人に動画をみてもらい、そのうち10人に購入してもらえば商売として成り立つような商材です。
例えば、住宅・リフォーム・投資などは高単価なので、やり方次第でYouTubeから集客して利益を上げていくということは可能でしょう。
ブランディングしたい企業
最後に、ブランディングをしたいと考えている企業は、YouTubeで発信するのが最適です。
というのも、今は企業が発信しなくても、口コミなどで有る事無い事書かれてしまうこともあるのが今の時代珍しくありません。
それなら、口コミで変な印象を持たれる前に、ブランディングとして自社で発信した方が良いでしょう。
例えば、「残業が多い」という口コミは一般的にあまり良い印象ではないですが、「残業は月に〇〇時間ありますが、土日は必ず休んでおり、社員はみんな意識は高くイキイキとしています」というのを動画で発信すれば、意識の高い社員の採用に繋がるかもしれません。(もちろん、偽りを発信するのはNGです。)
YouTubeを、実際に会社を運営しているメンバーで運用するのであれば、顧客に対しても採用に対しても、リアルな情報を伝えられます。
このように、ブランディングしたいと考えている会社はYouTubeを活用するのが良いでしょう。
企業がYouTubeチャンネルで成功させるためのポイント
企業のYouTubeチャンネルの難易度が高いとはいえ、ポイントを押さえておくことで成功率はグンとアップします。この章では、YouTubeのプロに聞いた「成功させるためのポイント」をご紹介します。
チャンネルの運用目的はコンバージョン以外を設定する
先にも書いた通り、企業が運用するYouTubeチャンネルは目的がブレてしまいがちで、かつYouTube動画からのコンバージョンは極めて低いです。
そこで、チャンネルの主な運用目的をコンバージョンにしないことをお勧めします。
あまりにも達成されにくい指標を目的にしてしまうと、モチベーションもなかなか保てず、運用を継続しにくくなってしまうからです。
コンバージョン以外の目的の例としては、収益化のため、ブランディングのため、採用のためなどが挙げられます。
ぜひ、YouTubeチャンネルの目的をコンバージョン以外で定め、チームで共有した上で、軸を持って運営を継続してみてください。
他のSNSと共に運用する
YouTubeを成功させるのであれば、Twitter・Instagram・Facebook・TikTokなどといった他のSNSも一緒に運用しましょう。
動画をアップした際に、これらのSNSで拡散することでYouTubeを見てもらえる機会が増えます。
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TikTokでは、YouTubeから一部を切り抜いたショート動画を作成して、投稿するのがおすすめです。
TikTokではフォロワー数に関係なくバズることがあるという特徴があります。TikTokからYouTubeに導線を引くのは難しいですが、元動画があれば切り抜き動画は比較的手間なく作れるためTikTokでも活用すると良いでしょう。
企画に力を入れる
YouTubeでは、企画・撮影・編集・分析という4つのプロセスが必要です。
その中でも成功させるためには、一番最初の「企画」が最も重要です。
極端なことをいえば企画さえ良ければ、画質が多少悪かろうが、無編集であろうが成功が可能です。
企画を組むときは、どんなユーザーに見て欲しいのか、ユーザーはどんな動画を見たいのかを案出しして、それに答えられるような良質な動画を作りましょう。
とはいえ、この企画が最も難しいといっても過言ではないです。
手っ取り早く成功するためには、企画の段階でプロ(業者)に依頼・相談するというのも一つです。
プロによる企画だと成功しやすいです。そのままプロに依頼し続けるのも一つですし、成功した企画を元に自社で真似をして作ってみても良いでしょう。
インフルエンサーとコラボするのも手
もう一つの方法として、インフルエンサーとのコラボが挙げられます。
例えば、有名なYouTuberの人に依頼をして、自社のチャンネルとその有名YouTuberのチャンネルでコラボ動画を1本ずつ上げます。すると、有名YouTuberの力を借りて再生数や登録者数を増やすことができるでしょう。
ただし、インフルエンサーにとってもメリットがないとコラボするのは難しいかもしれません。
コラボする場合は、手当たり次第にインフルエンサーに当たってみるのではなく、現実的にコラボできそうかどうかを検討してから営業してみるといいでしょう。
サムネイルとタイトルの研究を極める
YouTubeは、見られる理由の7割がサムネイル・タイトルだと言われています。
企画が良くてもサムネイルとタイトルが悪ければその良い動画を見つけてもらうことができないということです。
数あるYouTube動画の中から、選んでもらうためには、一覧でみても目立つようなサムネイルであることと、クリックしたくなるようなタイトルであることがとても重要です。
伸びているYouTuberの真似をしたり、実際に工夫して出した動画がどのような成果に繋がったのかをアナリティクスで分析し、改善したりしましょう。
運用を継続することが重要
ここまでで企業のYouTubeチャンネルを成功させるポイントをお伝えしましたが、YouTubeチャンネルは開設してすぐに成果が出るものではありません。
企業・個人に関わらず、YouTubeチャンネルを成功させるためには、運用を継続させることが最も重要です。
一つ一つの動画の企画や分析を大切にしながらも、まずは50本、その次は100本といったように動画をどんどん上げていくことで成果を出していきましょう。
ちなみに、弊社バリューエージェントのバリューチャンネルは、難易度の高いBtoBのチャンネルですが動画を400本以上上げることで2022年9月1日現在870人をこえる登録者となりました。
ぜひ、この記事をご覧の担当者様も粘り強く運用を継続してみてください。
まとめ
本記事では、企業がYouTubeチャンネルを成功させるコツや成功しやすい企業の特徴についてご紹介しました。
企業のYouTubeは簡単に成功できるものではありませんが、動画を公開し続けることでブランディング効果が高くなったり、採用にも役だったりします。
ぜひ、企業のYouTubeチャンネルを運用してみてくださいね。
YouTubeチャンネルは、あくまでもWebマーケティングの手法の一つです。
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