TikTok広告と相性が良い会社、悪い会社|特徴から考察

2020年のアプリダウンロード数ランキングで世界1位となったTikTok。(米市場調査会社アップアニー調べ)

利用者の数もすごいTikTokですが、実は広告領域でも注目され企業の活用事例が増えつつあります。

今回はそんなTikTok広告について「どう言った強みがあり」「どんなサービスと相性が良く」「どんな選択肢があるのか」が知りたい方に向けて事例を元にTikTok広告についてご紹介をさせて頂きます。



TikTok広告と相性の良いサービス・プロダクトとは

飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びているTikTok広告ですが、もちろん相性の良いサービスとそうでないサービスがあります。

ここでは失敗しない為にTikTok広告の強みとそれに紐付いた活用事例などから検討すべき相性の良い企業についてご紹介させて頂きます。

 

TikTok広告の強み

TikTok広告の強みは大きく3点存在しています。

  1. 伝えられる情報量が多く、拡散性が高い
  2. 10代〜20代の若年層にアプローチができる
  3. ユーザーの広告に対する受容性が高い

伝えられる情報量が多く、拡散性が高い

一つ目は、TikTokは「動画プラットフォーム」のため、伝えられる情報量が多く、そして拡散性が高いという強みがあります。広告も同様に訴求力が高く、クリエイティブによりユーザーの記憶に残りやすいTikTokは、認知拡大やブランディングをしていくのに向いています。

10代〜20代の若年層にアプローチができる

TikTokの利用者数(国内)は、950万人(2019年2月時点)にも及び、その中心が10代〜20代の若年層が多い事が特徴としてあります。

若い方に向けての認知拡大はもちろん下記レポートの通り実際の購買行動にも繋がっているのも強みになります。

(引用元:公式TikTok For Business JPサイト)


ユーザーの広告に対する受容性が高い

最後は、TikTokユーザーの特性的に広告に対して受容性が高い事が最大の強みとなります。

理由としては、特定な目的がなく「回遊」しているユーザーが多いTikTokでは、何か面白い動画に偶然出会えるのを期待する※「セレンディピティ」を醍醐味として利用しているユーザーが多い傾向があります。

つまり、広告に対しても「セレンディピティ」の状態で受け取りやすい環境なので興味を持ってもらえる可能性が高くなります。

 

※セレンディピティとは、偶然をきっかけに生まれる気付きやひらめきのこと。

補足:なぜセレンディピティなら広告も刺さりやすい?

なぜ、セレンディピティであれば広告も刺さりやすいかと言いますと、「何かについて知りたい」「この人の動画が観たい」と明確な目的を持っている方々に広告が表示されたら、大体多くの人が表示された広告を飛ばしたり鬱陶しいと感じやすいです。

 

例えば、テレビCMはもちろん、他のSNS(YouTubeなど)は「見たいコンテンツ」「見たい投稿」を阻害するものとして広告を飛ばしがちです。

一方でTikTokの場合は目的ありきではないのでそこのハードルが低いというのが結果的に広告に対しても受容性が高くなりやすいという事です。

TikTok広告の活用事例

それでは、TikTok広告を活用している業界を事例とともに解説しましょう。

アプリ業界の事例

一つ目の業界は「アプリ」になります。

アプリの打ち出しであればTikTok広告のアクションから直接DLページに遷移させることも可能です。またエンタメやライフスタイル系であれば世界観や使用感を動画によりPRも可能なため、親和性が高いと考えられます。




(引用元: 公式TikTok For Business JPサイト)



「dely株式会社」が展開している料理レシピ動画のクラシルは、アプリの操作を実際に画面上で短い動画にして見せることで、「自分も使ってみたい」「この料理の作り方を詳しく知りたい」とユーザーの関心をうまく高めることができました。

結果、多くの10代後半〜20代前半のユーザーの獲得に成功。CPIも、従来のレシピのクリエイティブとの比較で約20%低く、費用対効果が高くなりました。

コスメ業界の活用事例

二つ目の業界は「コスメ」になります。

美容やメイクなどの変化が目に見えるサービスは、ビフォー・アフター動画など訴求がわかりやすいです。

また美容店舗の集客につなげることも可能です。ヘアスタイルやヘアアレンジだけでなく、エクステやパーマなどの動画をアップしたり、自身で手掛けたサービスを動画で見せると、ユーザーにもわかりやすいですし、実際に体験したいと思う人もいるでしょう。


https://www.tiktok.com/@ayami_yamichan/video/6966536963113356545?is_from_webapp=1&sender_device=pc&web_id7024765048129226242

(引用元: 公式TikTok For Business JPサイト)

 

「株式会社ハーバー研究所」はラベンダースクワランのキャンペーンの展開としてインフィード広告を実施しました。

限定発売時期に新規ユーザー様からの認知拡大を目的とし、より絞り込んだターゲットに向けて広告配信を実施いたしました。また解説メインの紹介が得意なクリエイターを起用してセールスポイントや訴求したいポイントを端的に伝えるクリエイティブを展開した。

結果、今回のキャンペーンでは、広告認知が+2.9%の絶対リフト(80%以上の信頼度)がありました。結果としてターゲットのリーチを確保し、認知を拡大することに成功することができたキャンペーンとなりました。

飲食業界の活用事例

三つ目の業界は「飲食」になります。

TikTokでは、商品を綺麗にする加工もできるため、飲食店の商品を美味しそうに紹介できるメリットがあります。

それを踏まえると飲食店もTikTokと親和性の高いビジネスと言えるでしょう。

Instagram同様、「映えるもの」が好まれる傾向で、TikTokは動画で見せられるため、動きのある商品はさらに効果が高いでしょう。

(引用元: 公式TikTok For Business JPサイト)

「ドミノピザジャパン」ではアメリカピザのイメージを逆手に取り、コミカルな外国人をキャスティングしたコンテンツを作り、ピザのシズル感を動画で演出しながらコメディタッチでキャンペーン内容にしっかり言及することにより、自然な内容でPRを実施しました。

コメント欄では購買意欲を示すユーザーに加え、「広告だと気が付かなかった」「初めて広告にいいねをつけた」などのユーザーもおり、認知拡大・購買貢献に繋がりました。

事例から見る検討すべき会社(サービス・プロダクト)とは

TikTok広告と親和性の高いビジネスは事例でもご紹介させて頂いた通り、「エンタメアプリ」「コスメ」「飲食」といった業界の集客が向いていると考えられます。

動画で訴求できるというポイントも加味すると美容系、食品、アパレルもおすすめと言えるでしょう。

(データ元:App Ape Android端末を分析)

 

また現状は若い年齢層が多いですが、徐々に40代も伸びており全体的に利用年齢層が増加傾向になります。

それらを省みると、今後は検討すべき業界のバリエーションが更に広がる事が予想されます。



TikTokの広告について

ここではTikTok広告の手法についてご紹介させて頂きます。

TikTok広告は大きく分けると「純広告」と「運用型」の2つのやり方に分類されます。

純広告について

純広告は事前に予約して配信する枠になりまして2種類の広告枠が存在しています。

ソフトバンクの起動画面広告    ワイモバイルの#チャレンジ(#と思いきやダンス)

https://www.tiktok.com/ja

 

起動画面広告

起動画面広告は、アプリ起動時に全面表示される広告(3秒〜5秒表示)になります。

1日に1枠しか配信できないプレミアなため、費用が非常に高くなり、また枠を確保するのが困難な点はありますが、ユーザーに確実に見て頂くことが可能です。

効果としてはマス広告に近く、スピード感をもって認知向上を行いたい場合には、非常に効果的な配信形式です。

 

ハッシュタグチャレンジ広告

ハッシュタグチャレンジはユーザー参加型の広告になります。

特定のハッシュタグを設定し、公式動画として配信、アプリ内のコンテンツページ(チャレンジページ)に誘導させてそれにちなんだ投稿をユーザーに促して拡散していきます。

ユーザーが主体的に発信をしていただけるので結論、UGCがどんどん生まれ、自然な形でブランドの認知を向上させる事ができます。

つまり、商品を使ったオーガニック投稿を増やしたいとか〇〇チャレンジで広く認知を取りたい、瞬間風速的に盛り上げたいなどに効果的な広告になります。

(引用元: 公式TikTok For Business JPサイト)

 

手洗い石鹸ミューズ(レキットベンキーザー・ジャパン株式会社)の事例では、新型ウイルス対策の一環として、手洗い体操をソーシャルキャンペーンとして実施しました。手洗いの4ステップを楽曲に合わせてダンスと組み合わせて正しい手洗いのステップの啓蒙を行い、結果再生回数7,000万回超え、投稿数も約3,000人に拡散されました。



運用型広告

2020年よりスタートした運用型広告は設計する上での工数など負担はありますが、逆にリアルタイムで調整ができ、予算も柔軟に設定し手軽に出稿ができる広告となります。

また詳細なターゲティングが可能なことから、認知目的よりもコンバージョン獲得や販売促進に向いている広告です。

広告面はインフィード広告の配信になります。

因みに運用型広告の場合はTikTokとは別のアプリBuzzVideoやモバイル広告プラットフォームのPangleなどTikTokが連携している場所にも広告配信ができます。

 

インフィード広告について

インフィード広告は、おすすめ投稿に配信できる広告(5秒〜15秒)です。

つまり、一般ユーザーの投稿に紛れる形でネイティブな動画広告の配信ができます。

もちろん「広告」と表示はされていますが、広告色が薄いため抵抗を感じるユーザーが少ないという特徴があります。

また外部WEBサイトに遷移させることも可能で、且つ通常投稿と同様に「いいね」「コメント」「シェア」もつくので広告コンテンツで興味を引くことが出来れば非常に効果的な広告になります。

最近ではTikTokerにクリエイティブを作ってもらいインフィードにて配信する手法が流行っています。



広告メニューの費用について

ご説明させてい頂いた各広告手法の費用についてご紹介させて頂きます。

 

各種費用目安について



種別

広告メニュー

目的

特徴

課金方式

目安費用

純広告

起動面広告

TikTok内でのリーチを最大化

1日1社限定

アプリ起動時に必ず表示される

インプレッション課金型

10,000,000円〜

ハッシュタグチャレンジ

UGCを発生させトレンド/バズを作る

TikTok内での露出大

UGCを創出できる

期間契約型

5,000,000円程度

(770円/1,000imp)

運用型広告

インフィード広告

予算をカスタマイズしながら、コンバージョンを高めて獲得の最大化を狙う

自然な形で広告を配信できる

ターゲティングも可能

少額からの出稿が可能

CTAボタンを設定して外部サイトへ遷移可能

クリック課金型

インプレッション課金型

再生課金型

100〜1,000円/1,000imp

30〜100円/クリック

5〜60円/再生



純広告と運用型広告は様々な特徴の違いはありますが、一つ言えることは純広告は「ハッシュタグチャレンジ」で500万円〜、「起動面広告」も1000万円〜と考えるとやはり費用が高くついてしまうの大きな違いだと言えます。

一方で、費用をコントロールしながら展開できる運用型広告は少額からの予算でPDCAを回せるメリットを考えると予算を掛けて瞬間的に大きな認知というよりは、ターゲットにピンポイントで展開をして購買に繋げる販売促進向きにになります。

つまり、ブランディング向きより、直接のコンバージョンを目的とするのに最も適していると言えるでしょう。



TikTok広告の注意点

広告の種類によって効果や運用方法が異なります。

闇雲に実施するのではなく、自社がどのような目的でTikTok広告を利用するのかを明確にして、それに適した広告を選びましょう。

サービスやプロダクトの認知度をアップさせたいのか、それとも購買や申し込みを促す販促に繋げていきたいのかによって広告のやり方はまったく異なります。

 

TikTok広告のポイント

運用型広告で成果を出すためにポイントをご紹介します。

運用型広告は販売促進を目的にする場合が多いので設定面、クリエイティブ面の2面が重要となります。

 

ターゲティングの設定とPDCA

運用型広告においてはターゲティングとPDCAが大事になってきます。

ターゲティングは年齢、性別といったユーザー属性から、興味関心、行動などでターゲティングすることができますが、年齢や興味関心など、細かくターゲティングを分けすぎてしまうと配信量が減少してしまうことがあります。

ご予算があまり多くない場合などは特に、年齢や興味関心などの縛りをなくしたブロード配信をし、「オーディエンス分析」の結果からターゲティングの細分化をしていくことが段取りがいいでしょう。

PDCAにおいては、BGMや冒頭3秒の映像でABテストをすると効果的です。

但し、テストは多くても5パターンくらいで比較してデータを確認していきましょう。

 

クリエイティブのポイント

TikTokアプリのフィードに広告を配信したい場合は縦型クリエイティブ(9:16)の出稿が推奨されます。

(引用元: 公式TikTok For Business JPサイト)

BGMに関してはアップテンポのBGMが好まれる傾向があります。

※BPM(1分当たりの拍)が120以上のクリエイティブはテンポの遅いものに比べ再生率が高くなっています。

(引用元: 公式TikTok For Business JPサイト)

 

また最近ではクリエイティブをTikTokerの人に制作してもらい運用型広告でPRしていく事も主流となってきています。

 

まとめ

TikTok広告と相性がいい商材は若年層向けの商材はもちろんですが、今後は30〜40代に向けたサービスも増えてきそうです。

またブランドの認知向上からコンバージョン獲得に使えるなど広告枠により選択が可能です。

重要なのは、企業がどういう目的で広告を実施するかを改めて振り返った上で実施をすれば失敗をしない広告活用となるでしょう。

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