伸びる会社はやっている! 成長する中小企業の経営者が実践している大切なこと
伸びる会社と伸びない会社では、何が違うのでしょうか。伸びている会社の社長に共通するのは、頭の良さでも、優しさでも、厳しさでもありません。本記事では、250社以上の中小企業と取引し、自身もバリューエージェントの代表を務める上野山 光雄氏にインタビュー。成長する中小企業に本当に必要な6つのポイントを聞きました。
動画でもポイントや具体的なエピソードを紹介していますので、合わせてご覧ください。
目次
社長としてのスタンスをブラさずに徹底する
伸びる会社に共通するのは、ひとことで言えば「徹底力」です。「こういう会社を作りたい」とイメージした方向性をコロコロと変えることなく、統一されたスタンスで、社長自身の行動や組織文化の醸成をしていきましょう。
良くない例として、たとえば「社員の主体性を大切にする」と言ってるのに、社員を縛り付けるルールだらけの会社や、「指示命令系統を統一してパフォーマンスを最大化させたい」と言っているのに、社長と社員の距離が近くて直接アドバイスしてしまう会社などが挙げられます。
厳しい社長、優しい社長、とにかく儲けのみを考えている社長……会社によってスタンスはさまざまで、どれも正解です。しかし、スタンスは「混ぜるな危険」。「自分が何を一番大切にしたいか」を考え、会社で実現したいことに落とし込み、それを徹底してやり抜いてください。
うまくいかないとき、社長は方針に悩むものですが、経営コンサルの言うことにとりあえず流されるのではなく、自分のスタンスを信じて進みましょう。
長期的な成功を目指すなら企業理念を重視する
短期的に利益を出すだけなら「徹底度」があれば十分ですが、経営者として、自分の人生の幸福感を考えるなら、企業理念・ミッション・ビジョン・バリューなどが欠かせません。明確な企業理念は会社の軸となり、自分が行動するための指針となります。あなたの行動、意思決定が会社を作り上げます。
また、社長ひとりでやり抜くのではなく、社員の協力を得て、組織全体で中長期的に成長する企業になっていくことを考えると、「企業理念に沿った行動を徹底」すべきです。また、企業理念は社員一人ひとりの目標にも反映させ、着実に意識・浸透させるようにしましょう。
たとえばバリューエージェントの場合、経営理念やミッション、ビジョン、それに紐づく5項目のバリューや20項目の行動指針を詳細に言語化し、社員に共有しています。
なお、業績が厳しい時期でも企業理念は曲げないことで、理念に共感する人材が残り、組織の結束力が強まるケースもあります。バリューエージェントでも過去には売上が1年間で4分の1になってしまったことがありましたが、理念を変えずに守り抜くことで、逆境を乗り越えることができました。
顧客の役に立つことを追求する
これはWEBマーケティングを提供するバリューエージェントの経営理念のひとつでもあります。WEB業界に限らず、「売ったら終わり」「予算を消化すればOK」「顧客のことがよく分からないままビジネスをしている」というスタンスの会社はあるでしょう。しかし、顧客理解ができていなければ本当に適切なサービスを提供することはできません。また、顧客のためになることを考え抜いた結果、新しいビジネスモデルの発見につながる場合もあります。
価格ひとつとっても、なんでも安い方がいいわけではありません。たとえばコンビニにある商品は、スーパーやドラッグストアで買う場合より高い値段で設定されています。しかし、高くても「すぐに買える」メリットが大きいため、出先ではスーパーではなくコンビニに立ち寄る方も多いのではないでしょうか。コンビニは「日常生活で役に立つ」ことを追求した結果、ここまでたくさんの店舗に拡大できていると言えるでしょう。
また、葬儀サービスを提供する「小さなお葬式」は、これまで対面でのやりとりが当たり前だった葬儀の手続きを、ネットで申込できるようにしたサービスです。「バタバタしているときに対面で営業されるのは煩わしい」「価格が不明瞭で分かりにくい」など、葬儀に対して顧客が抱えていた不満や不安に向き合ったからこそ、全く異業種からの参入にも関わらず、急成長を遂げています。
逆に、旧態依然とした会社は成長が期待できません、常に顧客のことを考え、時に時代に合わせてアップデートしながら、需要に向き合っていきましょう。
自社の強みを理解し、競合他社と差別化する
伸びる会社は自社の強みを正しく理解し、それを他社との差別化に活かしています。強みを言語化したうえで、活かせるターゲットを分析し、経営戦略を練りましょう。
「価格の安さ」「技術力」「スピード対応」など、強みは会社ごとに多種多様です。たとえば1000円カットで有名なヘアカット専門店「QBハウス」は、圧倒的な安さと10分という早さを武器に、そのほかの美容室と大きな差別化を図りました。「わざわざ髪に1時間1万円も掛けたくない」というターゲットのニーズと合致して、低単価でも利益を生むことに成功しています。
また、当社バリューエージェントの場合、「中小企業向けのWEBマーケティング」に特化することで差別化を図っています。マーケティング業界には「広告」「SEO」「制作」などそれぞれ専門の会社がありますが、バリューエージェントはこれらをすべて包括。それぞれのプロを社内に抱え、「中小企業のマーケティングの悩みならなんでも対応できる」組織を作っています。
なお、強みを言語化する際に重要なのは、顧客に伝わる言葉で言語化すること。自社を客観的に見つめて分析することが難しい場合は、マーケティング会社に頼るのも一つの手です。
経理・財務に強くなり、最適な資金繰りをする
利益が出ていても、資金繰りに失敗すれば会社は倒産するもの。会社を長期的に伸ばしていきたいなら、社長自身が経理・財務の基本を理解し、上手に資金繰りをしていくことが重要です。
たとえばホームページ制作会社の場合、「完成してからクライアントに費用を請求」とすると、資金繰りに苦戦する可能性があります。長期的なプロジェクトであればあるほど、請求が発生するまでの社員の給料はどこから捻出するのか、注意して考えなければなりません。バリューエージェントの場合、6ヶ月かかるホームページ制作は6分割で支払いをお願いすることによって、資金繰りリスクを低減させています。
また、資金調達の要否や方法も、ビジネスモデルによってさまざまです。サブスクサービスなど、初期投資が膨大に必要で売上は少しずつしか上がらないようなサービスは事前の資金調達が必要ですが、コンサルタントなど自分の身ひとつで稼げるサービスでは不要でしょう。
調達先も、ベンチャーキャピタルや投資家であれば数倍の高いリターンを要求されますが、銀行であれば年利1~2%で収まります。どこから資金を調達するかによって、求められる成長スピードが変わるため、慎重に選定しましょう。
加えて、いわゆる「節税対策」には要注意です。思わぬ利益が出た年に、税理士に言われるがままに保険加入や営業車の買い替えをしてしまうと、のちに資金不足で困るリスクが高まります。投資は事業に必要な範囲内に抑えましょう。
営業を強化する
伸びる会社は営業が強いです。逆に、どんなにいい商品を持っていても営業力が弱ければ会社の売上は伸びていきません。プロダクト開発だけに力を注ぐのではなく、日々の地道な営業や問い合わせ対応を丁寧に実施しましょう。
商品に強みがあれば一番ですが、差別化ポイントが見つかりにくい場合、営業力で差別化していくのもひとつの戦略です。たとえば、保険会社の営業マンは類似した商品ラインナップを持っていたとしても、会社によってまったく営業成績が異なるものですよね。営業のプレゼン能力やプランニング力、アフターフォローなどで他社と大きな差をつけられる可能性はあるでしょう。
また、営業力の高さは商品開発にも活かせます。たとえばセンサーなどの機器を開発・販売するキーエンスは、顧客からのヒアリングを開発担当にフィードバックすることで、新たな商品開発につなげていると聞いたことがあります。営業が顧客の悩みをヒアリングしてくることで、自社の強みや差別化ポイントを明確化し、ニーズに応える新たな商品を生み出すという、良好なサイクルを回せると理想的でしょう。
伸びる会社を目指して徹底的にやり抜こう
今回は伸びる会社の特徴を6つ紹介しました。
- 社長としてのスタンスをブラさずに徹底する
- 長期的な成功を目指すなら企業理念を重視する
- 顧客の役に立つことを追求する
- 自社の強みを理解し、競合他社と差別化する
- 経理・財務に強くなり、最適な資金繰りをする
- 営業を強化する
どの項目においても大切なのは「徹底的にやり抜くこと」。バリューエージェントではさまざまな会社のWEBマーケティングを支援していますが、ブレないスタンスのある会社のほうが、明らかに成果も伸びていきます。
WEBマーケティングの必要性を感じていて、主体的に取り組んでいきたいと考えている方は、ぜひバリューエージェントにご相談ください。250社以上の中小企業を見てきた経験をもとに、全国の中小企業に少しでも貢献できたらと願っています。



