リスティング広告とディスプレイ広告の違い|使い分けと活用事例も

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Google広告、Yahoo広告の台頭により、手軽に出稿できるようになったデジタル広告。

リスティング広告というと「検索連動型」の広告、ディスプレイ広告というと「画像広告」のイメージをもたれる方が多いですが、設定で調整できることやターゲットの適正など、それぞれの性質には違いがあります。

この記事ではリスティング広告とディスプレイ広告を比較し、それぞれでできることについて解説します。

後半ではそれぞれの活用事例も紹介していますので、広告導入の際の参考にぜひご活用ください。

リスティング広告とディスプレイ広告の違い

リスティング広告とは、主に検索連動型広告と呼ばれる「ユーザーが検索エンジンで検索した際に、検索されたキーワードに関連する広告が検索結果と共に表示されるタイプ」がありますが、一部広告枠のあるサイトにバナー型やテキスト型で表示されるタイプもあります。

リスティング広告(検索連動型)

リスティング広告(検索連動型)

一方ディスプレイ広告は広告の掲載枠があるウェブサイトやアプリ上に表示される、画像や動画、テキストの広告です。掲載枠のあるサイトの内容に連動して表示されるため、「コンテンツ連動型広告」とも呼ばれます。

ディスプレイ広告(コンテンツ連動型)

ディスプレイ広告(コンテンツ連動型)

リスティング広告、ディスプレイ広告について、様々な視点から違いや特徴をご紹介します。

リスティング広告、ディスプレイ広告の違い早見表

リスティング広告とディスプレイ広告の違いについて、簡単に一覧にしています。

 

リスティング広告

ディスプレイ広告

主なターゲット

顕在ユーザー向き

潜在ユーザー向き

広告掲載位置

主に検索結果画面

※一部サイトの広告枠にも掲載

ユーザーが閲覧しているサイトの広告枠

クリエイティブ形式

主にテキスト広告

※一部バナー広告としても掲載

主に画像、または動画

課金形式

主にクリック課金型

主に

クリック課金型 or

インプレッション課金型 or

コンバージョン課金型

主なターゲティング方法

キーワード

配信面

ユーザー属性

配信面

ユーザー属性

プレースメント属性

CTR

(クリック率)

顕在層向けのため、高い傾向
(掲載位置による)

潜在層向けのため、低い傾向

(カテゴリ、業界による)

CVR

(コンバージョン率)

顕在層向けのため、高い傾向

潜在層向けのため、低い傾向

訴求しやすい層の違い

ユーザーが検索画面で入力した「キーワード」と連動するリスティング広告の場合、購入意欲の高いユーザーや悩みの度合いの高いユーザーに対してアプローチができるため、購入に繋がりやすい「顕在層」に対して訴求が可能です。

一方で、キーワードが検索されないと広告表示がされない為、検索に至らないユーザーに対してのリーチが難しいのも特徴です。

対照的に、ディスプレイ広告は、表示されているサイトのコンテンツに応じて関連する広告を表示するため、まだ課題に気づいていない、購入意欲はない、そもそも商品を知らないユーザーなどの「潜在層」にも広く広告を表示させることが可能です。

商品自体の認知度の向上を目的とした広告配信にも最適で、購入までに至らずとも広告をクリックさせることで、興味を示したユーザーのリストを集めるのにも役に立ちます。

掲載面の違い

リスティング広告

リスティング広告が掲載される面として多くの方がイメージされるのが「GoogleやYahooなど、検索エンジンの検索結果画面」です。

・Google広告の検索画面

Google広告の検索画面

・Yahoo広告の検索画面

Yahoo広告の検索画面

サイトに多くの流入を生み出すためには通常SEO(検索エンジン最適化)に力を入れ、サイト構成や内容を充実させるなどの地道な対策が必要ですが、リスティング広告を出稿することで、SEOで上位のサイトのさらに上にサイトを表示させることが可能です。

広告で上部に表示されているサイトと検索エンジン最適化で上位に表示されているサイト

広告で上部に表示されているサイトと検索エンジン最適化で上位に表示されているサイト

それ以外にも、Googleディスプレイネットワーク(GDN)やYahoo!内のコンテンツの面にもリスティング広告の掲載は可能です。

GDNでは「リスティングのキーワードに関連する商品やサービスを閲覧しているユーザー」に対して表示される、Yahoo!リスティングの場合、Yahoo内のコンテンツのページや、Yahooの提携パートナーサイトにリスティング広告を出す、などが可能です。

ディスプレイ広告

コンテンツ連動型広告とも呼ばれるディスプレイ広告は、閲覧しているあらゆるサイトの広告枠に表示が可能です。

GDNの掲載イメージ

GDNの掲載イメージ

Googleディスプレイネットワークでは掲載されるサイトは多岐に渡り、個人が運用しているブログなどにも広告が表示されます。

Yahoo!広告 ディスプレイ広告の掲載イメージ

Yahoo!広告 ディスプレイ広告の掲載イメージ

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)では、掲載面が幅広いGDNに対し、Yahoo!の関連サービス面を中心に広告が掲載されるという特徴があります。

主な配信先はYahoo!検索、Yahoo!知恵袋、Yahoo!ニュースなどが挙げられます。

クリエイティブの違い

クリエイティブは広告のクリック率を左右する、広告の成果の要となる要素です。

リスティング広告におけるクリエイティブは「見出し」「説明文」で構成されます。

オーガニックの検索結果よりも上に表示させることもできるので、ユーザーの検索意図にあった見出しを設定できるとユーザーの興味を引きやすくなります。

見出しと説明文

見出しと説明文の下に表示される項目は「サイトリンク表示オプション」と呼ばれ、特定のページにユーザーを直接誘導できる機能のことです。広告側の設定で表示/非表示を選択できます。

一方ディスプレイ広告は、画像、動画をクリエイティブに使用します。

検索画面に表示させる検索連動型と違い、ディスプレイ広告はサイトなど別のコンテンツを閲覧しているユーザーに対して表示するため、興味を引くための工夫が必須となります。

ディスプレイはターゲティングの機能が多彩なため設定の調整に注力しがちですが、成果に最も影響を与えるのはクリエイティブだと考えています。

課金方式

リスティング広告では、クリックが発生するたびに課金が発生する「クリック課金型」が使われています。

広告が表示されてもクリックされなければ費用が発生しないため、無駄な広告費がかかりません。

ディスプレイ広告の場合、複数の課金方式が用意されており、広告を出す際に課金方式を選択することが可能です。

GDNの場合は「クリック課金型」に加えてインプレッション数に応じて課金が発生する「インプレッション課金型」、コンバージョンが発生するたびに課金が発生する「コンバージョン課金型」があります。

コンバージョン課金型ではコンバージョンが発生しない限り広告費が発生しないため、「多量な広告費をかけたのに成果が上がらない」状況にならないことがメリットです。

一方でコンバージョン課金方式を使用するには、下記の2つの条件を満たす必要があります。

①過去30日間のアカウント全体のコンバージョン数が100を超えている
②コンバージョンの90%以上が、クリックから7日以内に発生している

インプレッション課金型で配信して条件をクリアした場合、コンバージョン課金型に切り替えることで、より効率よくコンバージョンを得られる可能性があります。

ターゲティングの違い

不特定多数の人や配信先に対して、ただ広告をばら撒くよりも、「誰にどんなふうに広告を届ければ効果的なのか」を分析して特定の人や特定の面に向かって広告を配信することを「ターゲティング」と呼びます。

リスティング広告は、メインのターゲティング方法として「キーワード」が挙げられます。

どんなキーワードで検索してきたユーザーなら興味を示しやすいのか検討し、購入に繋がりやすいキーワードをターゲットに設定します。

その他、Googleリスティングの場合、「配信対象地域」「配信対象の曜日、時間」「配信対象のデバイス」を設定してどんな配信先に広告を出すのか出面を絞り込みます。

どんな人に配信するかについては「ユーザ属性」を設定可能で、「年齢層」「性別」「子供の有無」「世帯収入」などで配信したいユーザーを絞りこめます。

Googleディスプレイネットワーク(GDN)でも基本の考え方はリスティングと同様で、「どの配信面に出すか」「どんな人に出すか」の2本立てでターゲティングを行います。

「どんな人に出すか」は、下記の項目について出したい人を選択することが可能です。プロモーション対象のサービスや商品はどんな方に求められるのかを検討し、ターゲティングを指定します。

■ユーザーの属性

  • 年齢:18~65歳以上、年齢を指定して配信
  • 性別:男性、女性、不明、のいずれかを指定して配信
  • 世帯年収:上位10%から下位50%、不明のユーザーを指定して配信
  • 子供の有無:子供あり、なし、不明のいずれかを指定して配信
  • 言語:ユーザーが使用する言語を指定して配信

■オーディエンスターゲティング(特定の興味や習慣を持つ人に対して配信)

  • アフィニティ:ユーザーの趣味や興味のカテゴリ。サービスや商品と関連のありそうなジャンルでターゲティングが可能
  • ライフイベント:引っ越し、結婚、出産などのライフイベントを迎えているユーザーにターゲティングが可能
  • 購入意向:ユーザーの最近の購入傾向に基づいてリーチが可能
  • カスタムセグメント:キャンペーンの目標に応じて、ユーザーが熱中していることや最近の購入の傾向に基づいてリーチが可能
  • 詳しいユーザー属性:現役大学生、住宅を所有している、既婚、などの細かい特徴でターゲティングが可能

「どの配信面に出すか」は大きく下記の2つのターゲティング方法で指定します。

■プレースメントターゲティング

特定のサイトやアプリなど、ターゲットとなるユーザーが利用しているであろうサービスを指定して配信する方法です。広告枠があるサイトであれば指定が可能です。

■トピックターゲティング

指定したトピックに関連するサイトに広告を表示する方法です。関連コンテンツが掲載されている幅広いサイトをターゲットにできるため、認知向けの広告掲載に向いています。

その他「配信対象地域」「配信対象の曜日、時間」「配信対象のデバイス」についても指定が可能です。

絞る設定ができるところはリスティング同様ですが人を絞るターゲティングでは、「ユーザー属性」に加えて「プレースメント(サイトの属性)」の設定が可能です。

サイトに関連するキーワードに加え、サイトのトピックで絞る、プレースメント(ヘッダー、フッター、記事内など掲載する場所)も指定することが可能です。

さらに「リマーケティング(リターゲティング)」を活用することで、リスティング広告/ディスプレイ広告のコンバージョン獲得効率が上がる可能性があります。

「過去にサイトを訪れた人」はサービスに一定数興味のある可能性が高く、ここに再度広告をリーチさせることで効率よくコンバージョンを得ることが期待できます。

参考:ユーザー属性ターゲティングについて

リスティング広告、ディスプレイ広告の活用事例

リスティング広告とディスプレイ広告の違いについて紹介してきました。ここからはそれぞれを活用した事例についてご紹介します。

リスティング広告が向いている場合

訴求したいターゲット層

具体的に問題意識を持っていたり、購入したいもののイメージが定まっている層への訴求に向いています。

リスティング広告に向いている商品、サービス

検索段階で働きかけるリスティング広告では、狙ったキーワードで検索したユーザーに確実に広告を表示し、目に入れてもらうことが重要です。

そのため、狙ったキーワードでしっかり上位に表示させやすい「商品に競合が少ない」場合や「既に知名度があり、商品名やそれに関連するキーワードで検索される場合」はリスティング広告を活用しやすくなります。

また、一度商品を買ったユーザーがリピーターとして再来することが見込まれる場合など、課金後に再度サービス名などで検索されることが見込まれる場合、リスティング広告が有効です。

リスティング広告を活用した事例

ダンススクールで新規問い合わせ数が増加

  • 商品/サービス:2店舗を抱える地域のダンススクール
  • 施策概要:体験レッスン申し込み募集の広告をポスティングからGoogleリスティング広告に切り替えた

このスクールでは主に周辺地域へのチラシ配布で新規顧客を開拓していましたが、チラシを作成して配布するコストに対して反応が少なく、Google広告での集客に切り替えました。

広告文言にはユーザー満足度の高さなどを盛り込み、通える範囲に住んでいるユーザーに適切にターゲティングしたところ、体験レッスンの申し込み数がチラシの時と比較して3倍に増加しました。

検索広告の活用で無料ユーザーの獲得数が倍に

  • 商品/サービス:会計ソフト(無料登録からの有料会員転換モデル)
  • 施策概要:無料ユーザーを増やすための施策として、Googleリスティング広告を実施

クラウド型の会計・給与計算ソフトの販売を行う会社では、無料会員から有料転換させるモデルの仕組み上、無料会員の母数を増やす必要があり、リスティング広告を取り入れました。

広告を介することでリーチできるユーザーが増え、結果的に広告導入前の2倍近いユーザーを短期間で獲得することに成功しています。

参考:Google広告活用事例 ゆりダンススクール

参考:freee 株式会社での検索型広告活用事例

ディスプレイ広告が向いている場合

訴求したいターゲット層

具体的に何かが欲しい、ここを改善したい、などの意識を持っていないが、将来的に購入に繋がる可能性のある潜在層への訴求に有効です。

ディスプレイ広告に向いている商品、サービス

動画や画像でインパクトを出しやすいディスプレイ広告は「クリエイティブ8割、設定2割」と言われるほど、クリエイティブの魅力によって結果が左右されると言われます。

画像や動画はユーザーの目に留まりやすいため、見た目でインパクトを出しやすい商品は訴求しやすい傾向にあります。

また、社会的に認知度の低い商品など、リスティング広告での効果が出しにくい場合も、ディスプレイではインプレッションを出しやすいことがあります。

結果的にコンバージョンまで繋げることが難しい場合も、まずディスプレイ広告を出稿し認知度を高めることで、その後のプロモーションの幅が広がります。

ディスプレイ広告を活用した事例

ベンチャー企業のディスプレイ広告導入で認知度を拡大

  • 商品/サービス:スマートロック(スマートフォンで鍵の解錠をするサービス)
  • 施策概要:一般的な認知度が少ない「スマートロック」の認知度を向上させるため、ディスプレイ広告を実施

商品自体の利便性から将来性は期待できるものの、そもそも「スマートロック」が一般に認知されておらず、まずは認知を広める必要がありました。

そこでメルマガや他のオンライン広告と併せてディスプレイ広告を実施して認知度を広め、最終的には2カ月で目標に対して500%のコンバージョンを獲得することに成功しました。

参考:Google広告活用事例 株式会社フォトシンス

リスティング広告、ディスプレイ広告を併用する効果について

上記のスマートロックの例のように、そもそも商品やサービスの認知度が低い場合、ディスプレイは認知度を向上させるのに便利です。ある程度ディスプレイ広告を配信することで一般に認知されるようになったら、今度はより購入の可能性が高いユーザーに対してリスティングも併用すると、より効率よくCVを得られる可能性があります。

認知向けの広告としては、リスティング広告以外にもYoutube動画広告CMなども挙げられます。

アナログな集客から脱却し、リスティングとディスプレイを併用

  • 商品/サービス:BtoB向けの食料品ECサービス
  • 施策概要:電話、FAX、飛び込み営業などのアナログな集客から、ディスプレイ広告とリスティング広告の併用にシフトした

「飲食」という業界はデジタル化が進みにくいという側面もあり、この会社も集客手段として、電話、FAX、飛び込み営業などを採用していました。

しかしビジネスが成長しにくいという課題を踏まえ、より効率よく潜在層にもリーチできるよう、デジタル広告を開始。

検索連動型広告では「仕入れ」「業務用」といった、ターゲットを意識したキーワード設定をして顕在層にアプローチするのと同時に、ディスプレイ広告でも、興味や関心に基づいたターゲットに絞って配信した結果、最終的には新規顧客のおよそ50%がGoogle広告経由となりました。

参考:Google広告活用事例 八面六臂株式会社

リスティング広告とディスプレイ広告をうまく活用し効率的に宣伝しましょう

リスティング広告とディスプレイ広告は、広告の見え方の違いに限らず、ターゲティングの仕方や広告の出方など、さまざまな違いがあります。

どちらを使うのが最適なのかを検討することも大切ですが、同じ商品でもプロモーションの段階によって向いている広告形式は変わるため、段階に応じて使える広告は全て活用していくことで、広告の成果を最大化することに繋がります。

認知を広げるところから始めた方が良いのか、それともコンバージョン獲得を目標に運用するべきなのか検討の上、どんなプロモーション手法を活用するのか判断することをおすすめします。

 

 

 

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