Instagram広告のターゲティングとは?種類から他の広告との違い、CVに繋げる効果的な設定方法まで解説
InstagramのフォロワーやCV獲得において、Instagram広告は有効な手段の一つです。とくに他の広告と比べてターゲティングを細かく設定できる点が特徴です。現在Instagramを運用していて、広告の出稿を検討している方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Instagram広告のターゲティングについて、どのような設定ができるのかや、他の広告とは何が違うのかについて解説します。Instagramで追っているCV獲得の参考になれば幸いです。
目次
Instagram広告のターゲティングの種類
Instagram広告では、多様なターゲティングができます。大きく分けて4つの種類のターゲティングがあります。
ユーザー属性ターゲティング
InstagramはFacebookと連携しているため、Facebookの登録情報を用いたターゲティングが可能です。
地域
地域をキロ単位で設定できます。
例えば、東京都で新宿区だけに存在するサービスを、Instagram広告で新宿区に住んでいる人のみに広告の出稿が可能です。この場合かなりコアなターゲティングになりますが、複数の地域を設定し、費用対効果の高い成果を期待できます。
また選択した地域を外した広告の配信も行えます。
年齢
13歳から65歳までの範囲でターゲットを絞れます。
ただ年齢だけの設定だと、精度の高いターゲティングはできません。Facebookアカウントを持っているInstagramユーザーのみ、正確な年齢の特定が可能です。絞った年齢から外れることも頭に入れ、性別や地域など細かいターゲティングによる出稿がおすすめです。
性別
男性と女性すべてか、もしくはどちらか一方かで設定できます。
どちらかの性別に特化したサービスにおいては、性別のターゲティングで大きくターゲットを絞り、必要以上に費用をかけずにアプローチできます。
属性
学歴や仕事、子どもの有無など、特有の属性でのターゲティングもInstagram広告の特徴です。
広告を見せたいターゲットが詳細に決まっている場合は、属性の設定で精度の高い広告出稿を実現しましょう。
インタレストターゲティング
Instagramでのユーザーの動きから、そのユーザーが興味のあることを分析したターゲティングが可能です。Instagramの利用者がとったアクションから、興味関心や行動を分類します。例えば、以下のようなデータをもとにした分類を行います。
- フォロー中のアカウント
- 使用中のハッシュタグ
- 検索したワード
- いいねやコメントをした投稿
- 位置情報
Instagram上でのデータをもとに、自社サービスと相性が良いユーザーに対してアプローチができるのがInstagram広告の大きな特徴です。
興味関心
以下の項目でターゲティングができます。
- スポーツ、アウトドア
- テクノロジー
- ビジネス、業界
- フィットネス、ウェルネス
- レジャー施設
- 家族と交際関係
- 食品、飲料品
例えば、スイーツを提供しているお店が運用しているInstagramアカウントの場合、食品の中から「スイーツ」などを設定すれば、スイーツ好きのユーザーへのアプローチが可能です。
行動
以下のような項目でターゲティングができます。
- 政治
- 旅行
- 消費者の分類
- 記念日
- 購入行動
カスタムオーディエンスターゲティング
カスタムオーディエンスでは、既に持っているリストのユーザーに絞って広告を配信できます。自身で集めたリストのため、確度の高いアプローチが可能です。
類似オーディエンスターゲティング
類似オーディエンスターゲティングは、カスタムオーディエンスをもとにした類似するユーザーへのターゲティングが可能です。
カスタムオーディエンスよりは確度は低く、見込み顧客としてCVユーザーになり得るターゲットに対して広告配信を行えます。
他の広告とInstagram広告のターゲティングの違い
Instagram広告は、Facebookの登録情報を活用しているため、他の広告よりもユーザーの属性や条件を踏まえた細かい設定によるターゲティングが可能です。ただ、InstagramユーザーでFacebookを登録していない人もいます。その場合、ユーザーの個人情報は特定できないため、フォローしているアカウント情報から予想した情報をもとに広告が配信されます。
Instagramアカウント数は3,300万を超えており、SNSの利用者数ではトップクラスの規模を誇ります。加えて利用者の大半は10代から20代の若年層です。若年層に向けたサービスのアプローチ方法としては、他の広告よりも費用対効果が見込めるでしょう。
他の広告と大きく異なるInstagram広告の特徴は、質の高い画像や動画による訴求ができる点です。インスタ映えというワードが一時的に流行しましたが、Instagramのユーザーは綺麗な写真や動画に対しての感度が高く、広告に使用するクリエイティブが他の広告よりも重要になります。
またターゲティングとは異なりますが、他の広告に比べてInstagram広告の種類は豊富です。以下の5つの種類から自社コンテンツに合った広告を選択できます。
- 画像とテキストで訴求できるベーシックな「フィード広告」
- 写真や15秒以内の動画で臨場感のある配信ができる「ストーリーズ広告」
- 1つの広告で複数の写真もしくは動画が配信できる「カルーセル広告」
- 1つの広告で複数の商品を紹介できる「コレクション広告」
- フィードの広告と同じフォーマットで発見タブに掲載できる「発見タブ広告」
Instagram広告と相性が良い商品・サービス
10代や20代など若い世代の利用者が多いため、アパレルや美容、コスメ、若い人が購入しやすい価格帯の商品などと相性が良い傾向にあります。
実際に、コスメやアパレル系の自社商材をInstagramでPRしているアカウントがInstagram広告を活用しているケースが多いです。
またコスメなどの若者に人気があり、かつ有形の商品はインフルエンサーとコラボがしやすいため、著名人を使用したInstagram広告もよく見られます。
Instagram広告のターゲティングの設定方法
Instagram広告のターゲティングの設定について、実際に設定している画面を見ながら確認していきましょう。
1.カスタムオーディエンスを設定
カスタムオーディエンスは、自身が持っている利用者のデータを活用して広告を配信します。例えば、自社のサイトに訪れたユーザーに絞るなど、ターゲットをカスタムしてアプローチをします。
2.地域を設定
続いて地域を設定します。「東京都」など指定した地域に住んでいる人や訪れた人に対して設定が可能です。いつその人が訪れたか、現在居住中なのか、旅行中なのかも決めることが可能です。
例えば実店舗が東京都にあるアカウントなら、周辺の10キロ圏内に向けて広告を配信することもできます。
3.年齢・性別を設定
年齢と性別の設定でよりターゲットを絞り、CV獲得において効果的なターゲティングを行います。
4.詳細ターゲット設定で興味関心・行動について設定
より詳細にターゲットを設定し、CVされる率を高めていきます。
Instagramユーザーが関心のあることと、自社のサービスの特徴がマッチする部分を設定し、サービスに対して関心度の高い見込みユーザーにアプローチしましょう。
Instagram広告のターゲティングにおける注意点
Instagram広告では、過度にターゲティングをすると広告費の高騰を誘発したり、狙った効果が見込めない場合があります。
ターゲティングのメリットは、確度の高い見込み顧客に対した広告を打てる点です。そのため、他の広告よりも費用対効果が見込めます。
ただターゲットを絞り過ぎると、見込みユーザーのパイが少なくなってしまい、広告費をいくらかけてもCVに繋がらないリスクがあります。
最適なターゲティングを見つけるために、まずは少額から複数のパターンでPDCAを回すのがおすすめです。
Instagram広告のターゲティングを成功させるポイント
適切なターゲティングを行うために、以下の点を意識した広告の出稿を検討しましょう。
自社の商品・サービスに沿ったペルソナの設定
ターゲティングの設定をする前に、自社のペルソナを明確にしましょう。
ターゲティングの失敗は、広告費の高騰とCVRの低下を招きます。広告の出稿前に、どのようなペルソナの設定がもっとも最適か検討し、最初は実験的に広告を打つのがおすすめです。
複数のターゲティングによる広告を並行して実施
単体の広告出稿は、CVに繋がる可能性が低く、スピード感もありません。
どのターゲティングがもっとも効果が高いかわからないため、複数のターゲティングパターンによる広告の出稿を推奨します。少額で複数の広告を試してみましょう。
冒頭で興味を引くクリエイティブの作成
Instagram広告で重要なのが、クリエイティブの質です。
簡素なクリエイティブだと、Instagramではデザイン性の高い競合アカウントの広告に埋もれてしまいます。クリエイティブにこだわった広告の出稿を意識しましょう。
Instagram広告の出稿事例
実際にInstagram広告を出稿し、CV獲得に繋げている事例を紹介します。
消費者インサイトに基づくInstagramキャンペーン(パナソニック)
パナソニックはInstagram広告の出稿により、オーブントースターの売上の最大化を測りました。
見込みユーザーがどのような広告に惹きつけられるか徹底的に分析を行い、分析結果を生かした広告のクリエイティブを作成しています。
加えて、フィード広告やストーリーズ広告などInstagram特有のさまざまな訴求方法を活用し、認知からCV獲得までの導線設計を行いました。
参考:https://business.instagram.com/success/panasonic-japan/
親近感の醸成によるブランド好意度の向上(日本航空)
日本航空は、幅広いオーディエンスに効率的にリーチすることを重視し、Instagram広告によりスポーツファンにブランドを身近に感じてもらうための施策を実施しました。
まだ見込み段階のラグビーファン層への訴求に有名なアスリートを起用し、ラグビーを楽しく学ぶためのストーリーズ投稿を制作しました。
ストーリーズ広告は情報量の多い視覚的な訴求が可能ですが、数秒の視聴ですぐに次のストーリーズに移行されるリスクもあります。そのため、いかに長く視聴してもらうかの工夫が必要です。日本航空の場合、ブランドのロゴを入れて日本航空の広告であることを示し、加えてキャッチしてもらいたいメッセージをテキストで表示させるなどして、ブランドの好意度を高める広告発信を行いました。
参考:https://business.instagram.com/success/japan-airlines/