リスティング広告のシミュレーションの作り方|必要数値の取得方法も解説

新しく広告出稿を検討する際、どの程度の費用がかかってどの程度の効果が見込めるのかを把握するシミュレーションを作ることは非常に重要です。

この記事ではリスティング広告の新規出稿を検討している方向けに、広告シミュレーションがどのように役に立つのか、シミュレーションの作り方について紹介します。

 

リスティング広告の運用開始前にシミュレーションを作成しよう

広告シミュレーション作成の要否について、あくまでも予測なのだから不要と思われる方もいるかもしれませんが、広告シミュレーションは過去の広告配信データに基づいた意義を持つものとして作成するべきで、作成するメリットは多岐にわたります。

 

広告シミュレーション作成のポイント

 

告シミュレーションとはどんなものを指すのでしょうか。

広告シミュレーションとは、広告を実際に配信したときにどのような結果が想定されるのかを、過去のデータに基づいて予測したもののことです。

 

精度にこだわりすぎない

シミュレーションは基本的に広告を配信する前の準備段階で用意しますが、最初から完璧に作ることを目指す必要はありません。広告を運用し、作り方も改善を重ねることで精度の高いシミュレーションが作れるようになります。シミュレーションは現状と目標が乖離していることにいち早く気づくためにも大切です。精度にこだわりすぎず、まずは作成しましょう。

過度に信用しすぎない

広告シミュレーションはあくまでも予測なので、実際の結果がシミュレーションと大きく異なる可能性もあることを認識しておきましょう。広告配信は、広告(クリエイティブ)の品質や競合の入札状況などの外部要因にも大きく左右されますが、シミュレーション作成時にこれらは考慮されていません。

シミュレーションを過度に信用しすぎないようにしましょう。

 

作成時、できるだけ自社のデータを利用する

この記事では、一般的なデータに基づいてシミュレーションを作る基本の方法をお伝えしていますが、市場の平均的な値を当てはめて作成するシミュレーションの場合、実際に広告配信開始後に各数値とシミュレーション値の乖離が発生し、得られるはずの結果を得られないことがあります。また下記でご紹介するシミュレーションを構成する各値は、プロモーション対象となるサービスや製品の性質や競合の状況によって変動する可能性があり、このため完全に正確な数値でシミュレーションを行なうことは難しいと言えます。

 

自社に参考値として使用できるデータがある場合は、そのデータを使用することで、シミュレーションの精度をより高めることが可能となるため、シミュレーションを作成する際は「過去に類似の広告配信を行ったことがないか」を確認し、参考にできる数値を入手しておくのがおすすめです。

 

広告シミュレーションを作成するメリット

広告シミュレーションを作成する一つ目の大きなメリットは、事前に予算規模や得られる効果を予測できることで、広告出稿可否の判断や広告停止判断など、判断の指標として利用できることです。リスティング広告よりも効率の良いプロモーション手法があるなら予算はそちらにまわすべきですし、大きな広告効果が見込まれるなら予算も大きく確保できるかもしれません。

また、シミュレーションを作成することで、広告キャンペーンを設計する際の参考にすることもできます。シミュレーションは配信前の準備だけでなく、広告出稿後の分析においても役立ちます。シミュレーションと実際に運用したデータを比較することで想定とどの指標でどのくらい乖離が出たのかがわかり、どこを改善するべきかがわかります。

 

逆に必要なコンバージョン数が決まっている場合、いくらの予算が必要なのかを算出できます。予算は全て消化し切ったのに、期待していた効果が得られなければ施策は失敗となってしまいますが、事前にシミュレーションを用意していれば目標との乖離が早期に検知できるのです。

 

リスティング広告のシミュレーション作成に必要な数値

リスティング広告についてシミュレーションを作成する場合、主に必要な数値は下記の7つです。

 

[1] 費用(広告予算)

広告費用の上限が決まっている場合は、その範囲内で最大の効果を出せるようにシミュレーションを作成します。逆に目標獲得数が決まっている場合は、その効果を出すためにいくらの予算が必要なのかを算出する必要があります。

[2] クリック数

広告がクリックされた回数のことです。リスティング広告は「クリック課金型」のため、クリック数 ×クリック単価 で広告費が決まります。

 

[3] クリック率(CTR)

Click Through Rateの略として、CTRとも呼ばれます。

CTRが高い広告はクリックされやすい、つまりユーザーにとって魅力的な広告です。CTRが低い場合はリスティング広告の見出しや説明文など、広告の見せ方を改善することで広告効果アップが期待できます。

正確なCTRは配信するまで分かりませんが、限られた予算の中でどの程度のクリックを獲得できるのか、また目標コンバージョン数を得るにはどの程度の予算が必要なのかを算出するために、およその想定値が必要です。シミュレーション作成の段階では「Googleキーワードプランナー」というツールを使用して予測値を使用します。詳細は下記の【リスティング広告のシミュレーションの作り方】をご参照ください。

 

[4] クリック単価(CPC)

リスティング広告の場合、クリック単価は広告主側が上限クリック単価を設定し、オークションにより決定されます。クリック単価が高いと同じ予算内で得られるクリック数が減り、同じCVRの場合得られるCV数が少なくなります。CPCも実際の数値は配信するまで分からないため、シミュレーション作成の段階では「Googleキーワードプランナー」というツールを使用して予測値を使用します。

[5] コンバージョン

広告の成果地点として設定する挙動を指します。広告を出すことで売り上げをあげたい場合は「広告経由からの購入」を、問い合わせ数を増やすことを目的としている場合は「資料請求」などをコンバージョンとして設定します。

[6] コンバージョン率(CVR)

クリックまで至ったユーザーのうち、何人がコンバージョンに至ったかを示しています。広告が同じ回数クリックされたとしても、CVRが高いとより多くのコンバージョンを得ることができ、CVRが低いと得られるCV数は少なくなります。CVRについてもシミュレーション作成段階では正確な数値は出せませんが、この数値は広告ではなく広告がクリックされた後のランディングページの質に依存するため、過去に同じサービスで使ったLPのデータなどがある場合は、そのCVRデータを使用するのがおすすめです。

 

参考にできるデータが存在しない場合は、平均的なCVRと言われている2%程度を想定して作成しますが、この平均は業界によっても変動するため、扱う商品の業界における平均的なCVRを調査するとより正確でしょう。

全業界における平均CVRの調査:Wordstream

 

CVRが低い場合、原因はクリックしてからコンバージョンに至るまでの経路のどこかにあると考えられます。例えばLPがわかりにくい、商品を購入するための決済システムに異常がある、などコンバージョンするまでにユーザーが辿る導線を確認して改善点を探す必要があります。

 

参考:What Is a Good Conversion Rate? It’s Higher Than You Think! | WordStream

 

[7] コンバージョン単価(CPA)

Cost Per Actionの略として、CPAとも呼ばれます。下記の式で求められます。

CPA = 消化金額  ÷ コンバージョン数

 

CPAが低い場合、1件あたりのコンバージョンを獲得するのにかかった費用が安い、つまり効率よく効果を得られていることがわかります。目標CPAを上回ってコンバージョン獲得が進んでいる場合、広告費で赤字になる場合もあるので、原因を探して改善を進めます。

 

リスティング広告のシミュレーションの作り方

「シミュレーションを作成する」とは、「特定の期間(1ヶ月など)でいくら予算を消化し、どの程度の結果を出せるかを明確にする」ことです。

ここからは具体的なシミュレーションの作成方法について紹介します。

 

シミュレーションのテンプレートを用意しているので、こちらをコピーしてご利用ください。

広告予算から作成する場合

上記の「リスティング広告に必要な数値」の他、配信設定などをまとめた表を作成し、決まった広告予算から入力します。まずはキーワードプランナーが利用できるGoogle広告から作成します。

費用が記載できたら、出稿したいキーワードについて、Googleキーワードプランナーを使ってCTR、CPC、CVRを確認します。

まずはこちらから、「キーワードプランナーに移動」をクリックして、Googleキーワードプランナーを開きます。「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリックします。

 

出稿したいキーワードを入力します。画面左側の「予測」をクリックし、月予算から日予算の上限を算出し、入力しましょう。

 

シミュレーションにクリック単価(CPC)とクリック率(CTR)を記載しましょう。

 

CVRは出稿して実際に確認するまでわかりませんが、一般的に0.8%~1.5%程でシミュレーションを行います。既に別の広告媒体などで出稿していて、LPのCVRがおよそ把握できている場合はその数字を入れます。

 

予算、CTR、CPC、CVRを入力すると、残りのインプレッション、クリック数、コンバージョン、CPAは計算で算出されます。以上でGoogle広告のシミュレーションは完成です。

 

Yahoo広告はGoogle広告ほど明確に算出ができませんが、Yahoo広告の場合、クリック単価(CPC)は平均でGoogle広告の50%から75%ほどです。今回は75%で計算し、105円としています。CTR、CVRはGoogle広告と同じ想定です。

 

Google広告と同様に、他の数値を計算で埋めていきます。

これで完成です。

 

CV目標数から作成する場合

続いて広告予算は決まっておらず、目標コンバージョン数が決まっている場合のシミュレーションの作成方法です。今回、目標コンバージョン数を30件として算出します。

 

先ほどと同じようにCTR、CPC、CVRをGoogleキーワードプランナーから出し、記載します。

 

あとは計算で広告費がいくら必要か算出できます。

 

リスティング広告シミュレーションを運用に活かす方法

予算または目標獲得数に応じて広告シミュレーションを作成したら、実際に広告の出稿を開始します。しかし実際に配信してみると、シミュレーションと完全に同じように配信が進むことはまずありません。広告出稿後はシミュレーションと実績を照らし合わせながら、想定よりも悪い部分は改善を行ない、効果の改善に活かしましょう。

シミュレーションはフォーマット化して効率よく作成を

新規で広告配信を計画する場合、毎回シミュレーションを作成するのが理想的です。しかし毎度シミュレーションをフォーマットから検討するのは手間もかかり、シミュレーションの様式がずれてしまうと以前のキャンペーンとの比較をしにくいなどデメリットもあります。

ご自身の数値分析に必要な数値をまとめたフォーマットを作成してテンプレート化し、毎回同じフォーマットを使い回すことで、工数の削減や分析の効率アップに繋がります。

こちらのシミュレーションテンプレートを参考に、ご自身で使いやすいようにカスタマイズしてご利用ください。

シミュレーションと運用結果の比較

シミュレーション通りに配信が行なえない場合の調整方法について紹介します。シミュレーションに対して効果が上振れている場合は問題ありませんが、CPAが高く出ている、そもそも配信のボリュームが出せないなどの事象が発生すると、想定していた結果が得られないことに繋がります。

そのような場合はどのように効果改善を行なえば良いのでしょうか。

 CPAが高い場合

シミュレーションで算出したCPAよりも実際の配信のCPAが高く出ている場合、コンバージョン獲得の効率が悪くなっています。CPAが高いままで配信を続けると「予算を使い切った時に想定のコンバージョン数を獲得できていない」「想定のコンバージョン数を稼げるまで配信したら予算が想定を大きく上回ってしまう」などの齟齬が発生します。

 

この場合、もっと獲得の効率をあげるための対応を行なう必要があります。

 

対応1:キーワードの調整を行なう

現在設定しているキーワードの人気が高くCPCが高くなっている、CVRが低すぎるなどが原因で、目標単価内でのコンバージョン獲得が難しくなっている場合があります。この場合はより安いCPCで運用が可能なキーワードに変更する対応が有効です。CPCが高すぎるキーワードや、CVRが悪くコンバージョンに繋がりにくいキーワードは停止し、効率よくコンバージョンを得られるキーワードを探しましょう。

 

対応2:ターゲティングを細分化してクリエイティブを最適化

クリエイティブ(広告見出し、説明文)が魅力的で多くクリックされたとしても、LPの情報や実際の商品が想定とずれている場合、せっかく流入したユーザーがすぐに離脱してしまい、コンバージョンに結びつかなくなります。

クリックはされているので広告費は発生するものの、コンバージョン数が増えないのでCPAの悪化に繋がります。この場合、ターゲティングがずれていないか、誤解を生みやすいクリエイティブになっていないかを精査しましょう。性別やデモグラフィック、配信時間などのターゲティング設定を今一度見直し、矛盾点がないか確認しましょうまた広告見出しや説明文では「誰向けのどんな製品なのか」を明確に示すことが大切です。同じ顧客単価の高い飲食店グループであっても、接待で使用するターゲットと、特別なデートに利用するターゲットでは別の訴求が適切です。単に「ラグジュアリーな空間」「最高級の素材」を見出しに入れるよりも、「ハイエンドな個室空間で大切な方をもてなすご接待・会食を」「最高級の素材で特別な夜を華やかに演出」と具体的にシチュエーションを想像させることでCTRは改善します。

ただし、CTRアップを狙って思わずクリックしたくなるような見出しをつけても、製品やサービスの実態と乖離していると、かえってCVRの悪化を招くこともあるので過剰な見出しには注意する必要があります。

広告のボリュームが少ない場合

CPAは目標以内で獲得ができているのに、思ったより予算の消化が進まない。このまま配信を継続すると、期間内に目標のコンバージョン数を稼げないかもしれない。こんな場合はどうすれば良いでしょうか。

 

対応1:上限クリック単価をあげる

上限クリック単価を引き上げることで、目標CPA以下でコンバージョンを得られる可能性があります。段階を踏んで単価を少しずつ引き上げ、CPAを目標内に収めた状態でどこまで消化金額を拡大できるか検証してみましょう。

 

対応2:ターゲティングを調整(広げる)

オーディエンスが狭くてこれ以上配信を広げにくい状態になっている可能性があります。

初期の段階で、広告を配信するデバイスや配信する時間、ターゲットの年齢や性別を絞りすぎている場合制限を緩くすることでリーチできるターゲットが広がり、取りこぼしていたコンバージョンを獲得できる可能性があります。

リスティング広告運用には事前のシミュレーション作成が鍵!

リスティング広告を出稿する際の、シミュレーション作成についてご紹介しました。

自社や個人で広告出稿をする場合、手間がかかるためシミュレーション作成を省いてとりあえず出稿し、配信しながら改善する運用担当者も多くいます。しかしその場合、目標に対する実際の運用状況の乖離を把握しにくくなったり、問題の検知が遅くなるなど、結果的に運用がうまくいかない原因となっていることがあります。

 

多少の手間を惜しまずシミュレーションを作成することで受けられる恩恵は大きいので、特に運用経験の少ない方はシミュレーション作成に挑戦することをおすすめします。

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