「売れるLP」を依頼する前に考えるべきことは? 成果を上げる改善ポイントも紹介
売れるランディングページ(LP)には条件や共通点があります。
本記事ではLPの基本的な「型」を確認したうえで、売れるLPを作るために「依頼主が考えるべきこと」にフォーカスを当てて紹介していきます。「デザインが得意な制作会社へ依頼しているのに、なかなか成果が出ない」とお悩みの方は、ぜひヒントに活用してみてください。
目次
売れるランディングページ(LP)の条件
売れるLPとは、単に「おしゃれでかっこいい」「有名なデザイナーが手がけている」といったものではありません。もちろんデザイン性やブランドイメージは重要ですが、それだけで購入や問い合わせといった成果につながるわけではないのが現実です。
売れるLPの本質は、「ユーザーが理解しやすく、購買意欲が高まり、迷わず行動できること」。つまり、デザインの美しさよりも、ユーザー視点で設計されているかどうかが重要なのです。
- ◎売れるLPの傾向
- ・誰に向けたLPなのかが一目で分かる(ターゲットが明確である)
- ・ユーザーの悩みや課題に対して、的確な答えを提示している
- ・商品・サービスを利用するメリットが具体的にイメージできる
- ・LPの目的が1つである(「電話する」「お試しセットを購入する」など)
- ・行動(購入・問い合わせ)までの流れがシンプルで迷いがない
- ×売れにくいLPの傾向
- ・情報量が多すぎて何を伝えたいのか不明瞭
- ・デザイン性にこだわりすぎて視認性に欠ける
- ・狙っているターゲットと提示する情報が合っていない
- ・ユーザーの悩みに寄り添わずに押し売りしてしまっている
- ・購入するメリットがイメージしにくい
- ・実績の提示がなく信頼性に欠ける
成果を上げているLPの多くは、心理学やマーケティング理論に基づいた“王道の型”に沿って作られています。ユーザー心理の流れに合わせて情報を配置することで、初見の人でもストレスなく読み進め、購買行動ができるLPとなるでしょう。
売れるランディングページ(LP)に使われている基本の型と構成要素
売れるLPには、共通して使われている「基本の型」があります。その代表例が、マーケティングの基本として広く知られているAIDAの法則。ユーザーが商品やサービスを知り、最終的に行動するまでの心理プロセスを整理したフレームワークです。
AIDAとは、以下の4つの頭文字を取ったものです。
- ・Attention(注意)
- ・Interest(興味)
- ・Desire(欲求)
- ・Action(行動)
ここでは、バリューエージェントが制作した「関西ブライダル」のLPを例に、AIDAの法則に沿った構成要素を紹介します。
Attention(注意)
Attentionは、LPを訪れたユーザーの注意を引きつけるフェーズです。ここで、離脱されてしまうか読み進めてもらえるかが決まります。「LPの顔」ともいえる要素でしょう。
①ファーストビュー
ファーストビューは、LPを開いたときにスクロールせずに見える最初の範囲です。ファーストビューには、キャッチコピー、簡潔なサービス説明、画像、分かりやすい実績などを含めましょう。ひと目で「自分に関係がある」と感じてもらえるようにすることが、離脱されない秘訣。ターゲットに合った画像、色味、テキストになっているか十分に検討しましょう。
②キャッチコピー
キャッチコピーは、ユーザーの注意を引くために目立つ位置に配置されたテキストです。「誰に向けた何のサービスなのか」や「どんな悩みを解決できるのか」を一瞬で伝えることが求められます。テレビCMなどのブランドコピーでは抽象的な表現も使われますが、LPにおいては具体的な言葉で直接的に示す方が効果的な場合が多いでしょう。
Interest(興味)
Interestは、ユーザーに「もう少し詳しく知りたい」と思ってもらうフェーズです。ユーザーの悩みに寄り添い、解決手段として実績を提示することがポイントになります。
③悩みの提示と共感
「こんな悩みはありませんか?」と、ターゲットが抱えている課題を言語化します。ターゲットの状況と一致できていれば、自然と読み進めてもらえるでしょう。なお、企業側が伝えたいことではなく、ユーザーが感じている「不」(不安や不満)を起点に構成することが大切です。
④実績
興味を持ったユーザーは、「本当にこの商品・サービスで悩みが解決できるのか」という疑問を抱きます。その疑問に応えるのが実績の提示です。数値的根拠や第三者からの評価などを具体的に示し、信頼性を高めましょう。利用者数、販売実績、成果(顧客満足度)、受賞歴、メディア掲載実績などがこれにあたります。
Desire(欲求)
Desireは、「このサービスを選びたい」といった欲求を高めてもらうフェーズです。ここでは、ユーザーに事例や口コミなどで利用後の未来を具体的にイメージさせることが必要です。
⑤事例詳細
実際の事例を紹介することで、「自分にも同じ結果が得られるかもしれない」という期待を持ってもらえます。どんな課題があり、どのように解決され、どんな成果が出たのかをストーリーとして伝えると効果的でしょう。事例となった企業(人)の属性や状況、「〇ヶ月で△件の成果が出た」といった数値をできるだけ含めるとより解像度が高まります。
⑥お客様の声
実際の顧客による評価・口コミは、ユーザーの不安を払拭する強力な要素です。リアルな感想や具体的なコメントがあると、信頼感が一気に高まります。写真や属性(年代・業種など)を添えると、より説得力が増すでしょう。
Action(行動)
Actionはいよいよ、ユーザーに実際の行動を促すフェーズです。これまで積み上げた流れをスムーズに成果へつなげられるよう、ストレスのない動線設計が重要となります。
⑦CTAボタン
CTA(Call To Action)ボタンとは、「購入する」「お問い合わせ」「資料請求」など、ユーザーに行動を促すためのボタンです。LPの成果にダイレクトに直結する要素のため、デザイン、文言、配置など要素の一つひとつに注意を払う必要があります。視認性の高い色、具体的な行動を示す言葉を使い、ページの複数個所に配置してユーザーがすぐにアクションできるよう設計しましょう。
⑧入力しやすいフォーム
フォームは必要最低限の項目数とし、分かりやすく、入力しやすい設計で作成しましょう。入力項目が多すぎると、せっかくCTAボタンを押したユーザーも行動意欲が下がってしまうかもしれません。入力エラーがリアルタイムで表示される仕組みや、進捗状況が分かるステップ表示なども、入力完了率を高める工夫として検討してみましょう。
売れるランディングページ(LP)を作るために依頼主が考えるべきこと
売れるLPを作るうえで、デザインや構成の「型」以前に大切なのが、「ターゲットがいまどの段階(ステージ)にいるのか」を正しく把握することです。同じAIDAの法則に基づいた構成であっても、ターゲットの状態が異なれば、必要な情報や刺さる訴求は大きく変わります。
制作会社や広告代理店にLP制作を依頼する際、「売れるLPを作ってほしい」と伝えるだけでは、どうしても抽象的な要望になりがち。本当に売れるLPにするためには、依頼主(企業)側がターゲットのステージを理解し、依頼時に言語化する必要があるのです。ターゲットに刺さる的確な訴求を見いだせれば、他社との違いが明確になり、競合に勝つLPを作ることができるでしょう。
ターゲットのステージは大きく分けて以下4つです。
※引用元の動画内ではパーソナルジムのLPを例として紹介
引用:【超重要】LPの出来によって売上が大きく変わります!LPのノウハウを大公開
それぞれのステージにおけるユーザーの状態と、どのようなLPなら効果を発揮できるのかを紹介していきます。
ステージ1:購入直前
すでに商品やサービスをよく理解しており、「あとは申し込むかどうかを決めるだけ」という状態のユーザーです。会社名や商品名を指名検索してLPにたどり着くケースも多く、認知や理解はほぼ済んでいます。
このステージでは、細かな説明を重ねすぎるよりも、安心して行動できる材料をシンプルに提示するLPが効果的でしょう。
- 【購入直前ステージのLPポイント】
- ・ブランド名や商品名を前面に出す
- ・CM動画やブランドコピーをそのまま活用する
- ・短めのLPに明確なCTAボタンを配置する
逆に、ダラダラと前提説明をしすぎてしまうと、決断を先延ばしにさせてしまう可能性もあるため注意しましょう。
ステージ2:会社やサービスの申込みに興味あり
「この会社の商品が良さそう」「気になっている」という段階のユーザーです。商品名や会社名は知っているものの、具体的な内容までは理解していないケースが多く見られます。このステージでは、興味を確信に変えるための情報提供が重要です。
- 【興味ありステージのLPポイント】
- ・どのような商品、サービスの内容なのか
- ・他の商品・サービスと何が違うのか
- ・利用するとどんなメリット、ベネフィットがあるのか
- を事例や実績を交えて分かりやすく噛み砕いて伝える
ステージ3:比較検討中
「サービスや商品を使うこと自体は決めているが、どの会社・サービスにするか迷っている」という段階です。ユーザーにとっては「似たような会社が数多くあるなかの1社」に過ぎず、会社名や商品名の認知がない場合もあるでしょう。複数社のLPを見比べながら、条件や特徴を細かくチェックしているユーザーに対し、他社との違いを明確に打ち出すことが重要です。
- 【比較検討中ステージのLPポイント】
- ・具体的な事例や成果の数値
- ・第三者からの評価、受賞歴
- ・お客様の声、口コミ
- ・サポート体制やアフターフォロー
- など、「なぜこの会社を選ぶべきなのか」を論理的かつ具体的に伝える
ステージ4:顕在化前
「こうなりたい」という漠然とした願望はあるものの、どの会社、どの商品にすべきか、どの方法を選ぶかさえもまったく決まっていない状態のユーザーです。このステージのターゲットに無理に商品を売ろうとしても逆効果。LPでは「売ること」ではなく、課題を自覚させ、選択肢の一つとして認知してもらうことから始めましょう。
- 【顕在化前ステージのLPポイント】
- ・悩みや課題の言語化
- ・放置した場合のリスク提示
- ・解決策の一例としてサービスを紹介
このステージは認知から興味醸成、購入の後押しまで丁寧に流れを展開していく必要があるため、4つのステージのなかでも最もボリュームが必要となるでしょう。
このように、ターゲットがいるステージによって適切なLPの内容や情報量は大きく異なります。制作会社へ依頼する前に、「どのステージのユーザーに向けたLPなのか」をまずは自社内で明確にすることが、「売れるLP」への近道となるでしょう。
ROASを合わせて成果につなげるためのLP改善ポイント
ROAS(Return On Advertising Spend)とは、「広告の費用対効果」を表す指標で、「広告からの売上÷広告費×100」で求められます。
LPを制作・公開したあと、「想定よりもROASが合わない」「広告費をかけても成果が伸びない」というケースは珍しくありません。その場合、デザインやコピーを感覚的に修正するのではなく、論理的に改善ポイントを洗い出してABテストを繰り返すことが重要です。
まずは、前章にて紹介した「ターゲットのステージ」を改めて見直してみましょう。そのうえで、以下のポイントを中心にABテストを行うと成果につながりやすい傾向があります。
コンテンツの方向性
ROASが合わない原因としてよくあるのが、そもそも狙っているユーザーのステージと、LPの内容が合っていないケースです。
たとえば、購入直前であるステージ1のユーザーに対して、長々と悩み共感のコンテンツを見せていないでしょうか。逆に、顕在化前であるステージ4のユーザーへ、簡素なLPで訴求していないでしょうか。
ターゲットのステージとLPのコンテンツにズレがある場合、部分的な改善では効果が限定的です。思い切ってLP全体の構成を見直すか、ステージ別に複数のLPを用意することを検討しましょう。
リスティング広告を実施している場合は、どんなキーワードで流入しているのか把握できると思います。配信結果を分析材料に使いながら、本当に狙うべきステージに合ったコンテンツになっているかを見直してみましょう。
ファーストビュー
ファーストビューは、LPのなかでも特に離脱率改善に直結しやすいポイントです。さまざまな要素でABテストを繰り返すことで、最もROASの高いパターンを見つけ出しましょう。
たとえば、以下のような要素に検証余地があるでしょう。
- ・キャッチコピー:数字で機能やスペックを伝えるコピーか、商品を使うとどんな自分になれるかを伝えるコピーか(ベネフィット)など
- ・メインビジュアル:商品画像かモデルの写真か、それともイラストかなど
- ・権威付け要素:「販売実績〇〇万個」「顧客満足度〇〇%」といった実績を、どの位置に、どのようなデザインで配置するかなど
CTAボタン
成果に直結するCTAボタンは、成果率を高めたいなら真っ先に改善すべきポイントと言えるでしょう。視認性が高いか、ユーザーのストレスになっていないか、ユーザー心理に寄り添った文言で訴求できているかなど、多面的に検証を重ねましょう。
たとえば、「送信」「申込」といったシンプルな文言よりも、「無料で相談する」「今すぐ試してみる」といった具体的なアクションを示す言葉の方がクリック率は高いかもしれません。
また、ボタンの周辺に「1分で簡単完了」「入会金無料」といったマイクロコピーを添えることで、ユーザーの心理的ハードルを下げる効果も期待できるでしょう。
文言だけでなく、コンテンツの流れに沿った位置に適宜ボタンが設置されているか、複数のボタンがありすぎて煩雑になっていないかなど、細かな配置も俯瞰して見直すことが重要です。
フォーム
フォームもCTAボタン同様、成果に直結する要素です。入力項目が多すぎたり、必須項目が分かりにくかったりすると、それだけで離脱率が高まってしまいます。
フォームでたくさんの情報を収集しようと欲張ることなく、本当に必要な項目だけに絞ってみましょう。また、任意項目と必須項目を明確に区別してください。どの項目が本当に必要なのかを判断するために、ABテストで項目数を減らしたパターンと比較するのも有効です。
ほかにも、入力内容が分かりにくい場合は補足説明をつける、スマートフォンでも入力しやすい画面設計にするなど、フォームを最適化するためだけでも多くの要素が挙げられます。これらのABテストを日々繰り返すことで、LPのROASを最大化していきましょう。
自社のターゲットを「ステージ」から見直して売れるLPを作ろう
本記事では売れるLPを作るための構成要素や「ターゲットのステージ」を紹介しました。
LPで成果を出すために必要なのは、スタイリッシュなデザインが作れる制作会社や代理店ではなく、自社の深いターゲット理解です。LPを制作会社に依頼する前に、どのステージのユーザーに向けたLPなのか、まず依頼主側が整理しておくことが重要でしょう。
そして、このノウハウはLPに限らずすべてのマーケティングにおいて活用できますので、YouTube運用やLINEでの顧客コミュニケーションにも横展開してみてください。
ちなみに、「自社のターゲットがどのステージにいるか分からない」「社内で整理しきれない」という場合はバリューエージェントにご相談ください。中小企業を中心に1,800件以上の相談実績をもつ当社が、マーケティング視点から現状を分析し、成果につながるLPを制作します。























