BtoBにおけるWEBマーケティングの仕事内容とは?〜中小・ベンチャー企業編〜

BtoBにおけるWEBマーケティングの仕事内容IT技術の発展、SNSの一般化などにより、昨今ではWebマーケティング人材の不足があらゆる企業の課題として挙げられています。

それに伴い、Webマーケティングに関わる求人を見る機会も増えたかと思います。

そのような状況を鑑みて、今回は、Webマーケティングの仕事内容、特にBtoBにおけるWebマーケティングの仕事内容を、中小・ベンチャー企業の規模感に合わせて解説いたします。

BtoBのWebマーケティング職に就きたいと考えている方、手に職をつけたいと考えている方の参考になりましたら幸いです。

BtoBにおけるWebマーケティングとは?他との違い

Webマーケティングとは?

Webマーケティングは、文字通りWeb上でマーケティングを行う仕事です。

BtoBでのWebマーケティングは、広告やSEOの観点で記事を書いてターゲットの集客を行ったり、メルマガを発行したりとBtoCでも行う一般的なWebマーケティングの業務を行います。

しかし、BtoBはBtoCと異なり、問い合わせや実際の購入において複数人の担当者が関与するのが通常です。

そういった点で、BtoCのWebマーケティングよりも複雑で難易度が高いと言えます。

デジタルマーケティングとは?

Webマーケティングと似た言葉で、デジタルマーケティングという言葉も良く耳にすると思います。

デジタルマーケティングはWebマーケティングよりも広義で、BtoBでいうと例えば、リード獲得の為の広告、ホットリード育成の為のメルマガ、既存顧客からの問い合わせビックデータを活用したマーケティング施策などを実行します。

コンテンツマーケティングとは?

また、コンテンツマーケティングという言葉もあります。BtoBでは定番になっているマーケティング施策です。

Google等の検索エンジンで情報収集をする事が多いBtoBでは、SEOからの流入を狙った記事等のコンテンツの制作、最近のトレンドでもある動画コンテンツ、オフライン領域のセミナーや説明会等もコンテンツとして制作します。

SNSマーケティングとは?

SNSマーケティングは、イメージしやすい人も多いと思います。最近ではBtoB企業もSNSアカウントを作成して、発信を強めています。

会社のブランディング力を上げたり、顧客から意見を吸い上げる手段として活用したり、時には採用にも使われたりします。

BtoBでのSNSマーケティングは、サービスの新機能リリースや、会社としての取り組みの紹介等のPRとしても活用されます。

BtoBにおけるWebマーケティングの仕事内容

BtoBにおけるWebマーケティングの仕事内容を、戦略立案編、プランニング編、実行編の3つに分けて説明します。

webマーケティング

戦略立案編

まずは戦略立案編です。

BtoBの戦略立案は、BtoCよりも難易度が高めです。BtoCでは、アプローチするターゲットユーザーが意思決定をし、問い合わせや購入を自ら行う事が一般的ですが、BtoBではアプローチする人物と意思決定をする人物が別に存在します。

BtoB商材が導入されるシーンとして、上司から「最近このサービス流行ってるみたいだけど使えるか見ておいて。」と指示を受けたり、現場担当者から「このサービスを導入したいと思っています。」と社内提案が行われたりといったケースは珍しくありません。

BtoBのWebマーケティングでは、実際にアプローチをする人物と導入の意思決定を行う人物が別々であることが一般的である為、戦略立案も難易度が上がります。

そして、戦略が明確化されていないと、Webマーケティングを行う中で、何が正解で何がダメなのかが分からなくなることがあります。

SNSでフォロワーを増やそうとしているけど、何の為に増やしてるんだっけ?フォロワーを増やした後って何をやるんだっけ?最近TikTokが流行ってるけど自社はやるべき?と言った問いに答えられなくなります。

結果、流行っているからやってみようと試みて失敗し、TikTokは弊社には向いていないと決めつけ、機会損失に繋がるケースも珍しくありません。

自社が行うべき施策の決定や、その施策におけるクリエイティブの内容など、Webマーケティングを行う上で戦略はあらゆる場面で求められます。

そのような戦略立案をどのようにして決めていくかですが、キーワードは「3C」と「カスタマージャーニーマップ」です。

3Cとは「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字をとって、3Cといいます。

カスタマージャーニーマップは、自社の商品・サービスを購入する顧客がどのようなプロセスを経て購入に至っているのか、感情も含めて可視化するフレームワークです。

これらはWebマーケティングの仕事をするなら必ず覚えておく必要があるキーワードです。

上記を使って戦略を作る場合、まずは3Cで自社の分析、競合の分析、市場(顧客)の分析を行います。

3C分析の際は、競合サービスが実際にどのようなLPを作っており、問い合わせまでの導線はどのようになっているのか?どのようなクリエイティブで、誰に向けてどこでアプローチをしているのか?を見ると良いです。

特にBtoBでは、ターゲットユーザーが自社と被る事が想定され、ターゲットユーザーが良く使う媒体も限定されます。

よく言われるのが、FacebookGmailリスティング広告の3つで、この3つは競合も広告を出稿しているケースが多い為、どのようなクリエイティブやキャッチコピーで誰向けに広告を出しているのかを見るとよりよい分析に繋がります。

その後、カスタマージャーニーマップで顧客の具体化を行います。

ここでは、ターゲットユーザーが日頃どのような媒体を使っており、その媒体を使う時はどのような時なのか?まで深掘りすることをお薦めします。

情報収集に使っている媒体がFacebookの場合もあればTwitterの場合もありますし、比較検討を行う際はGoogleで調べるかもしれません。

ターゲットユーザーがどのフェーズにいる時に、どの媒体で、どのようにアプローチをするのかを想定するのに役立ちます。

また、カスタマージャーニーマップは一つでなく複数作成する事をお薦めします。

例えば、Webマーケティングのコンサルを探している企業がターゲットだとすると、事業の規模、担当者のレイヤーなどの区切りで複数作るといいでしょう。

BtoB企業でも部長クラスの市場規模と一般社員の市場規模は異なり、日々接している媒体や生活スタイルも異なる為、複数作成して、自社の顧客をより具体化することをお薦めします。

これらの作業は、Webマーケティングの仕事の中でも上流部分の仕事になる為、ある程度の経験が必要となります。

ベンチャー企業であれば、未経験でもいきなりこの部分を経験できたる可能性もあるので、候補の一つとして考えてみるのもよいかもしれません。

プランニング編

続いてプランニング編です。

上記の戦略編で決めた戦略を元に、Webマーケティングで具体的に何をやるのかを決定します。

例として、美容室向けの業務用美容品を製造しているメーカーのプランニング編を見ていきましょう。

上記の戦略編で、都心の美容室をターゲットにする戦略が掲げられた時、実際に行う施策を決めるのがプラニングです。

都心の美容室は、トレンドに敏感な顧客が多く、美容にも平均以上のお金を使っていると想定することができます。

トレンドに敏感な都心ユーザーを押さえられて且つ高級感を出したいとすると、TwitterよりもInstagramの方が相性が良いと考えられます。

なので、Instagramでお洒落で上品は写真を使い、都心の美容室で働いているスタッフが実際にお客様に説明するシーンをイメージできるような説明を入れるといった具体的な手段に落とし込みます。

また、既存の美容品を変えたいと思っている都心の美容室もあることが想定されます。

この場合、ユーザーはより求めている事が明確です。例えば「もっと料金を抑えて販売したい」「シャンプーのレパートリーが多い商品を導入したい」などが考えられます。

そのようなユーザーは恐らく、Google等の検索エンジンで検索すると考えられるので、「美容室専用 シャンプー」のキーワードでリスティング広告を出稿します。

実行編

最後に実行編です。

プランニング編で決められた施策を実際に動かす段階です。

上記の例で言うと、実際に記事を作成したり、メルマガの発行、広告の運用を行います。

ここで重要なことは、仮説を持った上で施策を行う事です。

実際の業務内容として、自分が書いたメルマガからどれだけの人がサイトに訪問してくれたのか?それは本当にターゲットだったのか?サイト内でどのような行動をしておりそれは求めている行動だったのか?その結果を踏まえて次はどのようにメルマガを作成するのか?といった作業を行うことになります。

例えば、上記の美容室向けの業務用美容品を製造しているメーカーの例でいうと、メルマガの件名に「シャンプー〇〇〇〇円〜」という料金を入れた方が成果が高いのか、「新商品のシャンプーをご紹介」のように新情報の方が成果が高いのか、その他に成果が高い件名があるのかABテストを実施して探し出します。

また、広告からサイトに流入してきたユーザーがどの程度メルマガ購読に繋がり、問い合わせ・商談に繋がっているのかを数値で確認します。

上記のように、Webマーケティングの業務は各施策の運用のみでなく、サイト分析も行います。

リスティング広告を運用している場合、キーワード単位での受注率や受注金額のデータと紐付けて、より効果の良いキーワードを見つけたり、サイト内のどこで離脱しているのかを見て、問い合わせのボタンの場所を変えたりと、Webサイト上の改善も業務の内容に含まれます。

BtoBのWebマーケティングに向いている人向いていない人

解析

向いている人

BtoBのWebマーケティングの仕事に向いている人は、論理的な思考のできる人、論理的に物事を考える事が好きな人。そして熱量高く仕事と向き合える人です。

BtoBは、BtoCよりもターゲット企業のビジネスモデルやサービスをより理解する必要があります。

先述した通り、BtoBはBtoCと異なり、現場担当者と意思決定者が別に存在します。

現場担当者が理解した内容を決済者に提案する形がスタンダードなので、よりターゲット企業のサービスやビジネスモデルを理解した上でWebマーケティングにおけるキャッチコピーやクリエイティブ、媒体選定をする必要があり、必然的に論理的な思考が求められます。

Webマーケティングの仕事は、社内外の多くの人と接触する仕事です。

特にBtoBでは、Webマーケティングで獲得したユーザーがその後どのような結果になったのか、受注に至ったのか至らなかったのか、その理由は何であるのか?などを営業からヒアリングする場面も多くあります。

営業など他部署から情報を得た際に、そこで得た情報のみで納得する人と、さらに詳細を知るためにクライアントとの商談の場に同席を希望するような仕事に対する熱量の高い人がいます。

後者のように熱量高く仕事と向き合える人が、Webマーケティングの仕事に向いている人です。

向いていない人

反対にBtoBのWebマーケティングに向いていない人は、物事を決める時に直感的に判断する人や思考するのが苦手な人です。

クリエイティブを決める時やキャンペーン内容を決める時に直感的に良いか悪いかを判断する事はありますが、日常的に数字を見て施策の良し悪しを判断するWebマーケティングの仕事は、日常的に思考したり論理的に考えられる人でないと難しいです。

また、決められた事しかできない人も同じく向いてないといえます。

Webマーケティングの仕事は他部署と関わる事が多かったり、競合の動きや市場の動きによって仕事内容が変動します。基本的に答えがない事や分からない事を行わなければなりません。

自分でやること、やり方を決めて行う必要があるので、決まった事しかできない人は向いていないと言えます。

Webマーケティングにおけるキャリア形成

Webマーケティングにおいてどのようにしてキャリア形成していくのかを解説します。

STEP1 どんな姿になりたいのかイメージする

具体的でも良いですし、抽象的でも構わないので、まずは自分が3年後5年後10年後、どんな姿になっていたいのか、どんな仕事をしていたいのかをイメージします。

実際に紙に書いてみるとよりイメージしやすいと思います。

その時に現在の年齢と、3年後5年後10年後の年齢も記載してそれぞれどのような姿になっていたいのか、どんな仕事をしていたいのかを書くとよりキャリア形成しやすくなります。

STEP2 色々な業界の案件を経験出来る会社を探す

STEP1が終わったら、次は実際に仕事を探してみましょう。

お薦めは色々な業界の色々な案件を経験出来る広告代理店です。

広告代理店はキャリア形成の幅も広がる事もお薦めする理由の一つです。

そこで実際に自分がイメージしていた内容とのギャップを感じてみたり、上司や社歴が長い人がどのような働き方でどんな仕事をしているのかを見てみましょう。

STEP3 実際経験してみた上でSTEP1を再度行う

STEP3では、実際に業務を経験してみた上で再度STEP1を行います。

実際に業務を経験すると自分が想像できていなかった事が多く見えてくると思います。

その新たに見えてきた事を踏まえて再度STEP1を行いましょう。

STEP4 STEP3で固まった業務が行える所に転職する

最後に、STEP3で固めた内容に沿って転職をしましょう。

もちろんSTEP3の内容次第で、転職しないという選択肢もあると思います。

STEP3をより具体的に行えていれば、その転職先の候補に近しい業務を現職中に行える可能性もあります。

番外編

最近は、正社員としてマーケティング人材を採用するのではなく、業務委託に一部業務を外注するというケースも増えています。

Webマーケティングの知識とノウハウを身につけると、副業に活かしたり自身でのWeb上での販売などにも活用でき、お薦めしたい職種の一つです。

そうした場合も、求人先企業がどのような案件を持っているかを確認した上で自分のキャリアに合致した先を選択するのがよいでしょう。

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